2020.06.07
”キケンなイケメン”塩野瑛久、意外な「服」へのこだわり
ぶっとんだストーリーの一癖あるキャラクターなど、あらゆる役を飲みこみ、まったく違う人格を演じる次世代のカメレオン俳優、塩野瑛久。“キケンなイケメン”としても話題の彼は、男から見ても感じとれる独特の色気を放つ。スクリーン越しみならず、スイッチを切った状態でもカッコいい! その理由のひとつはこだわり抜いたファッションセンスにもある模様。役者としても、好きなものを装うという意味でも、人を惹きつける魅力をインタビューから探ってみよう!
洋服は、本当に着たいものだけを着る!
──今日のファッションを始め、難しいアイテムをいつもスマートに着こなされている印象。服好きなのが分かります!
「ファッションは好きです! モノトーンから派手な色、柄物まで着ます。アイテムとかテイストに苦手意識はないけれど、こだわりは持っているほうだと思います。着たい、着たくないがはっきりしているから、いつも洋服を用意してくださるスタイリストさんは大変だと思います(笑)」
──そうなんですね(笑)。塩野さんがもともと持っていらっしゃる雰囲気と、身につけている洋服や小物のテイストが、とても自然に溶け込んでいるんですよね。自己プロデュース力が高い!
「トレンドのアイテムも、自分がかっこいいと思えなかったら着ません。なんとなく流行ってるからこれ着よう、みたいなのがないんです」
──ひとつひとつのアイテムに、着たい理由を持つ! そういう意識があると、自分が本当に好きなものが見えてくるのかもしれません。おしゃれ難民になったときには参考にしたいです! 具体的にはどんなアイテムが好きですか?
「パンツは絶対にゆるっとした太めのシルエットのものをはきます。あとは、シンプルだけどデザインに一癖ある服が好きで。ファストファッションのレディースフロアも見に行きますよ。サイズ感が合うのがあれば、やっぱりレディースのほうが最先端のデザインを落とし込むのが早いので、見ていて楽しいし、これいいなって思うものも多いんです」
──レディースを取り入れる技も真似してみたい! そこまで視野を広げることで、おしゃれの幅も広がりますね。では、ファストファッションを着こなす上でのポイントは?
「洗濯にこだわったり、アイロンをしっかりかけることですかね。洗剤をおしゃれ着用にしたり、干し方に気をつけるだけで変わってきますよ。キレイに着てあげることで、高見えするんじゃないかと思います!」
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『HiGH&LOW THE WORST』の一致団結したパワーが忘れられない
『HiGH&LOW THE WORST』の一致団結したパワーが忘れられない
──塩野さんと言えば“カメレオン俳優”に例えられ、演技力の高さにも注目が集まっています。そう呼ばれていることについて、どう思われてるんでしょう?
「そうですね、ありがたいごとです! イメージに捉われず、いろんな人物になれることは、俳優の醍醐味だと思っています。僕としてはどんな現場でも楽しく演じさせていただいています」
──個性的な役柄を演じられることも多いと思うのですが、役作りしてみて、とくに面白かったキャラクターは?
「『来世ではちゃんとします』のAくん役は印象に残っています」
──とても攻めた作品でした! 一流商社のイケメンという設定でしたね。
「はい。ハイスペックだけど歪んだ性癖を持っている男です。女の子を冷たくあしらうんですけど、主人公への愛があるのかないのか、あやふやなラインで演じるのが面白かったです」
──Aくんの潔さや、ドライな部分に惹きつけられました。では、これまで共演された役者さんで、ともに演じてみて楽しかった方を教えていただきたいです。
「『HiGH&LOW THE WORST』では、小田島有剣という、鳳仙学園の四天王のひとりを演じました。同じ鳳仙学園のメンバーとして共演した小柳心くん、荒井敦史くん、志尊淳くんの3人とは、この作品の前にも共演経験があって。葵揚くんとはこの作品がはじめましてだったんですが、とても結束感が強い現場だったんですよね。正直言って、僕らが演じた鳳仙学園メンバーの中で、師尊くん以外はピックアップされるものではなかったんです。それをみんな分かっていたけど、そこで“(注目されるのは)俺らじゃないよな”ってならずに、高橋ヒロシさんが作り上げる僕らの憧れの世界観を、どう演じるかということを現場でとことん話し合い、チームワークも日々強固になっていくのを感じました。鳳仙の制服を身にまとって立っている以上、やりきらなければという意識を誰もが持っていて、熱量の高い撮影でした」
──舞台で活躍もされていますが、ドラマと舞台とで、どんな風に演じ分けられるんでしょう?
「ざっくり言うと、舞台は技術職なのかな?と思っています。間があって、タイミングがあって、感情の抑揚、セリフの強弱など、自分で意識して出していく。映像と違って編集ができないから、役者がシーンを回すので、そういう『技術』が必要だと思ってます。それに対して映像での演技は、内に秘めているものを、あえて抑えて、そこからこぼれた感情で表現する。そういう部分があるので、そこに違いがあるかもしれません」
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演じてみたいのは、高校生のラブストーリー
演じてみたいのは、高校生のラブストーリー
──お話を聞いていると、塩野さんのいろいろな引き出しをもっと見てみたくなります。
「いろんなところで言ってるんですけど、年齢が許されるうちに高校生役をやりたいんですよね。僕には高校生としての青春がなかったので、それを役で楽しみたい。たった3年間しかない儚さと、世界がそこにしかない人たちの心境って面白いと思うんです。大人になると世界は広いって分かるけど、学生の頃って『そこ』しかない。それを一生懸命に生きるっていうのは、役をひたすらにやりきるってことに通じる部分があると感じています」
──高校生役をやるなら、どんなストーリーで?
「セフレだったり、同性が好きだったりと、普通の恋人役ってじつは演じたことがないんです。なので、ド直球のラブストーリーを演じてみたいですね!」
Profile
しおの・あきひさ/1995年1月3日生まれ。東京都出身。男劇団 青山表参道Xのメンバー。2011年に開催された第24回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストに応募し、審査員特別賞およびAOKI賞を受賞しデビュー。『来世ではちゃんとします』、映画『貴族降臨 -PRINCE OF LEGEND-』などで、個性豊かなキャラクターを演じ切り話題となる。
Twitter
@akihisa_shiono
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衣装はすべてスタイリスト私物
文/渡辺 愛 撮影/田中利幸 スタイリング/山本隆司 ヘア&メイク/時田ユースケ