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FASHION- ファッション -

2018.10.15

高木琢也/OCEAN TOKYOのカリスマ美容師が語る4つの論

10代〜20代の男子から圧倒的支持を得ている原宿のサロン、OCEAN TOKYO(オーシャントーキョー)。サロンワークだけに留まらず、オリジナルのワックス「オーシャン トリコ」の販売やメディアへの出演など、多方面で華々しい活躍を見せる人気サロンだ。今回はその創業者であり、代表取締役の高木さんにインタビュー! 数多くのサロンスタッフをまとめ、NHKの人気番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」への出演や、今年5月に発売された人生論をまとめた本が完売を記録。予約が取りづらいカリスマ美容師として、躍進が止まらない

1.仕事論

お客さまの史上最高を作り
笑顔にして帰してあげたい

――高木さんといえば、前向きにガンガンお仕事をしているイメージがあります。このモチベーションはどこからやって来るのでしょうか?

「お客さまの笑顔ですかね。笑顔にしたいというのもあるし、お客さまの笑顔を見たいというのもあります。笑顔が見れたときは、切らせてもらえてよかったって思います。僕はいろいろ誤解されやすいんですけど、お客さまの幸せが自分の幸せみたいなところがあるんですよ」

――例えば朝起きたときに「今日はやる気が出ないな」と思っても、お客さんのことを考えると「やるぞ」となったり?

「待ってくれる人がいると思うと、やるしかないだろうって気持ちになりますよね。もし、そういう方たちがいなかったら、美容師という仕事はとっくに辞めているかも(笑)」

――1日の仕事が終わったときは、どんな気分ですか?

「今の自分って、1日に25人くらいしかカットできていないんだなって。毎日、OCEAN TOKYOの代表として打ち合わせ、取材、取材の原稿チェックがある中でサロンワークをしているので、もっと現場に立つ時間があれば、美容師としてよりたくさんの人をカッコよくできるのにって思ってしまうことが多いですね」
――美容師という仕事において、自分なりのポリシーがあれば教えてください。

「その人の史上最高を作ること。お客さまは今までいろんなところで切ってきただろうけど、OCEAN TOKYOが一番よかった、高木琢也という美容師に切ってもらって一番よかったって思ってもらえるパフォーマンスをする。それに尽きますね」

――カットしたあと、お客さんの反響ってどうですか?

「ありがたいことにSNSでのお礼のコメントや、手紙をたくさんいただきます。ひとりに返事を出すと、全員に返さないといけないので、返すことはしていないですけども。だけど全部しっかりと読んでいますよ。読んでいるときは、お客さまを笑顔にすることができてよかったなって、心の底から感じます」

――最後に、美容師という仕事において、何が一番大切だと思いますか?

「お客さまに対する思いですよね。美容師免許を持っているので、スタイリストとしての技術があるのは当たり前じゃないですか。それプラス、僕が作ったヘアがお客さまに似合ってよかったとか、髪を切ってお客さまが元気になったとか、そういう付加価値がないとプロの美容師として失格だなと思います」
 

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2.ファッション論

 
2.ファッション論
「俺は何系」なんて決める必要ある?
日によって着たい服を着るから楽しい

――高木さんといえば、洋服に関してはジャンル問わずいろいろ着ているイメージですが、髪色はずっとレッド。赤い髪にこだわりがあるのでしょうか?

「とくにはないんですが、みんな僕と同じ髪色にしたいとオーダーするので裏切れないというか……。お客さまが赤い髪にした次の日、僕が黒くしていたら、おいおいとなるじゃないですか。それに、僕のラッキーカラーが赤らしいんですよ。なので、もうこのままでいいかなって思っています」

――メンテナンスはどうされているんですか?

