2020.04.24
コロナで就活生は今。みんなが気になる、コロナ禍での就活状況
今、新型コロナウイルスの感染拡大で大学生の就職活動に大きな影響が出ている。説明会の延期やオンライン選考など、予想していなかった就職活動の形式に戸惑っている学生が多いのだ。しかも外出自粛により、同志との情報共有も思うようにできないときた。そこで、就活生が今どのように就活を進めているのかFINEBOYSが電話取材。彼らの生の声をそのままお届けする。
【目次】
1人目:アパレル業界志望・青山学院大学4年 K.Iくんの場合
2人目:金融業界志望・日本大学4年 A.Tくんの場合
3人目:歯科業界志望・大正大学4年 S.Sくんの場合
2/4PAGE
まずはアパレル業界志望の就活状況から
コロナ禍での就活状況:1人目
【アパレル業界志望・青山学院大学4年K.Iくんの場合】
●コロナのせいで職種を変えようか悩み中……
――まずは今、どんな企業を受けているのか教えてください。
「アパレル系を第一志望に、あとは放送系、広告系を受けています。エントリーシートはこれまでで10社くらい出しました。そのうち通過連絡がきたのが5社、グループディスカッションまで進んで通過したのが1社、あとは連絡待ちの状況です」
――グループディスカッションはwebで?
「まだ緊急事態宣言が出る前のことだったので、会社に訪問して行いました。アパレル系の会社なんですけど、次が1次面接です。5月6日までの自粛要請が明けたら行いますとは言われているんですけど……。人事担当もリモートワークをしているようで、なかなか日程の連絡がこないんですよね」
――では今は次の選考ステップの連絡待ち、という感じですか?
「そうです。連絡待ちですね。選考が進まないので、何をしたらいいのか正直わからないです。でも、コロナの影響でエントリーシートの提出期限が延びた企業もけっこうあるので、最初はスルーしていた会社にも目を向けて、エントリー数を増やすようにはしています」
――エントリー期限が延びているんですね!
「わりとどこもそんなイメージです。僕が受けたある企業では、締め切り後に延長するという連絡がきました。その代わり、当初の期限内にエントリーシートを出した人は一次面接を免除しますと。エントリーできる期間が長くなったのはいい反面、その分受ける人数が増えて倍率も高くなると思うと手放しには喜べないですね。どの企業も採用人数が例年より少なくなるかもという噂も聞くし、とにかく不安しかないです」
――違う職種にもエントリーしてみたり?
「はい。でも僕は教員免許を持っているので、どちらかというと教師になる道を本格的に考え始めています。もともと教師にはならずに民間企業に就職する気でいたのですが、コロナのことがあって考えが変わってきたんです。こういう状況になっても生活の心配がない公務員になった方がいいんじゃないかなって。もちろん好きなことを仕事にしたいので、今すごく悩んでます。とりあえず夏に教員採用試験があるので、それに向けての勉強は進めなきゃなって感じです」
――将来のことを考えると不安も大きいですよね。
「不安です。将来というよりも、まず1年後ちゃんと働けているのかな?と。でも、条件はみんな一緒だし何とかしていくしかない。3月になったばかりの頃はまだ楽観視していたんです。国全体のことだし、偉い人が何とかしてくれるだろうって。でもこれまでになかった事態で異例のこと続きで、なんだか国もあたふたしていますよね。もう、自分で何とかするしかないのかなと思い始めました。来週くらいに、どこかの選考のスケジュールが動けば気持ちも少しは楽になるんですけど……」
【K.Iくんのコロナ就活状況まとめ】
・選考は緊急事態宣言前のグループディスカッションまで
・エントリー期限が延びた企業にも追加でエントリー
・公務員か民間企業か、ここへきて悩み中
3/4PAGE
2人目は日本大学4年A.Tくん
コロナ禍での就活状況:2人目
【金融業界志望・日本大学4年A.Tくんの場合】
●WEB面接、やってきました!
――まずは今、どんな企業を受けているのか教えてください。
「金融や不動産系を主に受けていて、今10社ほど選考を進めています」
――新型コロナが蔓延している状況の中で、就職活動はどのように進めていますか?
「エントリーシートを提出したり、WEB上で行われている説明会に参加したり、あとはWEB面接も経験しました。来週も、大手不動産会社の3次面接を控えています。これもWEB上で行われる予定です。一番選考が進んでいるのは不動産系で、次が最終面接です。今は日程の連絡を待っています。コロナの影響がなかったらすでに終わってたはずなんですけど……」
――ではオンラインで選考はわりと進められていると。WEB説明会はどんな感じで進んでいくのでしょうか?
「そうですね。オンライン説明会は、実際にリアルタイムの中継で行われているところもありましたが、ほとんどが会社から送られてきた収録済みの動画を、各自のタイミングで再生する方法が多かったです。会社の歴史や業務内容の概要がまとめられた動画で、30分くらいの長いCMを見ている感覚でした」
――WEB面接のほうはどのように行ったんですか?
「企業が指定したソフトをダウンロードして行いました。面接官2:学生2の面接だったんですが、慣れない状況だったのでいつもより緊張しましたね。カメラの位置とか、無駄に調整してしましました(笑)」
――WEB面接、やってみてどうでしたか?
