INTERVIEW- インタビュー -

2020.08.13

俳優らしい目線で選ぶ赤楚衛二の夏スタイル

『ストロボエッジ』や『アオハライド』などで知られる咲坂伊緒の少女漫画『思い、思われ、ふり、ふられ』がこの夏実写化！　青春の輝きや苦しさを丁寧に抽出した物語は、まさに渦中にある高校生はもちろん、過ぎ去った時間に自分を重ね、誰もが共感を覚える作品に仕上がっている。今回は、同作品で浜辺美波らと主演を務める赤楚衛二に、映画のハイライトを語っていただくのとともに、自身のファッション感についても質問してきました！

映像作品から、スタイリングのイメージを膨らませます

──今日の衣装は夏っぽい配色がさわやかですね！　ふだんはどんなスタイルが多いのでしょうか？
いつもはあまり色ものを着ないので新鮮な気持ちになれました。私服はわりとカジュアルめでモノトーンが多いんです。なので、ブランドだとY-3が好きです。

──本誌のかばんの中身企画で見せていただいたリュックも黒のシンプルモードなデザインだったので、Y-3の洋服と相性が良さそうですね。最近は何かお買い物はされました？
「最近、タカヒロミヤシタザソロイストというブランドにハマっていまして。去年のクリスマスに街に買い物に出かけたら、このブランドのMA-1に出会って、一目惚れしました。ちょっと値段は高かったけど、思い切って買って、それからファンなんです。夏物だと、ラバー素材のロゴサンダル買いました。しょっちゅう買える価格帯ではないので、一つひとつ大切に使いたいと思ってます」

──タカヒロミヤシタザソロイストも、黒が印象的なブランドですね。ロゴプリントのデザインがカッコよくて、１枚で着てもサマになるイメージです。好きなブランドを伺っただけでも、自分らしいおしゃれを探求されているのが分かります！　
「俳優をしているので、映画やドラマはよく観るんですけど、着こなしのヒントも映像作品から得ることが多いんです。『愛していると言ってくれ』ってドラマがありますよね？

──1995年に大ヒットしたドラマですね。豊川悦司さん演じる聴覚障害のある青年画家の晃次と、常盤貴子さん演じる恋人の紘子の、言葉を超えた愛の物語でした。
ストーリーもさることながら、このドラマの中の、豊川悦司さんのファッションがとてもカッコいいんですよ。なんとも言えないゆるっとした感じ。

──飾らない雰囲気で、独特の男の色気がありましたね！
あんな風に服を着こなせたらいいですよね。夏はこのドラマのスタイリングを参考にしていこうかなって思ってます。

和臣は、高校時代の僕と似ていると思う

──漫画家・咲坂伊緒さんの青春三部作最終章と話題の『思い、思われ、ふり、ふられ』が実写化されるということで、公開前から原作のファンの間で大変話題になっています。赤楚さんは、ご自身が演じる乾和臣をどんな風に捉えていましたか？
漫画を読んだあと、最初は掴みどころがない人物だと思いました。対人関係の距離感もそうですし、何を感じて生きているのか見えてこないので、難しい役だなと。ミステリアスな部分も持っているけど、言うところはズバッと言うから不思議で。“こういうタイプの天然か！”って印象ですね」

──役作りはどんな風に進めていきましたか？
監督には、和臣は自分の抱えてる悩みや葛藤に蓋をして、諦めているような人間だから、彼のそんな生き方を見せて欲しいと言われました。作中、大きく分けて和臣には3つの変化があるんですけど、その3つの心変わりを丁寧に描けたらいいねって話もしました」

──和臣に起こるターニングポイントはぜひ、劇場で感じてもらいたいですね！　一足早く試写会で拝見しましたが、迷いながらも強くなること選ぶ和臣に心を揺さぶられました。
「お芝居でわかりやすくそれを表現するのではなくて、変化を心に刻んでおくだけで、ささいな表情や声からそれが伝わるんだなぁと、映画ならではの良さも改めて感じました」

──和臣の心情は、赤楚さんの眼の表情から読み取れたり、映像の間や空白からも響いてくるものがありました！　印象に残ってるシーンは？
高台のシーンは好きです。同じ地点にいても、毎回、和臣の感情は変わっているんです。ロケーションも素敵ですし、彼にとって大切な場面が多い場所です。あとは和臣のお兄ちゃんとのやりとりも印象に残っていますね。取り残された和臣と羽ばたいていったお兄ちゃんという関係性なのですが、演じながらグザッと心に刺ささるものもあって」