「2週間に1回、ヘアマニキュアで染めています。僕的には退色した色味も好きなんですけど、そうするとクライアントさんに『高木君、やる気ないの?』みたいにいわれるので、忙しくて時間がないときでも染めるようにしています(笑)」

――洋服に関して、心がけていることがあれば教えてください。

「こだわりを持たずに何でも着る。服って遊びだから、ハイブランドも着るし、古着も着るし、ストリートブランドも着るし。あいつは古着系、俺はストリート系と決めてしまうことに違和感があって、なんで何系に絞らないといけないの、日によって違っていいじゃんって思います。好きなブランドも決めてないです」 

 
――“服は遊び”という発想は見習うべき点ですね。

「でも自分の中で約束ごとがあって、僕がもし服のデザイナーだったら、あのブランドとは組み合わせてもいいけど、このブランドとは嫌だなって考えてしまう。例えば、上はアメリカ発信のブランド、パンツはドメスティックブランド、靴はヨーロッパのブランドとか、ごちゃごちゃなコーディネートは絶対にしないと決めています。流行っているものをとりあえず着ておけばいいんじゃなくて、そのブランドの趣旨を理解したうえで着るようにしていますね。古着で崩すというのはあるけど、基本的にデザイナーさんの思いを汲むようにしています」

――高木さんのように考えて着ている人って、少ないんじゃないですか?

「そうかも。だけど考えなくていいんですよ、自由だから。僕はできるだけ本質でありたいと思うからそうしているだけで、いろんな組み合わせをすることが楽しいと思う人はそうすればいい。ファッションに明確な正解なんてないんですから」
 

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3.休日論

 3.休日論
休日に寝て過ごすことはありえない。

月に2回は飛行機で逃避行!?

――OCEAN TOKYOの代表、カリスマ美容師として毎日忙しいとは思いますが、休日はどのように過ごされているのでしょうか?

「僕は休みの日はどこかに行くと決めています。月に2回は飛行機に乗るし、あとの休みは車でどこかに出かけるか、フットサルをするか、何もすることがないときは買い物をしていますね」

――月に2回飛行機に乗るっていうのは、海外に行くってことですか?

「もちろん海外にも行きますし、冬だったらスノボをしに北海道、夏だったら海へ遊びに沖縄へ。うちの店は月に一度連休があるので、そのときは必ず1泊するようにしています」

――乗る回数まで決めているということは、飛行機にこだわりがありそうですね。

「とにかく都内から逃げたい。できるだけ遠くへ(笑)」

――代表として、相当なストレスを抱え込んでいる?

「オフの日はストレスを解消する時間でもありますが、遠くへ出かけることで非日常の体験や、晴れの天気を買いに行くという意味合いが強いですね。僕、休みの日に雨ってイヤなんですよ。定休日の2、3日前に天気予報を見て、東京が雨マークだったら晴れているところを探して出かける感じです。とはいっても僕は経営者だから、休日でも連絡が来るから休めないんですよね。だから、せめて見ている景色は普段と違うものにしたいんです」  

 
――非日常という視点からいうと、趣味のフットサルも同じですか?

「フットサルを2時間やれば、その間だけは試合に集中しているから頭の中から仕事が消えるじゃないですか。僕は守る気があまりないから攻撃重視。ゴールはめっちゃ決めますよ(笑)。フットサルはいつも午前中と決めています。終わったら、昼間は遊んで、夜は飲みに行く感じですね。OCEAN TOKYOのスタッフを連れて行くときもあります」

――休日に何もしないということはないんですね。

「昔から、休みの日に家で寝て過ごすというつまらない美容師にはなりたくないと思っていて。休日は休日なりの結果を残すということにこだわってきました。映画を観たでもいいし、B級グルメを食べたでもいい。お客さまに『休みの日、何をしていたんですか?』と聞かれて、口ごもるなんてありえない。仕事もオフも全力。SNSにも休日の様子をアップしているので、『美容師っていいね』って憧れを持ってもらえたらうれしいですね!」
 
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4.未来論

 4.未来論
2020年までに渋谷区に
髪型自由の条例を作るのが今の目標

――4回にわたる高木さんのインタビューも今回で最後です。OCEAN TOKYOの代表として、またカリスマ美容師・高木琢也自身として、今後の展望をお聞かせください。

