2023.07.07
福士蒼汰が突き進む武道の道
2020年から全世界90か国で放送・配信され、大ヒットを記録した超大型国際連続ドラマ、Huluオリジナル『THE HEAD』。日本ではHulu独占で待望のSeason2の配信がスタートし話題を巻き起こしている中、唯一日本人でメインキャストとして抜擢された福士蒼汰が登場。作品の見所や舞台裏、さらには今ハマっているものについて熱く語ってくれた。
■念願だった海外初進出!
ーー「THE HEAD」Season2で初めてとなる海外作品の出演です。出演が決まった時の感想は?
「素直にうれしかったです。その一報は受けたのは舞台公演中だったので、どちらも頑張らなければという気持ちでした。プレッシャーや不安も感じましたが、ようやく夢が叶ったという喜びが大きかったです。もともと20代のうちに海外で仕事をするというのが夢でしたから。29歳でギリギリでしたけど(笑)、実現することができてよかったです」
ーー海外での仕事を志すきっかけは?
「一番最初は小学生のとき、地球儀の中にある日本を発見したのがきっかけでした。日本は小さいんだなと気づき、同時に海外に出てみたいと思ったんです」
ーー俳優になる前からなんですね!
「そうですね。そんな思いを漠然と持ちながら、中学校に入ると英語の授業が始まりました。この言語が操れれば世界中の人と会話ができることを知って、英語の勉強に打ち込みました。それから高校に進学して今の事務所に所属し、役者の仕事なら海外に行ける可能性があると思い始め、そして今に至ります。子供ながら漠然と描いた海外へ行くという未来が、年齢を重ねていろんなものに出会いながら鮮明になっていきました」
ーー作品ではコンピューター・エンジニアのユウトを演じます。ご自身の共通点はありました?
「似ているところと言えば、冷静なところです。目の前の問題を冷静な視点で解決していこうというメンタルは似ていると思います」
ーー逆に自分にない部分は?
「自分と違うところは、自分ならこんな危ない仕事はしないというところです(笑)」
ーー役作りで苦労したことはありますか?
「役作りでは、パソコンを扱うスペシャリストの役だったので、タイピングの世界選手権の動画を参考にしました。みんなカイロを持っていたのが印象的で、つねに指先を温めてから臨むんです。たしかに指が冷えていたら打ちづらいですよね。それで、実際にパソコンを扱うシーンで手に息を吹きかけて指を温めるような動作を取り入れました」
■流暢な英語が話題! おすすめの勉強法を伝授!
ーー先ほども少しだけ話に出ましたが、福士さんの流暢な英語が話題です。おすすめの勉強法は?
「まずは中学校英語の文法をしっかり身につけることです。たとえばSVOやSVOCがちゃんと理解できている状態にする。そうすれば、あとはそこに単語を当てはめるだけになると思います」
ーー単語も覚えるのって大変ですよね。
「そうですね。単語は覚えるのにコツがあって、たとえば1日10個覚えるとすると1週間に70個ということになりますよね。ただ、そのやり方で覚えようとすると7日目には最初のほうで勉強した単語をどうしても忘れてしまうんです。だから僕は、1週間毎日同じ70個を勉強したほうが効率的だと思います。大変ではありますが、飽きてきたころに自然と覚えています(笑)」
ーーほかに実践されたことってありますか?
「あとはそうやって覚えた文法や単語を使って日記を書いたりして、アウトプットすることです。積み重ねることで、しっかりと身についていくと思います。それから、音読もたくさんしたほうがいいと思います」
ーーありがとうございます! 最後に作品の見どころを教えてください!
「巨大な貨物船の中でさまざまな事件が起こる中、極限状態に追いつめられた研究員や乗組員たちが抱く感情、そしてそれが交錯していくところが見どころです。Season1からの登場人物とSeason2からのメンバーとの関係性も絡んでくるので、注目していただければと思います。あと、日本語吹替版の声を僕自身が担当しています。初めての経験でとても新鮮だったので、字幕版も吹替版も両方チェックして欲しいです!」
■初主演のライダーシリーズで“武術”の楽しさを知った
ーー今は多忙だと思うんですがハマっているものってありますか?
「デビューしたころからずっと格闘技を続けています」
ーー格闘技を始めたきっかけは?