──親の期待に応える生き方をしようとしていた和臣が、お兄ちゃんに自分の夢を打ち明けるシーンがありますね。彼は本当は、お兄ちゃんのようになりたいと思っていたのかな、と感じました。
そうなんですよね。お兄ちゃんのように自分らしく生きたいと思っていた自分がいて、それを気づかせてくれたのは浜辺美波さん演じる朱里なんですよね。僕もとても好きなシーンです。

みんながマイペースで居心地のいい撮影現場だった

──撮影現場では、出演者同士あえて敬語を使わず同級生らしいムード作りをしたというこぼれ話もお伺いしました。
出演者も監督も全員、血液型がB型という珍しい現場で、居心地が良かったですよ。

──えっ！　B型が集まると、どんなコミュニケーションを取るんでしょう？
基本的にみんなマイペースで、他愛のない話も楽しかったし、空き時間もそれぞれ個性的な過ごし方をしていました。不思議な感覚でした。

──自由で濃厚そうな現場です（笑）。さて、この映画は、誰でも高校時代にやり残したことがあるから、どんな人の心にも訴えかけるものがあると監督がお話しされていました。赤楚さんが高校時代やり残したと思ってることは？
部活は入った方が良かったな。高校3年間をかけて何かに打ち込ちこむって青春を過ごせなかったのが心残りですね。

──その分、ほかに夢中になっていたことがあるのでは？
今も変わらず何ですが、映画には興味がありました。109シネマズの会員カードを作って、映画館によく通っていました。そのころから俳優をやりたいなと心のどこかでは思ってたけど、両親は教師なので、親と同じ職業に就くんだろうな、なんて当時は考えていました。

──映画を作る仕事がしたいと密かに思っている和臣と、過去の赤楚さんは、重なる部分があるのかもしれませんね。
めちゃくちゃありますね！　僕が役者をやっていなかったら、朱里と出会わないままの和臣のようになっていたんじゃないかな。

──4人の高校生それぞれの葛藤は、誰もが経験してきた青春の1ページを切り取っている気がします。
はい。この映画の、もどかしてくて切なく、透き通るような高校生の恋愛模様の中に、過去の自分を見つけられると思うんです。そのころに立ち返りながら、和臣たちの成長を見届けていただきたいです。

PROFILE
あかそ・えいじ／1994年3月1日生まれ。『仮面ライダービルド』で万丈 龍我／仮面ライダークローズで存在感を発揮し注目を集める。2019年にドラマ『ねぇ先生、知らないの？』でドラマ初主演を果たした。8月14日（金）からは浜辺美波、北村匠海、福本莉子らとともに主演を務める映画『思い、思われ、ふり、ふられ』が全国公開予定。

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8月14日（金）全国東宝系にて公開！
実写映画『思い、思われ、ふり、ふられ』

 

 
©︎ 2020「思い、思われ、ふり、ふられ」製作委員会　©︎ 咲坂伊緒／集英社

STORY
明るく社交的な朱里（浜辺美波）、内向的でうつむきがちな由奈（福本莉子）、
クールな理央（北村匠海）、爽やかで天然な和臣（赤楚衛二）。
偶然出会ったタイプの全く違う４人は、同じマンションに住み同じ学校に通う高校１年生。
親同士の再婚で「家族」となり、朱里に言えない恋心を抱える理央。
そんな理央に憧れるけど自分に自信が持てない由奈。和臣に惹かれていき、
自分の感情に戸惑う朱里。ある秘密を目撃してしまい自分の気持ちに蓋をしてしまう和臣。
一人の告白をきっかけにそれぞれの感情は複雑に絡み合い、相手を思えば思うほどすれ違ってしまう。
４人の切なすぎる《片想い》の行方は──

STAFF&CAST
監督／三木孝浩
脚本／三木孝浩・米内山陽子
出演／浜辺美波、北村匠海、福本莉子、赤楚衛二
上村海成、三船海斗、古川雄輝、戸田菜穂
2020年・日本・125分
配給／東宝
公式HP　https://furifura-movie.jp/