2025.06.18
【寺西拓人】となりはテラニシくん その2
目が合えば、「こんにちは」って微笑んでくれる。朝のゴミ出し、洗濯物を取り込むベランダ、買い物帰りの玄関先でばったりとか、偶然会えるとなんだかうれしい。深い話をするわけでもないし、特別な予定を約束するわけでもない。だけど「今日も会えるかな」って少しだけ期待してしまう。「こんにちは」からはじまる僕とテラニシくんの小さなドラマが、今日もまた、そっと始まる。
── 厳しいオーディションを経て、timeleszのメンバーに合格。おめでとうございます!
「ありがとうございます。コレからどんなことが待っているのかワクワクしています」
── timeleszとして初のアルバムが6月11日に発売されますが、今どんな思いですか。
「グループとして初ということに加えて、個人的にもCDを出すということが初めてなので、とても感慨深いです。いつかは叶えたい夢だったんです。自分のCDがお店に並ぶなんて、正直、今から楽しみでしょうがないですね」
── 待ちに待ったって感じですか?
「そうですね。この業界に入ったときの目標がそれだったので。でも、なかなか実現ができず、一度は役者という道に進みましたけど、どこかでずっと心に残っていたんです。もちろん、役者という世界も素晴らしく、今でも自分の中のベースになっています。でも、やっぱりCDデビューはずっと目指していたことなので、素直にうれしいです」
── いざレコーディングが進むなかで、思うことはありましたか?
「各メンバーの個性もあり、そのさまざまなスタイルを目にすることができて楽しいですよ。オーディションで使用した楽曲も、新たにメンバーみんなで録り直したりもしているので、ずっと見続けてくれたファンの方にとっても、より聴き応えのあるアルバムになると思います。ただ、それぞれの個性をどう生かしていくのかは、まだ模索中な部分もあります。なにせ、はじまったばかりですからね。でも、それも含めて刺激的で楽しいです」
── 大変なこともありますか?
「大変ってことはないですね。(佐藤)勝利、(菊池)風磨、(松島)聡ちゃんがいろいろな面で引っ張っていってくれますし、それに新たに加わったメンバーもみんな協調性が高いので。だから、ギクシャクすることなく自然とグループとしての形ができていっているって感じです。まぁ、まだ2カ月ぐらいなので、コレからビックリすることがあるかもしれないですけど(笑)」
── CDの発売が決まったとなると、次に気になるのはやっぱりライブですよね。
「ライブのセットリストもアルバムの仕上がり次第になるので、どうなるのかが楽しみです。もちろん不安な面もありますよ。ライブや舞台を経験したことのないメンバーもいるので。でも3人がいるので安心しています」
── ドキドキと不安が入り交じって、テンションが上がっているという感じ?
「それが……僕、あまりテンションの上がり下がりがない性格なんですよね(笑)。年齢的にもキャリア的にもそこそこ長いというのもあるんですが、あまり浮かれないように気をつけています。とにかく、応援してくれるファンの方のために、自分ができることをしっかりとやっていく。そのためには浮かれている時間はないし、一つ一つしっかりと向き合ってやっていかないとって思っています」
── 結構冷静なんですね。
「あはは(笑)。まぁ、冷静っていうか、そもそもこんな性格なんですよね。昔から応援してくれる方からすると、全然変わってないな~って感じだと思います(笑)」
── そうしたスタンスだからこそ、ずっと続けてこられたのかもしれないですね。
「そうかも知れません。timeleszのメンバーとなり、変えなきゃいけない部分もあるのかも知れません。インスタグラムのフォロワーもありがたいことに倍増しましたから。でも、今のところ変えるつもりはありません。下手に演出するのではなく、まずは素の自分を見てもらいたいと思っています」
── アルバムの中でとくに気に入っている曲は、どんな曲ですか?
「まだ全部のレコーディングが終わってないんですが……、でも今のところ全部ですね! どの曲もすごく素敵ですから」
── 他のメンバーの歌声を聞いて、気になった人は誰ですか?
「原(嘉孝)くんですね。僕のパートの一つ前に原くんのパートがあり、それがラップだったんです。めっちゃカッコよくて、思わずオ~ッって感心しちゃいました。だから僕もそのノリに合わせて歌ったんですけど……スタッフさんからダメ出しされて。”その歌い方は寺西くんらしくないからやめて”って(笑)。他のレコーディングではダメ出しされることがなかったのに(涙)」
── それは切ない(笑)。でも、ライブになると数々の舞台で場慣れしてる寺西くんの本領発揮になるんじゃないですか。
「いや、ライブと舞台は別物だと思います。まだリハーサルもしてないのでわかりませんけど、舞台の場合は役を演じるので、役によっては寺西という個性を抑える必要があるときもあります。だけどtimeleszのライブとなると、グループとしての寺西に加えて、個人としての寺西をアピールすることになりますからね」
── ライブに向けてどんな心構えを?
「まだいろいろと考えています。新メンバーに対して好意的に思ってくれているファンの方もいれば、まだどうなのかなって思っているファンの方もいると思うんです。だから調子に乗り過ぎてもいけないと思うし、でもある意味では自分に酔うこともステージ上でファンの方を魅了するためには必要なことでもあると思うんです」
── 正直、怖さもある?
「ありますね。グループに対して、そしてファンの皆さんに対してもリスペクトがあるほど、自分がちゃんとできるのか怖さを感じます」
── 役者としての寺西くんを応援してきてくれたファンと、timeleszとしての寺西くんのファンになった人とでは、見方が違うでしょうからね。
「自分自身としても、期待と不安が入り混じっている感じです。でも、オーディションを受けたのも、役者以外においても自分の可能性を広げたいと思っていたからですし、それに何者でもなかった僕にいろいろなチャンスをくれた方たちに、新しいことに挑戦する自分を見てもらいたいという思いがあったからなので、期待の方が大きいですけどね」
── 心情的なことだけでなく、体力的にも今一番大変なんじゃないですか?
「いやいや、多分皆さんが想像しているほど忙しくはないですよ」
── さっきスタッフさんに聞いたら、メチャメチャ忙しいって言ってましたけど(笑)。今日もこの撮影の後、すぐにミュージカル『ダンスオブ ヴァンパイア』の稽古があるんですよね。
「あっ、そう言ってましたか(笑)。でも、どの仕事もすごく楽しいんですよね。これまでやってきた舞台も、timeleszのメンバーになってからは心機一転って感じですし、『ダンス オブ ヴァンパイア』も新鮮な気持ちで臨めています」
── 国民的元カレとして、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみです。
「あはは(笑)。なんか過去のオトコみたいで微妙な気持ちになりますけどね。せめていい思い出がたくさんある元カレならいいんですけど(笑)。でも愛称をつけてもらえるって、親しみの表れだと思っているのでうれしいです」
── 最後にファンの方々に一言!
「いつでもファンの皆さんに寄り添う寺西であろうと思っています。もしかすると、今アナタのとなりに寺西がいるかも知れませんよ! な~んてね(笑)」
Profile
てらにし たくと/1994年12月31日生まれ。神奈川県出身。O型。timelesz projectのオーディションを経て、timeleszのメンバーに。愛称は、てら。6月11日(水)にグループ新体制で初となるオリジナルアルバム『FAM』が発売。6月28日(土)よりライブツアー『We're timelesz LIVE TOUR 2025 episode 1 〜FAM〜』がスタート。また、ミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』は5月に公演された。
※この記事はFINEBOYS6月号(2025年5月9日発売)より転載しています