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INTERVIEW- インタビュー -

2021.03.09

俳優・坂東龍汰の多才な魅力を覗いてみた。

映画『弱虫ペダル』『スパイの妻』、最近ではドラマ「夢中さ、きみに。」など、数々の映画やドラマで変幻自在な演技をこなす坂東龍汰。さらに芝居に留まらず、カメラやイラストレーションなど、プライベートなシーンからもその才能をのぞかせる。自身のファッション、趣味、俳優としてこれから挑戦したいこと。期待の新星として輝きを強める彼の魅力って?

 

 

こだわりを感じる服好きな一面

──今日は私服で撮影させていただきましたが、ひとつひとつのアイテムをこだわって選んでいるのが伝わってきます!

「ジャケットとシャツは渋谷にある古着屋さん、ANIKI(アニキ)で買いました。パンツはモデルで俳優の柳 俊太郎くんから譲り受けたもの。春っぽくしようと思って花柄シャツを選んでみたんですけど、季節感出ていますかね?」

──出てますよ! 花柄だけどダークトーンでまとめているから、大人っぽい春コーデになっています。古着が好きなんですか?

「1点ものって愛着が湧くじゃないですか。なので、洋服を買うときはだいたい古着なんです。4年前に、上京してからすぐに古着で買ったコム・デ・ギャルソンのスラックスがあるのですが、それを2年くらい毎日穿いていたこともあります。友達から“それ穿いてるコーディネートしか見たことない”って言われるほど(笑)」

──そんなに気に入っていたんですね!

「今買わなかったら明日には売れちゃう!と思って、自分なりにがんばって買ったものなんです。未だに穿いているんですけど、全部のポケットに穴が空いてしまっているから、同じ色の靴下で当て布しているんですよ。ファスナーも落ちてくるけど、まだまだ現役です(笑)」

──トレンドのものを身にまとうのもいいけれど、好きな服をとことん着倒すっていうのも素敵ですよね。

「服に限らず、音楽についてもそういうタイプです。気に入ったらずっとその曲を繰り返し聴いたりするところがあります」

──ANIKI以外によく行く古着店はありますか?

「下北沢のシグナルってお店にはよく遊びに行きます。ここで買い物している俳優仲間も多いんですよ。今クローゼットにある一軍の洋服たちは、ほぼシグナルで揃えたもの。置いてある古着の質がよくて、4年前に買ったニットも毛玉ひとつできない! かなりおすすめのショップです」

 

 

演技にカメラに絵、あらゆる芸術的センスを発揮

──FINEBOYS5月号では、愛用カバン&グッズを紹介していただきました。トートバッグが自作のイラストをプリントしたものでしたね! その完成度の高さに驚かされました。これを読んでいる人も、ぜひ誌面で確認していただきたい!

「高校生のときに何気なく描いたラクガキを友達に見せたら、これで何か作ってみようということになり、トートバッグにしてみました。地球のサイクルをイメージしたシカの絵ですね。シカが水を飲んでいて、ツノは木で、木から酸素が出ている、みたいな。今もスローペースで油絵は続けているので、止めることなく、ひとつの表現として続けていきたいです」

──インスタグラムでは、自分で撮影した写真をアップされてますよね。

「フィルムカメラもデジタルカメラも、両方使います。祖父からもらった古いフィルムカメラは、完全に壊れていて、撮れる写真のほとんどはピンボケ。それでもたま〜にピントが合うことがあって、現像したときに3枚くらいちゃんと撮れてるのがあると、 “おっしゃー!”って喜んじゃいます(笑)。撮影するものは、パッと目に入った街並みや、光がキレイだなと思った瞬間。あとは友達や、オフショットの撮影をしたり」

──今後、アートをお仕事につなげていく計画があったり?

「写真が好きな友達がたくさんいるので、車を借りて、遠出して、撮り合いっこしたものを写真集にしたいな〜なんて話は仲間の間でしています。ただ、カメラをやってる友人が多すぎて、たぶん20人位になっちゃう……」

──大型バスが必要だ(笑)。修学旅行みたいになりそうですね!

「確かに(笑)。みんなで撮った写真を詰め込んだ写真集は、見たいと思ってくれる人、多いんじゃないかな。いつか実現できたらいいですね」

──とにかく多才な坂東さんですが、俳優としても確実にキャリアを積まれています。3月5日(金)に配信がスタートしたHulu オリジナルドラマ「THE LIMIT」では「第一話 ネコと井戸」に出演されていますが、その演出方法が話題です。ちょっと変わった視点の、令和のドラマだと思いました。

「僕と伊藤沙莉さん、堺 小春さんの3人の会話が、ワンシチュエーションで繰り広げられるのですが、その掛け合いが一番の見所だと思います。カメラを長回しで撮影していくのですが、セリフの掛け合いのテンポが狂うと芝居が成り立たなくなってしまうので、そこが難しかったです。撮影前夜は緊張して眠れませんでした」

──3人のリズムが調和していてお見事でした! リアルで自然な間(ま)や言葉の重なりが絶妙で。

「伊藤さんと堺さんはもともと仲良しな間柄なので、そこに僕が混ぜてもらった感じなんです。朝から夜にかけての長丁場の撮影でしたが、最終的には3人ですごく仲良くなって、和やかな現場でした」

──演技する上で、何か意識したことはありましたか?

「実はアドリブがないんですよ。『えー』とか、『あの』とか、ちょっとした相槌はすごくアドリブっぽく聴こえると思うんですけど、こと細かに台本に書かれていて。ひとつひとつ丁寧に表現するよう意識しました」

──そうなんですね!? 究極にナチュラルだったので、てっきりアドリブなのかと。今後はどんな役にチャレンジしたいですか?

「時代物とか、コメディに挑戦してみたいです。青春、恋愛、ちょっとダークな役は演じる機会があったけど、そういえばコメディってないな、と思って。得意か苦手かも分からないけれど、役者として新しい引き出しを持てるように、これからも精進していきます!」

 

ばんどうりょうた/1997年5月24日生まれ。2017年俳優デビュー。2020年は映画『スパイの妻』で、演技派俳優たちと並んで演じた竹下文雄役が話題に。また、映画『弱虫ペダル』では熱血キャラの鳴子章吉役を好演。配信中のhuluオリジナルドラマ「THE LIMIT」のほか、ドラマ「今ここにある危機とぼくの好感度について」(NHK総合毎週土曜21:00〜)が4月24日(土)から放送予定。

 

INFORMATION

衣装はすべて本人私物

文/渡辺 愛 撮影/はぎひさこ

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