「渋谷という街を動かしたい。別に政治家になりたいわけじゃないですよ(笑)。渋谷区をもっとオシャレにしたいと思っているんです」

――壮大ですね。具体的にお聞かせください。

「髪型の校則や社則をなくしたい。僕は今、渋谷区(原宿)にオシャレのイメージがないんです。東京といえば渋谷・原宿。日本といえば渋谷・原宿。この街がオシャレだから、OCEAN TOKYOはこの場所に5店舗出したんです。なのに今、インバウンドのイメージが強い気がしていて。渋谷・原宿は本当にオシャレなのかって思うわけです。だから昔みたいに、渋谷・原宿をイケイケの街にしたい」

――渋谷らしい渋谷って、原宿らしい原宿ってことですか?

「はい。例えば、沖縄の行政の方たちって、かりゆしを制服みたいにして仕事をしているんです。沖縄らしいですよね。『渋谷区ってそういうことをしていますか』と、区長にいったことがあるんです。やっていると話していましたけど、もっともっとやったらいいと思う。服だけじゃなく、髪もやれば絶対おもしろくなる気がするんです。ファッションのくくりの中にヘアスタイルが入ってくるから。まずは渋谷区役所の人たちの髪型が、オシャレになったら楽しそうですよね。公務員の人たちが率先してやってほしい。そうすれば渋谷区の学校や会社の人たちの髪型もだんだん変わってくるはず。なので実際に『そういう条例を作ってください』と。条例を作ったら、よその区、よその県からマネしたいといってくるかもしれないじゃないですか」


――渋谷区長に直談判したというのがすごいです。

「ミラクル起きたら楽しそうでしょ? そんな区役所見たことないから! 区長は『よくも悪くもおもしろいね』といってくれました。別に黒髪がダメだとかいっているのではなくて、規制をやめましょうと。就活するときは耳出して、前髪あげて、えり足短くしてなんて、今の若者って個性を持っている子もいるからもったいない。行ってみたい街”渋谷”になったらもっとイケイケになる。オリンピックのときに世界の人々から『楽しそうな街だね』といわれたいから、今こうして動いています」

――もう、いちヘアサロンの域を超えていますね。

「僕たちOCEAN TOKYOの特技は髪型をカッコよくすること。あとは『あってよかった』をもっと作りたい。それは近くにOCEAN TOKYOがあってよかった、でもいいし、この○○のワックスがあってよかった、でもいいし。ほかの美容師さんたちは今がOCEAN TOKYOのマックスだと思っているかもしれませんが、僕たちはまだまだ成長段階です。これからもサロンや美容師の枠を広げていきます☆」

INFORMATION

プロフィール/千葉県出身。美容専門学校を卒業後、都内サロンに勤務。2013年に中村トメ吉氏とともに「オーシャントーキョー」を設立。現在は東京(都内/本店・シブヤ・ハラジュク・ホワイト・サニーの全5店舗)・大阪で6店舗を構える。代表取締役やスタイリストとしてだけでなく全国的な知名度を生かしてTV・CMのメディアへの出演、一般誌・業界誌・ヘアショー・セミナーなど活躍の場は多岐に渡る。最近放送されたNHKのドキュメンタリー番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」でその仕事ぶりがクローズアップされるなど、業界ナンバーワン・サロンの代表としてカリスマ的な活躍を見せる。ホットペッパービューティーアワードのメンズ部門を2017年、2018年、2019年と3年連続で獲得している。2019年5月には本「這いつくばった奴が生き残る時代 道あけてもらっていーすか?」を発売。

●サロンデータ
オーシャントーキョー  本店
住:東京都渋谷区神宮前5-27-7 アルボーレ神宮前4F
営:11:00~20:00
休:毎週月曜日、第2火曜日 
HP:http://www.oceantokyo.com/

文/滝沢ヤス英 撮影/田中利幸 

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