2022.04.23
スニーカーマニアの新鋭、朝岡 周さんに聞いた本当に履きたい1足!
世の中にはカッコいいスニーカーがたくさんあり、次にどのシューズを履こうか悩んでしまうときがある。それでも変わらずどこかで新モデルがリリースされているわけで、悩みだすとキリがない。そこで、業界の第一線にいるトップランナーたちは、どういったスニーカーを今履きたいと思っているのだろうか。これからの流行予測や傾向なども交えつつ本音に迫ってみたい。 そこで今回はアーティストでありスニーカーフリークとしても知られる朝岡 周さんにご登場いただいた!
背景にあるストーリーを楽しむ!
朝岡 周さん
アーティスト
PROFILE
ファンクバンド「朝岡 周&The Jack Band」を率いる注目のサックスプレイヤー。音楽だけでなく、自らファッションブランド"SAMPLES"を手がけるなど、マルチなフィールドで活躍する。最近のマイブームは、さまざまなブランドのマイナーモデルをディグすることだそうだ。
インスタグラム:shu_asaoka
朝岡 周さんが今本当に履きたいスニーカー3選!
レア物ほどかぶりやすい。自分の言葉で語れる靴を履く
「僕がスニーカーにドハマリしたのってじつは最近で、ここ 4、5年くらいのことです。きっかけはニューヨークにサックスの武者修行で行ったとき。ライブやセッションで夜は忙しいのですが、昼は本当にホントーに暇で(笑)。時間を持て余して、スニーカーショップのキスにたまたま行ってみたんです。それまでスニーカーショップといえばいわゆる量販店みたいなものしか知らなかったので、スニーカーブティックともいうべきキスに出会って感動したんです。スニーカーは単なるファッションアイテムじゃなくて芸術品だって思ったんですよね。レアかどうかよりも、スニーカーの持つ背景とか魅力を引き出しているのがすごいなって。そこから、いろいろ調べたりディグったり買ったりするようになって、いつの間にかスニーカーヘッズになっていたという感じです。
だから、僕のスニーカー選びは旬かどうかよりもストーリー性が重要です。必ずしも流行りをオンタイムで履く必要はないかなと思っています。そもそも競争が激しすぎて一次市場では全然買えないし、ギスギスするのも嫌だし。もちろん、二次市場は充実してきて憧れの1足も頑張れば買えるもののやっぱり高いし、何よりまわりとかぶっちゃう。とくにレアであればあるほどかぶるんですよね、不思議なことに(笑)。だから僕は、そういったトレンドの1足がどうこうっていうよりも、そのときの出会いとかストーリーを重視したいと思うに至ったわけです。きちんと持っている靴ひとつひとつを説明できることが満足度に繋がっています。
例えば、このバレンシアガの"ランナー"(写真2)ですけど、数年前〝トリプルS"などのダッドスニーカーが大ブームになったときは全然興味がありませんでした。でも、これをキスがエクスクルーシブで発売したときにすごくストーリーを感じたんです。ラグジュアリーブランドの靴なのに最初から汚れているし、接着ノリがはみ出ていたり、切りっぱなしだったり。そこに製造過程のさまざまな背景が見え隠れしてグッときたんですよね。で、買って履いてみたら着こなしにも合うしいいなって。スニーカー好きな方ってこういったハイブランドのプロダクトに抵抗がある方もいると思うんですけど、チャレンジしてみたらいいものでした。デザインも〝いかにも"って感じではないですしね。
あと、キスでハマったといえばこの"990v2"(写真1)もそう。これぞニューバランスというようなグレーじゃなくて、ダスティな感じの色みに惹かれました。しかも〝990v2"自体すごくいいモデルで、ダッドとハイテクの間くらいのちょうどいいデザインバランスとか、履き心地とか、とにかく温度感がまさに〝今履きたい"塩梅なんですよ。
そして最後は、ナイキの"エア トレーナー クルーズ"(写真3)。これは初めてNYに行ったときに買った思い出深い1足です。春っぽいパステルピンクですが、スエードの素材感とかクラシックとハイテクの間くらいのバランス感とか、今履くのにうってつけのテンションなんですよね。そんな感じで、これからも偏見なくスニーカーをディグって、自分らしい足元を楽しみたいと思っています」
朝岡 周さんが今履きたい3足をクローズアップ!
1. オリジナルモデルは、ʼ98年に登場し990番台のハイテク化の先駆けとなった1足。本品は青みがかったスティールブルーのアッパーが特徴的なキス×ニューバランスのコラボ。
2. その名のとおり、ランニングシューズ然としたデザインが目を引く〝ランナー〞。リアルなユーズド加工やこだわり満載のディテールが、デザインのバックボーンを能弁に語る。
3. NFL選手のヴィクター・クルーズのシグネチャーモデル〝エア トレーナー クルーズ〞のイースター仕様。スモーキーなカラーリングと表情豊かなスエードの素材感が雰囲気たっぷり。
以上、朝岡 周さんの本音に迫ってみた。重要なのはレア度ではなく自分が惚れたかどうかということ。この目線でスニーカーをディグってみれば、新らしく履きたい靴に出合えるだろう!
※この記事の内容は2021年9月に発売した「FINEBOYS靴Vol.17」の内容を再編集して掲載しています
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文/山下晧平 写真/道中貴弘