2018.09.26
古着ブームの今、知っておくべき最強のビンテージデニムたち! Vol.3ビンテージ選びで見るべきディテール!
これを読めば、ビンテージの王道、リーバイス501の進化の過程がわかる! 古着好きを虜にするマニアックな部分だけど、見比べてみると違いがわかりやすく覚えやすい。知っておくと一目置かれるポイントを、ピックアップしてご紹介!
見るべきは、この6ヵ所のディテール
前号にて、ビンテージリーバイス501の歴史を紐解いた。今回は深掘りして、6ヵ所のディテールにクローズアップする!
1.パッチについて
革から紙へ︑ギャラ入りギャラなし、USA表記のありなし、ダブルネームものやタイプものなどなど、ビンテージ501を語るうえでもっとも変化したのがこのパッチ。まずはパッチの変遷をチェックしてみよう。
〜1958年頃/革パッチ
1958年頃まで採用されていた革パッチ。501の革パッチは熱に弱く、乾燥機に入れると収縮してしまうのが特徴。残っているだけでもレア。
1958年頃〜1962年頃/紙パッチ・ギャラ入り
1958年頃からは、洗濯したり乾燥機に入れても縮まない紙パッチが登場する。”Every Garment Guaranteed"と品質保証の意味も表記されるようになる。通称ギャラ入り紙パッチ。写真では、かすれてしまい表記のすべて確認することができないが、右下に”eed”とうっすら入り、ギャラ入りと確認することができる。
1962年頃〜1966年頃/紙パッチ・ギャラなし
前ページの年表でも触れたように、この時代のモデルはギャラなし紙パッチを採用。(”EVERY GARMENT GUARANTEED"の品質表記がなくなる)。
1966年頃〜1968年頃/ダブルネーム
こちらも年表で解説した通称ダブルネーム。モデル名の上に、"501"や"501XX"といった小さなネームが重複して記されているのが特徴である。
1970年頃〜/ロットナンバーのみ
1970年からは"501"というロットナンバーのみの表記に変更。同じビッグEの501でも時代や工場によって表記に若干の違いが見られる。
2.赤タブについて
この連載では1980年代に登場した赤ミミまでをビンテージ501としているが、ビッグEをビンテージの証とする見方も多い。それを見極めるのがヒップに付くこの赤タブである。
〜1935年頃/赤タブなし
不朽の名作と呼ばれる1922年モデルをはじめ、1936年より前のモデルには、リーバイスの象徴である赤タブが施されていない。
1936年頃〜1953年頃/赤タブ採用・片面タブ
1936年より採用された赤タブ。"LEVIʼS"の刺しゅうが施されているのが赤タブの特徴だが、この片面タブは、文字通り表側のみに文字があり、裏側はブランクの状態になっている。こちらの片面タブは1953年頃までのモデルに使用されていた。
同じく1936年頃〜1953年頃/赤タブ採用・片面タブ
片面タブの裏側。ご覧のとおり、何も表記されていない。
1953年頃〜1966年頃/両面タブ
1953年の7月より両面タブが登場する。よって紙パッチ=両面タブではなく、革パッチにも両面タブを使用したモデルが存在するのだ。
1973年頃〜/スモールe
66前期モデルが登場した1973年頃より赤タブの表記がビッグEからスモールeへと変更されていく。この"Levis"表記は現行モデルへと続く。
3.リベットについて
501の誕生時から採用されているディテールがリベットだ。このリベットをウエアに用いるという特許を取得したことで、リーバイスの名が広まったといっても過言ではないだろう。
1922年頃/リベット
サスペンダーボタンだけでなく、ベルトループも追加された1922年モデルのリベット。純銅100%のリベットが使用されていた。
1937年頃/リベット
赤タブが初めて採用された1937年モデルのリベット。それまでむき出しだったリベットが隠しリベットになったのもちょうどこの頃。
1942年頃/リベット
多くのディテールが簡素化された大戦モデルのリベット。それまでのモデルに見られた股リベットやコインポケットのリベットも省略。
1947年頃/リベット
第二次世界大戦直後の1947年モデルのリベット。刻印が中央に寄っているのが特徴で、COのOが大文字のものも存在する。
1960年頃/リベット
1950年代にはさまざまな変貌を遂げたリベットも、1960年代になるとほぼ現行モデルのリベットと同じようなデザインになっていく。
4.センターループについて
1922年モデルよりベルトループが追加された501。バックの中央部分に付けられたセンターループは、ビンテージ501を見分ける重要なディテールのひとつとされている。
1955年頃〜1964年頃/オフセット
ループが少し細くなり、中央部分からも少し左にずらされて取り付けられるようになった。大量生産のための作業効率を図ったという説もある。
1965年頃〜/センターに戻る
1965年に登場したギャラなしモデルから、オフセットベルトループ以前のモデルと同様に、中央部分に戻して取り付けられている。
5.隠しリベットについて
ポケットなどの取り付け強化に使用されたリベット。中でもバックポケットのリベットは、馬の鞍などに擦って傷を付けてしまったため、1937年モデルより隠しリベットへと変更された。
〜1966年頃/隠しリベット
1937年モデルからは、それまでむき出しだったバックポケットのリベットを、生地をかぶせるように縫う隠しリベットを採用した。
1967年頃〜/カンヌキ
"XX"表記の最終型とされるギャラなしモデルの一部より、隠しリベットを使用しないカンヌキ止め(補強ステッチ)が採用されている。
6.ステッチについて
パッチやタブは欠損している場合が多いなか、シングルステッチとチェーンステッチといったステッチの仕様も、ビンテージ501の年代が見分けられるポイントのひとつである。
1968年頃/シングルステッチ
よく見るとご覧の通り、こちらの66前期モデルでは、バックポケットの上部裏側の縫製がシングルステッチになっている。
1978年頃/チェーンステッチ
対して、こちらの66後期モデルでは、チェーンステッチを採用。また、腰布部分の縫製も上下ともにチェーンであれば後期モデル。
以上、ディテールごとに流れをまとめた。前号のビンテージ501の変遷と照らし合わせて見てみるのもいいだろう。次号は、ビンテージデニムの用語集をお届けします。
撮影/青木和也 特別協力/藤原 裕(ベルベルジン)、栗原道彦(ミスタークリーン)
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