2019.09.06
メンズウォッチ界の名作G-SHOCKの絶対知っておくべき歴史
タフネスウオッチの金字塔、G-SHOCK(Gショック)。1983年の誕生から35年を超えてもなお、その屈強なルックスは僕らを魅了し続けている。そんな名品ウオッチ・G-SHOCKのヒストリーをここでひも解いていこう。
今さら聞けない名作 G-SHOCKの歴史
それは1983年、ひとつの企画書に書かれた「落としても壊れない時計」というたった1行の文からその歴史が始まった……。
G-SHOCKの1stモデル [DW-5000C-1A]
今や世界中で愛されるG-SHOCKの生みの親、伊部菊雄。すべてのはじまりは"落としても壊れない時計" と彼が書いたたった1行の企画書からだった。しかもこの G-SHOCKは若手3人のチームで開発したというから驚き。今でこそタフさを売りにする時計は当たり前のように手に入るが、35年前では到底実現不可能だとも思われていたとか。試行錯誤の末に完成した G-SHOCKの初号機[DW-5000C-1A]は、耐衝撃構造に加えて、20気圧防水も有するなど、当時としてはかなり高機能な時計となっていて、これには時計業界も驚いたという。
■画期的な中空構造で時計業界の常識を打ち破る!
G-SHOCK最大の特徴であるタフネスさはケース内のモジュールを宙に浮かせるように配置することで外部からの衝撃を緩和する中空構造によるもの。衝撃吸収材としての柔軟性と、外装材として堅牢性を持つウレタン樹脂が使われている。またケースやベゼル部分を凸凹形状にすることでボタンやガラスへの直接衝撃を、バンド接続部をカーブ状に固定してケース裏面への直接的な衝撃も防止している。
~時代とともに変化してきたGショックの軌跡をたどる!~
●1985年、マッドレジストを初めて搭載
[DW-5500C-1]
砂や泥に強いマッドレジスト構造。ケースの6時位置に配置された"G-SHOCK Ⅱ"のロゴはなんとこのモデルだけに使用されたレアな一品。
●1987年、ここで人気に火がついた!
[DW-5600C-1]
"G-SHOCK"といえばコレ!というぐらいの超有名モデル。シンプルなデザイン&堅牢なルックスで人気を博したアイコンモデル。初号機をアップデートしたスクエアデザインは大ヒット映画『スピード』でキアヌ・リーブスが着用していたことから、通称"スピードモデル" と呼ばれ日本でも一大ブームを巻き起こした。
●1989年、Gショック初の“アナデジ”タイプ
[AW-500-1E]
アナログ時計はは細かい部品が多いから「衝撃には弱い」という既成概念を見事に打ち破った画期的なモデル。
●1990年、1/1000秒まで計測可能に
[DW-6000GJ-1]
右下に大型プッシュボタンを備え、ストップウオッチ機能に特化させたモデル。1/1000秒の計測ができ、ラップタイムも10本記録可能にした。
●1992年はこの機能がさらに進化した2モデルが登場
[DW-6100GJ-1]
G-SHOCK初となる温度センサーを内蔵。-20~60℃までの温度が測れて、気温変化をグラフィック表示するというギア好きにはたまらない仕様に。
[DW-5900C-1]
1990年に海外で先行発売され人気に。日本に逆輸入されるや"3つ目"と呼ばれ、G-SHOCKブームけん引したモデル。
●1993年 G-SHOCKの歴史に名を刻む初代”フロッグマン”が発売
[DW-6300-1A]
スキューバダイビングでの使用を可能にした初の200m潜水用防水仕様、フロッグマン。人気の"○○マン" シリーズはすべてここから始まった。ケース&バンドにイエローを採用したモデルは90年代ブーム時はプレミア価格で取引されるほどの人気を誇っていた。
●1994年、ついに圧力まで計測可能に!
[DW-6500J-1A]
左側の突出部に圧力センサーを初搭載したスカイフォース。気圧・高度・水深すべての計測が可能にしたハイスペックウオッチ。
●1995年は90年代のブームをけん引したモデルが!
[DW-001J-9]
カプセルで包んだような個性的なデザインから通称"ジェイソン" と人気に。復刻も何度かされているほどの人気モデル。
[DW-8400-1]
泥やホコリに強いマッドレジスト構造を採用した初代マッドマン。ボタンはすべてウレタン素材で完全に覆い、その堅牢さは見た目だけも十分伝わるほど。
●1996年には待望のフルメタル仕様がお目見え!
[MRG-100-1]
G-SHOCK誕生から13年目にして初登場したフルメタル仕様のMR- G。"大人のGショック"として高級感がありビジネスユースも可能に。
[GT-000BJ-7]
G-SHOCKのストロングポイントである耐衝撃構造はそのままに、スマートなボディやホログラム入りの反転文字板など新しい要素が満載。"Gクール"としてパリコレでも注目を浴びた。
●1998年にはタフソーラー化!
[DW-9300J-1]
"タフソーラー"を世界で初めて実装したレイズマン。太陽光などの光のパワーで充電が可能に。バッテリー残量表示も文字盤で確認できる。
[AW-571-1A]
時計の大敵といえば磁気。その磁気にさえ強いアンチ・マグネティック構造を採用したのがガウスマン。マッドレジストも搭載し超絶タフな仕様に。
●2000年、電波受信機能の搭載に成功
[GW-100-1JF]
時計にとってもっとも重要な"正確な時刻" を提供する G-SHOCK初の電波時計、アントマン。ワールドタイムやデイカウンターなど機能も充実。
●2002年、ソーラー&電波がウリの"ザ・G"
[GW-300J-1JF]
日米の電波の受診を可能にしたタフソーラーウオッチ。樹脂バンドの中にメッシュ素材の補強材を入れるなど堅牢さは言わずもがな。
●2008年、マルチバンド6を世界初搭載
[GW-9200J-1JF]
世界6局の電波を受信できるライズマン。このほかタフソーラー&ツインセンサーなど高機能がてんこ盛り。
●2012年はついにスマートフォンとリンク!
[GW-4000-1AJF]
衝撃、遠心重力、振動から内部を守る"トリプルGレジスト" を搭載。世界6局の電波を受信し自動で時刻を修正する"マルチバンド6"も採用している。
[GB-6900-1JF]
Bluetooth搭載でスマートフォンとリンクさせれば、タイムゾーンの異なる国や地域での時刻修正が可能に。メールや着信通知なども可能にした今でいうウェアラブルな”スマートウォッチ”的なG-SHOCK。
●2013年、トリプルセンサーを初搭載したモデルを発売
[GW-9400J-1JF]
極限の環境下でも活躍する"マスター・オブ・G" シリーズから高度・方位・気圧/温度を計測できる、レンジマンが誕生。大型プッシュボタンで操作性も高い。
G-SHOCKは世界中でヒットしたことでグローバルブランド化。ファッションブランドのみならずさまざまなジャンルとのコラボレーションは今なお盛んに行われている。時代とともにカラーリングやデザインなど、常に変化してきたからこそ、35年以上も愛され続ける時計となっている G-SHOCK。昭和、平成、そして令和の時代もメンズウォッチのマスターピースとして我々の手元を彩続けていく。今後も、その進化から目が離せない。