2024.08.14
声優デビュー! 前田拳太郎が語る出演アニメの見どころと空手の道
『あの花』『ここさけ』『空青』を手がけた、監督:長井龍雪、脚本:岡田麿里、キャラクターデザイン:田中将賀の3人が贈る、オリジナル長編アニメーション映画の最新作『ふれる。』がこの秋公開。本作で念願の声優デビューを果たした前田拳太郎が作品への想いや見どころなどを語ってくれた。また、幼少から高校まで続けてきた空手についてもインタビュー。早速チェック!
■やりたかったアニメの声優に初挑戦!
ーー映画『ふれる。』がこの秋に公開となります。前田さんにとって声優初挑戦の作品となりますね。
「はい! 昨年のうちに2024年の目標を立てていて、その一つが『アニメの声優がしたい!』ってことだったんです」
ーーおぉ! まさに有言実行ですね!
「それがですね……、年末にオーディションを受けてすぐに出演が決まったので、2024年の目標として掲げたものが2023年中にかなってしまったんです(笑)」
ーーむしろスゴすぎますね! 出演が決まった時ってやっぱりうれしかったですか?
「連絡は自宅にいた時にいただいたんですが、最初はもう『まさか!』って感じだったんですけど、次の瞬間はやっぱりうれしくて飛び跳ねちゃいました(笑)」
ーーアニメの声優をやりたいっていうのは、なにかきっかけがあるんですか?
「単純にアニメが大好きなんです。いわゆるアニメオタクってやつです(笑)。フィギュアもたくさん集めていて、大小合わせたら何百体って家にあるくらい好きなんですよね」
ーーちなみに何のフィギュアを集めているんですか?
「いっぱいありますよ! リゼロ(『Re:ゼロから始める異世界生活』)とか『五等分の花嫁』とか。あとは親が『ワンピース』のフィギュアを集めてくれたので、ワンピースはたくさんありますね」
ーーワンピースの好きなキャラって教えてもらってもいいですか?
「サンジです。あ、でも理由はアニメ好きってだけじゃないんですよ」
ーーすみません! ちょっと脱線しちゃいましたね(焦)。それ、聞かせてください。
「僕は21歳までは普通に大学に通っていたんです。今、同世代で活躍している俳優仲間の中ではスタートが遅い方なんですよね。声優のお仕事ができれば、そういう遅かった分の時間を少しでも埋められると思ったんです」
ーーなるほど。今のご自身の年齢よりも若い設定の役もできると。
「そうなんです。例えば、実写だったら優太を演じることはできないと思うんですよね。でも、アニメの声優としてなら演じることができた。声優のお仕事は自分の見た目が関係ない分、役柄もそうだし自分の表現の幅も広がると思ったんです」
■「伝える」ことの大切さを改めて実感して欲しい
ーーどんなことを意識して優太を演じましたか?
「優太は3人の登場人物の中では末っ子キャラ的な立ち位置。キャラクター自体は自分とはちょっと違うかなって思ったんですが、台本を読みながら自分との接点を探しながら演じていきました」
ーー作品の見所を教えてください!
「『伝える』ってことがすごく重要なテーマになっていると思います。SNSとかコミュニケーションをとる手段がすごく簡単で便利になっている分、サボってしまいがちだと思うんですが、ちゃんと想いを伝えることの大切さをこの作品を通して感じ取ってもらえたらいいなと思っています」
ーー作品については最後になりますが、読者にメッセージをお願いします。
「人間関係に悩んでいる人や問題を抱えている人ってたくさんいると思います。そういう人たちの背中をちょっと押せるような作品だと思うので、たくさんの方に劇場で観て欲しいと思います!」
■子供の頃から空手に夢中。中学3年で日本一に!
ーー楽しみにしているとかハマっていることってありますか?
「子供の頃からやっていた、空手が好きです」
ーー始めたきっかけは?
「幼稚園の友達が道場に体験に行くと言うので、『じゃあ、自分も行ってみようかな』ってところから始まりました」
ーー初めて間近でみる空手の印象って覚えてますか?
「初めて道場へ足を運んだ時のことはあんまり覚えていなくて、『空手ってこんな感じなんだぁ』ってくらいだったと思います」
ーーやっぱり打撃が当たれば痛いですよね?
「もちろん痛いですよ(笑)。空手って一人で演武を行う“型”と相手と対戦する“組み手”があるんですが、好きだったのは圧倒的に組み手でした。型の稽古のときはなるべくサボりたくて「お腹痛い」って休んで、組み手の時間になると秒で治って稽古に戻るみたいな(笑)」
ーー痛いけど、好きなのは組み手なんですね。
「攻めと守りの局面があるところが楽しかったんだと思いますね。あとは、技を自由に繰り出せるところがその頃の自分に合っていたんだと思います。でも……、今考えたら痛いのはやっぱりイヤだったかな(笑)」
ーーやる気に火がついたのはいつくらいですか?
