2022.08.10
僕らの最大の敵 ニキビについて考える。~5時間目~ニキビを潰すと良くない話
僕らを悩ませる"ニキビ肌"の改善を目指す本連載。「ニキビを潰すと良くない」と耳にするが、なぜ潰したらダメなのか(何となくは理解しているつもりでも)具体的に説明できる人は少ないのでは? 専門家に徹底取材したので、潰すことの危険性を再確認しよう。
【目次】
・ニキビを潰すと起こりうるリスク
・どうしてもニキビを潰したいなら医療機関へ
・クレーターは治りにくい!?
・ニキビが潰れたら、まずは清潔に!
教えてくれたのは……
銀座アイグラッドクリニック
乾 雅人 院長
2010年、東京大学医学部卒。同大学で初期臨床研修、外科専門研修を経て、大学院では外科学(肺移植領域)を専攻。薬液による細胞の活性化に着目し、2020年に銀座アイグラッドクリニック(公式HP:https://ginza-iglad.com/)を開業、翌年に医療法人化。美容皮膚科クリニック経営の傍ら、薬液の研究・開発に注力している。同時に、大学病院や保険会社、製薬会社、システム会社、データ解析会社などの医療コンサルティングも行っている。
一貫して、医療の本質が何かを追求し続けている。
~ニキビを潰すのはなぜ良くないの?~
中途半端にニキビを潰すと
アクネ菌以外の感染を引き起こすリスクが!
「ニキビの本質は毛穴に皮脂が溜まっている状態。膿を押し出しても皮脂が残っていると炎症は治まりません。しかも、自分の指でニキビを潰しても皮脂を上手く押し出すことができないのです。『ニキビを潰す』→『(最悪の場合)より悪化し、炎症が増悪』→『線維化が活発になり瘢痕化(クレーターやカサブタなど)』といった具合にどんどんキレイな肌と遠ざかっていきます。また手には無数の雑菌がいて不潔です。不潔な手で、ニキビを潰すとかえってアクネ菌以外の感染を引き起こすリスクも。自分でニキビを潰す=皮膚を傷つけている行為なのでやめましょう」
ニキビを潰すと…
炎症が悪化する
クレーター(凹凸肌)になる恐れも…
どうしてもニキビを潰したいなら、医療機関へ!
「面皰圧出(めんぽうあっしゅつ)という"皮脂や膿などを押し出す処置"が皮膚科で行われています。専用の器具を用いて、適切に皮脂や膿などを押し出すことで炎症がおさまり、治りが早くなります。また白ニキビ、黒ニキビの早期段階では、赤ニキビや黄ニキビに悪化するのを抑える効果も。なので、どうしてもニキビを潰したい人は赤ニキビ、黄ニキビになる前に早めに医療機関を受診しましょう。面皰圧出以外にも塗り薬で毛穴の詰まりを取る治療もあるので参考にしていただけたら! 自己流で潰して皮膚を傷つけるというのはまったく推奨できません」
1度クレーター(凹凸肌)になると、治りにくい!?
「クレーターは炎症した結果、ニキビを起こした毛穴の周囲が線維化した状態。医療機関ではニキビとクレーターでは治療法が異なります。クレーターになった場合は、再生医療領域の治療法やフラクショナルレーザーなどがありますが、保険診療でも自費診療でも完全に治すのは難しいと言わざるを得ません。極力クレーターを作らないよう早めに医療機関(保険診療)を受診することをオススメします」
万が一、ニキビが潰れたら“清潔に保つ”を心掛けて
「万が一、ニキビが潰れてしまったら、まずは患部を清潔に保ちましょう。優しく洗顔するほか、髪の毛が肌に刺さらないようにしたり、枕カバーやシーツなどが汚れている場合は交換してください。医療機関で軟膏などを処方されている場合はその指示に従いましょう」
~今月の復讐~
✓ニキビを自分で潰しても早く治らない!
むしろ悪化して肌が凹凸に!
以上、今月は「ニキビを潰すと良くない話」を紹介。肌を傷つけたり、肌荒れの悪化に繋がるから、ニキビは潰さないように気を付けよう!
【前回の内容を合わせてチェック】
「ニキビ肌にオススメの化粧水&乳液」