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INTERVIEW- インタビュー -

2020.01.06

ラッパー・SEEDAを演じる笠松将のベストスニーカーは?

“注目の若手俳優”という肩書きはよく聞くけれど、笠松 将はその言葉に納得できる活躍ぶり。来年に公開される映画は、すでに4本も控えているのだ! その中でも多くの期待の声が寄せられているのは、日本のヒップホップシーンで圧倒的な人気を誇るラッパーのSEEDAが、2006年に発売したアルバム『花と雨』を題材にした同名の映画『花と雨』。この作品ではじめて主演を務めた笠松 将は、スニーカー好きと話し、劇中ではナイキ スポーツウェアのエア フォース1を履いている。彼のベストスニーカーから映画のことまで語ってもらった!

■スニーカーは定番モデルが好き!

――スニーカー好きということですが、よく履いているのはどんなブランドですか?

「ナイキがすごく好きですね。今日履いているのも、ナイキのジョーダン プロトマックス720。直感でカッコいいって感じたら買っちゃいます。発売日に行列ができて抽選になるような復刻やコラボのレアモデルもカッコいいと思うけど、どちらかと言えば好きなのは定番モデル」

――その中でもとくに好きなモデルはなんでしょうか?

「一番好きなスニーカーは、真っ白のエア フォース1です。『花と雨』でも履いているんです。演じている吉田はラッパーだからピカピカに履いたほうがカッコいいけど、個人的には少し汚れていても魅力的に感じる。あとは、エア マックス 90も好きです」

――履きこなし方にこだわりはありますか?

「ダボダボのデニムをはくことが多いんですけど、ハイカットは裾で見えなくなっちゃって意味がないように感じるから、ローカットのほうが好きなんです。でも、家で飾るとなると、ハイカットのほうが映えるんですよね(笑)。あと、靴の選び方は、その日会う人に合わせることが多いかも。スニーカーが好きな人と会うときは、エア フォース1みたいな定番を履くと、大概共感してもらえますしね」

――普段のコーディネートについて教えてください!

「着ていて楽な服ばかり選んじゃいます。ジャージ素材とか、スウェット素材とか。ボタンがある服は、あんまり持っていないかもしれないです」

――毎日のコーディネートでマイルールはあるんですか?

「コレ言うと、みんな『は?』って顔するんですけど(笑)、新鮮な服が好きなんですよ。それは、洗濯したばかりの洋服ってことです。干してある服をそのまま着れば、畳まなくてもいいし、シワも付いていないですし。あとは、やっぱりコーディネートで一番最初に決めるのはスニーカーです」 

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主演映画『花と雨』は、撮影前から作品作りがはじまっていた

 
■主演映画『花と雨』は、撮影前から作品作りがはじまっていた

――エア フォース1を履いていたという映画『花と雨』では、ラッパーを志すSEEDAこと吉田を演じています。その役作りは大変でしたか?

「少し変わった役を演じることが多い気がします。例えば、車の窃盗犯とか、親友を騙すベーシストとか。普通のサラリーマンというより、特殊な役が多かったので、吉田を演じることは僕にとって普通であり新鮮でした。準備期間と環境がしっかり整っていたので、吉田を構築する時間はきちんとありました」

――原案となるSEEDAさんのアルバム『花と雨』は聴いていましたか?

「中学校の先輩も親友もヒップホップをよく聴いていたから、『花と雨』の存在は知っていました。そして、上京してからヒップホップがとても好きな人と仲良くなり、SEEDAさんの逸話をたくさん聞いていたんです。それから改めて『花と雨』を聴くようになったんですよね」

――もともと、この映画では別の役のオーディションを受けていたそうですね。

「主役であるSEEDAさんを演じる上で、ビジュアルやバイリンガルなどの条件があって、僕はひとつも当てはまっていなかったんですよ。でも、主役だけが映画じゃないし、『この映画に出演できるなら!』と思って別の役のオーディションに参加させていただきました」

――土屋監督にとってもはじめての長編映画。はじめて会ったときはどんな印象でしたか?

「オーディションではじめてお会いしました。でも、自己紹介もなく、芝居を一回だけして終わりました。監督とはひと言も話す機会はありませんでした。自分なりに準備をしていっただけにそれだけで審査されて、落ちてしまったら納得ができないし悔しさしかないだろうなと思っていました。でも結局、主役に抜擢していただいて、本当にうれしかったです」

――監督からの要望や指導はありましたか?

「先ほどもお話したように準備期間が長かったので、そこから作品作りが始まっていました。現場で演技の指導を貰うことより、クランクイン前に監督とご飯を食べたときやラップの練習でスタジオに入ったときに、目指す芝居や作品の世界観について話してもらったことが、演技の演出のように感じていました」 

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逃げ出したくなるくらい演じるのが怖くなった

 
■逃げ出したくなるくらい演じるのが怖くなった

――SEEDAさん自身をもとにした役を演じることにプレッシャーは感じました?

「主演が決まったときは100%で喜びました。でも、時間が経っていくにつれて、いざ自分がその土俵に立たなきゃいけないと実感してくると、だんだん不安になりました。鼻歌で歌っていた曲が遠くに感じちゃったんですよね。逃げ出したくなるくらい演じるのが怖かったです」

――その不安を払拭できた理由は?