「中学に入る直前、師範に「これからどうする?」って聞かれたとき、実は空手を辞めようと思っていたんです。でも、その心とは裏腹に「続けます!」って勢いで言っちゃって……(笑)」
ーー言ったからにはってやつですか?
「そうなんです(笑)。今まで続けてきた空手を改めて「やる」って決めた以上、「絶対に1番を獲る」って一気にスイッチが入りました。そこからは休みの日の記憶がほぼないってくらい練習しました」
ーーその努力の甲斐あって中三で全国1位に!
「中学3年の時に型の団体戦で日本一になることができたんですが、もう、その時には大会前から「自分たちが一番うまい」って言えるくらいになっていましたし、それを有言実行できました。そのときは、続けてきて本当に良かったって実感しました」
■空手の教えが今の仕事にちゃんと息づいている
ーー前田さんが得意な空手技ってなんですか?
「主に蹴り技です。さっきも言いましたけど、サンジが好きなんで(笑)」
ーー空手をしてきて、今の仕事に活かされていることってありますか?
「空手の型は、お芝居と共通するところがあると思っているんです」
ーーどんなところですか?
「架空の相手と対峙しているということが前提ですが、そもそも、型を披露することを“演武”と言うくらいなので、演じる、表現するというところで通じていると思います」
ーー確かに“演”って言葉が使われていますね。
「ただ、組み手とは違って戦う相手がいないので、勝敗を分けるポイントは自分たちの完成度。質の高い演武をするためには、日頃の努力あるのみなんです。これは今の自分の仕事に向かうスタンスにもなっています」
ーーそういうマインドって、やはり師範からの教えも大きいですか?
「そうですね。師範や道場で教えていただいたことは大きいです。たとえば、自分が通っていた道場は、大会が終わった後に出場した選手全員で反省会を行っていました。どういう結果を残して、それをどのように自分で受け止めて、今後どう頑張っていくかをみんなの前で話すんですが、それを幼稚園児のころからやっていました」
ーー幼稚園からってすごいですね!
「人前で話すのが苦手だったので、最初は泣きながらです(笑)。でも、そういうことをずっと継続していくと、空手以外のどんなことでもしっかりと向き合えているのかどうか、ちゃんと自分自身に矢印が向くようになりました。礼儀についても厳しく言われていたので、オーディションでも役に立っていると思います」
ーー空手の教えがあって今の前田さんがあるんですね。
「本当にそう思います。とにかく大変な場数をたくさん積んできたので、メンタルは相当鍛えられたと思っています。今、仕事でどんなに辛いことや壁にぶち当たっても、空手をやってきた日々のことを思えば怖いものはない。その経験があるから、今の自分があるんだと思います」
PROFILE
まえだ・けんたろう/1999年9月6日生まれ。埼玉県出身。劇団EXILEのメンバー。2021年に俳優デビュー。同年『仮面ライダーリバイス』にてドラマ初主演を務める。10月4日(金)公開の映画『ふれる。』に出演。メインキャラクターの一人、優太役で念願だった声優初挑戦を果たしている。
Instagram
@kentaro_maeda_official
映画『ふれる。』10月4日(金)公開!
同じ島で育った幼馴染、秋と諒と優太。
東京・高田馬場で共同生活を始めた三人は
20歳になった現在でも親友同士。
それは島から連れてきた不思議な生き物「ふれる」が持つ
テレパシーにも似た力で
趣味も性格も違う彼らを結び付けていたからだ。
お互いの身体に触れ合えば心の声が聴こえてくる-
それは誰にも知られていない三人だけの秘密。
しかし、ある事件がきっかけとなり、秋、諒、優太は、
「ふれる」の力を通じて伝えたはずの心の声が聴こえないことに気づく。
「ふれる」に隠されたもう一つの力が
徐々に明らかになるにつれ、
三人の友情は大きく揺れ動いていく-
キャスト:永瀬 廉、坂東龍汰、前田拳太郎、白石晴香、石見舞菜香、皆川猿時、津田健次郎
- 監督:長井龍雪
- 脚本:岡田麿里
- キャラクターデザイン・総作画監督:田中将賀
- 音楽:横山 克・TeddyLoid
- 美術設定:塩澤良憲・榊枝利行(アートチーム・コンボイ)
- 美術監督:小柏弥生
- 色彩設計:中島和子
- 撮影監督:佐久間悠也
- CGディレクター:渡邉啓太(サブリメイション)
- 編集:西山 茂
- 音響監督: 明田川 仁
- 制作:CloverWorks
- 製作幹事:アニプレックス・STORY inc.
- 配給:東宝・アニプレックス
衣装クレジットはウィザードのジャケット4万4000円、カットソー1万2100円、パンツ3万3000円(すべてティーニー ランチ)、ガルニのリング2万4200円、ピアス各1万1000円(すべてガルニ東京)
・ガルニ東京
TEL:03-3770-4554
東京都渋谷区恵比寿西1-22-5地下1階
・ティーニー ランチ
TEL:03-6812-9341
文/橋本裕一 撮影/榎本洋輔 スタイリング/石橋修一 ヘア&メイク/佐藤健行