「対面よりも面接官の反応がわかりづらいので、ちゃんと自分の言いたいことが正しく伝わっているのか、不安になることもありました。でも、オンライン選考によって逆にメリットもあったんです。まずは説明会や面接のたびに移動しなくていいので交通費が浮くこと。あとは、WEB説明会だと画面収録ができる場合があるんですよ。録画しておくと、あとで内容を見直せるので助かってます」
――それは画期的! 友達と情報共有はできていますか?
「そうですね、LINEでちらほらやりとりはしています。周りの就活生も、オンライン就活を主にしている印象です。中小企業やベンチャーを受けている子は、すでに内定が出ている子も。昨年の夏頃から選考をしていたので、その分早いんだと思います」
――それは焦りますね。今このような状況の中で就活をしていて、どんな気持ちですか?
「すごくもどかしいです。WEB面接のときも思いましたが、オンラインである程度のことはできるといえど、画面を挟んでいると意思の疎通にタイムラグが生まれる気がするし、自分の雰囲気やちょっとした言葉のニュアンスが伝わりづらいなって。オンラインならではの対策をもっと考える必要がありそうです」
【A.Tくんのコロナ就活状況まとめ】
・オンラインを駆使して選考は続行。次は最終面接!
・オンライン選考は交通費が浮く&説明会が復習できて、良い面もあり
・web面接では意思の疎通に不安が
4/4PAGE
3人目は大正大学4年S.Sくん
コロナ禍での就活状況:3人目
【歯科業界志望・大正大学4年S.Sくんの場合】
●こんな選考アリ⁉︎って思いました
――まずは今、どんな企業を受けているのか教えてください。
「主に歯科業界を受けています。あとは車が好きなのでディーラーと、いい経験になるかと思い選考スタートが一番早かった飲食販売の企業を受けました」
――選考はどんな感じで進んでいますか?
「歯科業界で1社、1次面接の結果待ちをしています。面接は緊急事態宣言が発令される前に少人数で直接行いました。あとは、選考スケジュールが早かった飲食販売業の選考も1次面接が通っている状況です。その他は説明会止まりですね」
――医療業界も説明会はやはりWEB上ですか?
「そうです。状況を考えればしょうがないんですけど、やっぱりオンラインだと職場や働いている人の雰囲気がわかりづらいので困っています。とりあえずスーツを着てみてはいるけど、自室だから緊張感もあまりないし、何だかなぁって感じです。とくに自分は人事の方に直接会って、会社や働いている人の雰囲気を知るのが大切だと思っているし、逆に自分の魅力も直接会って伝えたいと思っていて。なのでオンライン上のやりとりはとてもやりづらいです」
――文面や画面越しではわからない、”生の雰囲気”ってありますもんね。
「そうなんですよ。この間もある企業の一次面接をしたんですけど、その方法に戸惑ってしまって。人事の方から事前にメールで質問が送られてきて、それを答える動画を自分で撮って送るという方法なんですけど……。そんなの、どこかにカンペを貼ってカンニングすることもできるし、何回だって撮り直しができてしまうじゃないですか。それってアリなの?と思いました。結局自分も通過したけど、いまいち腑に落ちないというか、手応えがないというか……」
――それは直接勝負したい側からしたらもどかしいですね。ほかに困っていることはありますか?
「実際に会社に行って、職業体験ができないのがキツイです。本命の会社のインターンシップが3月末にある予定だったんですけど、コロナの影響で延期になってしまって。僕はたまたまそこで先輩が働いでいたので、職場の雰囲気などなんとなく聞くことができているんですけど、それでもやっぱり自分の目で確かめたい気持ちが大きいです。ちなみに延期になったインターンシップはまだ振替日が決まっていません」
――本命の会社の様子がわからないのは困りますね。
「そうなんです。オンライン上だけで選考が進んでいくのが不安でしかないですね。そう考えるとやっぱり、スケジュールがどんどん後ろ倒しになったとしても活動自粛が明けるのを待ったほうがいいかなって。就活を始めたころは6月末までに内定が出ればいいなと思っていたけど、ちょっと自信なくしてきました。夏までに終わるかな……」
――情報収集などはどのように行っていますか?
「友達とは会えない分、LINEや電話で話はしていますね。同じ歯科業界志望の人たちも、自分と同じでなかなか選考が進んでいないみたいです。とはいえ、顔を合わせてないから突き詰めた話までできていなくて。実際のところ、みんなが今どこまで選考が進んでいるのかわからず正直不安です。こんな状況じゃなかったら、説明会やグループディスカッションで一緒になった人と情報交換ができていたのかなって思います」
【S.Sくんのコロナ就活状況まとめ】
・選考は緊急事態宣言前に行った1次面接まで
・直接勝負したい人にとってWEB面接は不利?
・本命の企業の雰囲気が確かめられず不安
新型コロナウイルスの影響を大きく受ける就職活動。話を聞いてみると、当初の予定よりだいぶスケジュールが後ろ倒しになり、もどかしい思いをしている学生が多い印象。学生、企業、どちらにとっても手探りな状況が続きそうだ。次は4月27日(月)更新予定。