永く愛用するために身につけておきたい

タイプ別の
腕時計
メンテナンス術


お気に入りであればあるほど、着用時間も増えてダメージも蓄積されていく。だからこそ、定期的なセルフメンテナンス が重要になってくる。最低限のメンテ術を紹介するが、難しいときは専門店へ持ち込むのが無難だ。



メンテ術
その1


レザーベルトの手入れ


水分や油分を吸収しやすいレザーは、汗や水分による汚れがシミに なってしまう前に、できるだけ早めに処置したいところだ。


  • 1

    付着しやすい
    汗や食べ物のシミ

    着用しているうちに、知らない間に付着してしまっているベルト裏のシミ。こういった汚れは放っておかずにすぐに対応すること。

  • 2

    布〈セーム革〉で
    水分を拭き取る

    水シミ、汗はなるべく早めに布で拭き取ることが重要だ。放っておけばおくほどに、定着してしまいとりづらくなってしまう。

  • 3

    ライニングを
    上に向けて乾燥を待つ

    水分をある程度取り除いたら、ライニングを上に向けて乾燥させよう。内側まで、しっかりと乾燥させることが、長持ちのポイント。




メンテ術
その2


SSブレスの手入れ


SSブレスの場合は蓄積された皮脂汚れにより、サビを引き起こす 可能性がある。また、ブレス間のほこりなども除去したい。


  • 1

    全体のすきまを
    歯ブラシでかき出す

    まずはやわらかい歯ブラシを使って、全体を優しくこする。これで取りにくい汚れは、次のステップで細かく掃除しよう。

  • 2

    取りづらい部分は
    つまようじを使用

    コマのすきまやバックルなどはつまようじで汚れを取る。皮脂が固まると、ベルトが固くなってしまい、フィット感が落ちる。

  • 3

    リューズなどの
    繊細な部分は綿棒で

    内部に近い繊細な部分は綿棒で優しく叩く。力を入れすぎてしまうと、綿棒の繊維が絡まってしまい、逆効果になりかねない。

  • 4

    きめ細かいクロスで
    最後の仕上げ

    クロスを使って最終仕上げ。これをするだけでも輝きはかなり違ってくる。SS用の市販クロスなら、さらに効果が期待できる。




メンテ術
その3


ラバーベルトの手入れ


スポーツにアウトドアに、つい乱雑に扱って しまいがちなラバータイプは、水洗いができ る。こちらも定期的に行うことだ。


  • 1

    少量の洗剤を
    ぬるま湯に入れて洗う

    基本的にはぬるま湯につけ置きするだけで、ほとんど汚れは落ちる。ひどい汚れときには、洗剤を軽く入れて、すすげば大丈夫だ。

  • 2

    溝に詰まった汚れは
    歯ブラシで落とす

    皮脂汚れが溜まりやすいベルトの穴部分がポイント。歯ブラシで優しくこすって落とそう。乾かすときは変色を避けるため日陰で行うこと。




メンテ術
その4


ナイロンベルトの手入れ


丈夫だが、カラーが入っているぶん汚れが目 立ちやすいのがナイロンベルト。ほつれなど は不用意に引っ張ってちぎらないように。


  • 1

    水洗いをベースに、
    ひどい場合は洗剤を

    こちらも基本は水洗いで問題ない。落ちが悪い場合のみ、少量の洗剤を足して、すすぐこと。その後は風通しのいいところで乾かそう。

  • 2

    ほつれた部分は、
    ライターで切る

    ナイロンベルトの特徴として、「ほつれ」がある。一度ほつれてしまうと、どんどん裂けていくので、火で焼いて、切ってしまうのがベストだ。




保管場所のNG3カ条


ATTENTION!



  • NG1

    電子機器の近く

    パソコンやテレビ、スマートホンなど磁気を発するものの近くでは、時計の機構を狂わせてしまう恐れがある。

  • NG2

    落下の可能性がある高所

    落下したことで傷が付いたり、衝撃でムーブメントが故障する可能性も。安定した場所で保管すること。

  • NG3

    高温多湿な場所

    腕時計はどんなに強いものであっても精密な機械だ。湿気や高温には基本的に強くはないので注意が必要になる。



※メンテナンス方法はすべての時計に当てはまるとは限りません。不安な場合は目立たない部分で試してから実施してください。