「本当に不安が解消されるのは、映画が公開されて、皆さんが作品を評価してくれたときだと思います。でも、撮影期間を支えてくれたことは、たくさんあります。お姉さん役の大西礼芳さんが撮影の合間、疲れている僕にお茶を持ってきてくれたことや、監督が僕の芝居を喜んでくれたこととか。ライヴシーンを撮ったとき、SEEDAさんとラップを指導してくれた仙人掌(せんにんしょう)さんが、モニターを観ながら涙を流してくれていたこともあって。そのほかにもたくさんのことが積み重なり、今自分が向かっている方向が正しいと思えるようになりました」

――劇中ではラップにも挑戦していますね。

「最初、ラップのシーンはSEEDAさんの声を当てるって案もあったんですけど、SEEDAさんは『笠松さんの声でいきましょう』と。もちろん僕は、人前でラップをしたことなんてないので、『できますかね?』って言ったら、シーンのトップにいるSEEDAさんが『ラップなんて誰でもできるでしょ』っておっしゃいましたけど、そのひと言が深すぎて……。あと、仙人掌さんが、言葉の区切る場所、息継ぎのタイミングなど、細かく指導してくれました。この曲が完成する前、当時のSEEDAさんと仙人掌さんの思い出も聞かせてもらいました。それを教えてもらったからこそ、ラップに気持ちが込めることができたし、理解できたシーンもありました」

――実際に自分のラップを聞いてみてどうでしたか?

「実際に自分の声で録ってみたら、リズムもキーも合っているのに、すごく違和感があったんですよ。『花と雨』は、SEEDAさんが経験にもとづいて歌っているからこそ、カッコいい曲なんだと感じました。でも、SEEDAさんのファンの方々も観に来てくれるし、作品の核となる曲なので、後悔のないようひたすら練習するのみでした。SEEDAさんのファンの方々には、安心して観てほしいって言いたいです。みなさんからしたら、知らない俳優がSEEDAさんを演じているかもしれないけど、ちゃんとSEEDAさんと監督に選んでいただき、しっかりと準備や練習を重ねてきたので、僕や一緒に作り上げてきたスタッフのことを信じてもらえればです」

――では最後に、この映画の見所を教えてください!

「『花と雨』は、ひとりの青年の青春物語です。恋や友情だけが青春ではありません。その環境がヒップホップの中にあるだけです。悩みや葛藤があれば、成長もあるストーリーです。今の自分がやっていることは正しいのか、間違っているのか。これからの自分はどうすればいいのか。その中で、ぼんやりとやりたいことを考えている人、がんばって生きていきたい人にぜひ観てもらいたい作品です。そして、SEEDAさんのアルバム『花と雨』に収録されている曲がBGMに使われていたり、映画とリンクする部分もたくさんあったりするので、聴いてから観るともっと楽しめると思います!」

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映画『花と雨』
1月17日(金)から
ヒューマントラストシネマ渋谷ほか、全国公開
(C)2019「花と雨」製作委員会

<STORY>
幼少期、ロンドンで育った主人公の吉田は、閉塞的で村社会的な日本の空気に馴染めないまま、高校生活を送っていた。同級生や現実を冷めた態度で見つめ満たされない日々。そして次第に学校から距離を置くようになった時、"Hip Hop"と出会った。Hip Hopを通じて日本で初めて自分が表現できる場所・仲間とも出合い、身も心も"Hip Hop"にのめり込んでいく。吉田は、いつか海外での活躍を目指す姉・麻里との約束を胸にラッパーとしての練習や活動をしながらストリートでは、ドラッグディールで実績と自信をつけていく。しかし、物事はそう簡単にうまくはいかなかった。ラップバトルで再会する同級生には負け、掴みかけたチャンスは仲間に裏切られ次々と失った。初めて自分の居場所だと思えたからこそ、その現実の厳しさに晒され、自分を見失って行く。Hip Hopへの情熱も薄れ、いつしか単なるドラッグディーラーに成り下がっていた。夢に邁進する姉の麻里とも距離を置くようになり、いつまでもうまくいかない現実から逃げる吉田は、ついに逮捕されるはめに。そしてその先に待っていたのは、最愛の姉との別れだった。これが、自分のやりたかったことなのか? 吉田はラッパーとして、1人の人間として、現実を乗り越えられるのか・・・。

出演:笠松将 大西礼芳 岡本智礼 中村織央 光根恭平 花沢将人 MAX  サンディー海 木村圭作
紗羅マリー 西原誠吾 飯田基祐 つみきみほ  松尾貴史 高岡蒼佑
監督:土屋貴史  原案:SEEDA・吉田理美  脚本:堀江貴大・土屋貴史
音楽プロデューサー:SEEDA・CALUMECS 
製作:藤田晋・中祖眞一郎 制作プロダクション: P.I.C.S. 配給:ファントム・フィルム
公式サイト: Phantom-film.com/hanatoame/

INFORMATION

プロフィール/1992年11月04日生まれ。愛知県出身。18歳で上京し、俳優としての一歩を踏み出す。映画やテレビドラマでさまざまな役柄をこなし、出演作品数も年々増え続けていることから、注目度の高さが伺える。1月17日(金)から公開される映画『花と雨』では、ラッパーを目指しながらも自身に葛藤する主人公の吉田を熱演。現在公開中の映画『"隠れビッチ"やってました』にも出演中。

文/小松ショウゴ 撮影/田中利幸 ヘアメイク/松田 陵

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