2022.05.09
僕らの最大の敵 ニキビについて考える。~1時間目~なぜ、憎きニキビはできるの?
ニキビができると自信がなくなるし、マスクを外すのが恥ずかしいとネガティブな気持ちになりがち。そこでニキビ肌改善を目指す新連載がスタート。初回はニキビができる根本的な原因を知ることから始めよう。原因を理解すれば肌との向き合い方がわかるはず。
ニキビの予防やケアには、正しい知識が大切だ。今月は、ニキビ肌に悩むみんなが気になることを、皮膚科の先生に質問!まずはニキビができるメカニズムを知り、日頃の習慣を見直してみよう。
【目次】
・なぜニキビができるの?
・よく聞く「思春期ニキビ」と「大人ニキビ」、その違いは?
・ニキビのできやすさって遺伝なの?
・マスクを着けると肌が荒れる…何か関係しているの?
・ニキビを予防するにはどうすればいい?
教えてくれたのは……
銀座アイグラッドクリニック
乾 雅人 院長
2010年、東京大学医学部卒。同大学で初期臨床研修、外科専門研修を経て、大学院では外科学(肺移植領域)を専攻。薬液による細胞の活性化に着目し、2020年に銀座アイグラッドクリニック(公式HP:https://ginza-iglad.com/)を開業、翌年に医療法人化。美容皮膚科クリニック経営の傍ら、薬液の研究・開発に注力している。同時に、大学病院や保険会社、製薬会社、システム会社、データ解析会社などの医療コンサルティングも行っている。
一貫して、医療の本質を追い求め、自身が運営するYoutube(https://www.youtube.com/channel/UC9i_7Uuf7cdNdtAFdZ6lZdQ)では、『医療・医学・医者の常識を揺さぶる』をコンセプトに情報発信をしている。
Q1.なぜニキビができるの?
A.その原因は毛穴に溜まった脂(あぶら)にある!
「ニキビは、皮脂分泌の増加により毛穴の奥から脂が出て、その脂が溜まって毛穴の出口が詰まる(フタをされた状態)とできてしまいます。その状態をコメド(面ぽうとも呼びます)といい、見た目では白っぽいニキビが特徴です。白ニキビができるとアクネ菌が皮脂をエサに繁殖しやすくなり、繁殖したアクネ菌によってコメドが炎症を起こし、赤ニキビ→黄ニキビへと悪化していきます。
アクネ菌は肌がキレイな人にもいる常在菌で、この菌を完全にゼロにすることはできません。なので、"皮脂の分泌"を増やさないように生活してアクネ菌とは上手く付き合っていくしかないんです。性別問わず大方の人が思春期には多少なりともニキビができます。上手にセルフケアをして、悪化した場合にはちゃんと医療機関を受診してくださいね」
キミはどの状態?ニキビの種類を知ろう
ひと口でニキビといってもその状態はさまざま。ニキビができて進行していく過程と、ニキビの種類を覚えておこう。
白ニキビ
初期段階のニキビで毛穴に皮脂が溜まってしまった状態。露出はしていないため、表面は白く見えるのが特徴。
黒ニキビ
皮脂や角質などが毛穴に詰まり、外に露出している状態。この部分が空気に触れることで黒く酸化する。
赤ニキビ
フタをされた毛穴の中でアクネ菌が増殖し、炎症を起こした状態が赤ニキビ。軽度の痛みも感じる……。
黄ニキビ
黄ニキビは炎症が進み、"黄色い膿"ができた状態を指す。白血球や細菌などの死骸が膿となっている。
Q2.よく聞く「思春期ニキビ」と「大人ニキビ」、その違いは?
A.「思春期ニキビ」「大人ニキビ」大きな違いはない!
「皮脂の過剰分泌がニキビの原因です。10代でも20代でも、肌で起きていることは同じです。思春期はホルモンの変動が起きやすいので、皮脂の分泌が盛んになりニキビができやすくなります。大人ニキビは生活習慣の乱れやストレスなどが主な原因。ニキビのピークは思春期が多いといわれています。原因を理解することで、デイリーケアの大切さなども納得感が増しますね。」
Q3.ニキビができやすい体質ってあるの?
A.体質なども関係なく“誰もができる”もの
「思春期は皮脂分泌が盛んなためおおよそ9割の人がなんらかのニキビを経験します。一方ニキビのできやすさ、(言い換えると毛穴の詰まりやすさや皮脂分泌の程度)は個人差があります。ですが正しいケアで、ニキビのできやすい人でも症状を和らげることは可能です。ニキビはでき始めの時期にしっかり対策をすることがとても重要。大きなニキビに育ててしまわないようにケアをしていればニキビ痕になるのを避けることができます。」
Q4.マスクを着けると肌が荒れる…何か関係しているの?
A.マスクで肌荒れは当然します!
「マスクを着脱すると肌が擦れるので、物理的に刺激が増えるという観点では因果関係があります。顔は身体と比べて、皮膚自体が薄く、刺激に敏感です。皮脂の分泌量を増やさず、摩擦による角質を増やさないためにも、マスクはできるだけ肌触りのいいものを使ってください。また、汚れた手で肌を擦ったり、力強くゴシゴシと洗顔するのも良くないので気をつけましょう。」
Q5.ニキビを予防するにはどうすればいい?
A.ニキビを防ぐには今のケア方法を見直すべし
「毛穴に皮脂を溜めないこと、つまりコメドを作らないようにするのがニキビを防ぐうえで大事になります。皮脂を溜め込まないようにするために、朝と夜に2回の洗顔を肌に刺激をあたえないよう丁寧に行って下さい。保水や保湿を適切にすることで、皮脂の過剰な分泌を抑えることができます。乾燥や物理的な刺激も避けてください。ニキビ予防は、食事や睡眠、洗顔などの生活習慣からです。悪化した場合には皮膚科を受診することも忘れずに!」
~今月の復讐~
✓毛穴に脂を溜めないよう肌を清潔に保つべし
✓肌を擦って刺激をあたえるのは御法度だ!
以上、今月はニキビができる原因を解説。この記事を参考に、日頃からニキビをできにくくするための生活を心がけてみて!
次回、『ニキビができやすくなる10の行動』も要チェック!
イラスト/green K