「初主演作の「仮面ライダー フォーゼ」がきっかけでした」
ーー仮面ライダーシリーズは、戦うシーンやアクションが満載ですよね。
「そうなんです。撮影を重ねていく中で「もっとアクションをやってみたい」という意欲が湧いてきました。また、同作で吉沢 亮さん演じる仮面ライダーメテオが、ジークンドー(截拳道)を使って敵を倒すというキャラクターだったので、それを見て、直感的に「おもしろそう!」と思ったんです」
ーーそれでジークンドーを始めたんですね。
「最初はどこで習ったらいいのかが分からなくて、すぐに始めることができなかったんです。そんな中、映画でご一緒した岡田准一さんが習っていることを知って。すぐに教えてもらってようやく門を叩くことができました。それをきっかけにフィリピン武術のカリとUSA修斗も紹介していただき、3つの格闘技を教わりました。今は主に柔術をやっています」
ーー岡田准一さんとは映画『ザ・ファブル』で激しいアクションで戦っていましたよね?
「はい。岡田さんは俳優としても尊敬してますし、格闘技においては師匠のような存在。アクションでご一緒させていただくのは一つの夢だったので、感無量でした」
■人生をとおしていろんな格闘技に挑戦したい
ーー実際に格闘技をする醍醐味ってどんなところにあると思いますか?
「肉体と精神が研ぎ澄まされていくところです。強くありたいという男の本能みたいなものが潜在的にあるんだろうなと、やっていて実感します」
ーー格闘技を始めて変わったことはありますか?
「格闘技って、体を鍛えようという気持ちになりましたし、そうなると食生活も気になってきて。自分にとってのいい循環を作ってくれていると思います。あとは仕事へのモチベーションアップにもつながるし、悩みや不安がなくなるくらい集中できます(笑)」
ーー格闘技をしている間は無心になれるみたいな?
「格闘技に打ち込んでいる時間は、無心というよりもほかのことを考える余裕が一切なくなるので、一緒の瞑想のようなヒーリング効果があるんだと思います。今回、海外作品の挑戦でもちろん不安やプレッシャーもありましたが、つねに堂々としていられたのは格闘技から得られたものだと思います」
ーー格闘技から得られた刺激や発見、学んだことなどはありますか?
「武術を通して学んだこととして、上達すればするほど理にかなった動きとなり、身体動作そのものが美しくなるということがあります。強さのその先に美しさがあるということを知りましたし、自分が追求していきたいことでもあります。これからももっと多くの格闘技にチャレンジしたいです。そうやっていろんな視野を広げながら、一人の人間として成長していきたいと思っています」
ーー格闘技を観たりはしますか?
「テレビでも観ることもありますし、友人のファイターを応援しに会場に足を運ぶこともあります。でも、実際に観戦していると体を動かしたくなっちゃって(笑)。自分は観るよりもやる方が圧倒的にスキです」
PROFILE
ふくし・そうた/1993年5月30日生まれ。東京都出身。2011年にデビューし、同年に『仮面ライダーフォーゼ』でテレビ初主演。Huluにて独占配信中のドラマ、Huluオリジナル『THE HEAD』Season2に出演し、念願の海外進出を果たした。
Instagram
@fukushi_sota_official
Huluにて独占配信中(毎週土曜新エピソード更新/全6話)
Huluオリジナル「THE HEAD」Season2
出演:ジョン・リンチ、キャサリン・オドネリー、ホヴィク・ケウチケリアン、モー・ダンフォード、ジョゼフィン・ネルデン、オリヴィア・モリス、ショナ・マクヒュー、ノラ・リオス、福士蒼汰、ラファエル・アクローク、マイケル・ルシェインスキー、ティエリ・ゴダール、エンリケ・アルセ、ローレント・フェルナンデス、イブラヒム・コマ、トム・ヤン、ベン・キューラ、オルウェン・フエレ
製作総指揮:ラン・テレム
監督:ホルヘ・ドラド
脚本:マリアーノ・バセルガ、ホルディ・ガルセラン、アイザック・サストレ
エグゼクティブ・プロデューサー:ベルナ・エリアス、ラン・テレム、マリアーノ・バセルガ、ホルヘ・ドラド、ラウラ・フェルナンデス・エスペソ、ハビエル・メンデス、長澤一史
制作:THE MEDIAPRO STUDIO / Hulu Japan
©︎Hulu Japan
衣装はラッド ミュージシャンの T シャツ1万8700円、パンツ2万9700円(ともにラッド ミュージシャン原宿)、その他スタイリスト私物
●インタビュー/橋本裕一 スタイリング/オクトシヒロ ヘア&メイク/佐鳥麻子(Vitamins)