2018.06.20
表現したい音楽を詰め込んだ名刺代わりの1stアルバムをリリースメジャーシーンへ進出する注目バンド・DATSインタビュー
デジタルと生楽器の融合を掲げる注目バンド、DATS(ダッツ)。インディーズ時代から音楽シーンのみならずファッション界からも熱視線を浴びてきた彼らがついに6月20日にメジャーデビューを果たす。彼らにファッション観やアルバムに込めた思いについて語ってもらった。
写真左から早川知輝(Gt)、MONJOE(Vo.&Sy)、伊原卓哉(Ba)、大井一彌(Dr)
■DATSメンバーそれぞれのファッション観について
――それぞれのファッション観について教えてください
MONJOE「基本はやっぱりモノトーンが多いです。ストリートとモードが融合したようなスタイルを意識してますが、ストリートに寄りすぎないようにシンプルさはもちろんキレイめな雰囲気も大切にしています」
早川知輝(以下「早川」)「スキニーシルエットのパンツに長丈のアウターやはおりものを着る。これが僕の基本ルールです。ライブのときにオールスター(コンバース)を履くのも、尊敬するバンドの人が履いているのを見て単純にかっこいいなと思ったからなんです。観てきた、聴いてきた音楽とファッションがリンクすることも意識しているのかもしれないですね」
伊原卓哉(以下「伊原」)「動きやすい服装が好きです。基本は片方が細身だったらもう片方をゆるくして、バランスを取ったり。定番は、パーカーの下に着たタンクトップの裾を、少し出して見せる着こなし。タンクトップはガシガシ使う消耗品なので、半年に一回くらいのペースで買い換えてます。買い物は古着屋からセレクトショップまで、いろんなお店に行きます。古着屋は安いしかっこいいし、今流行っているものの元ネタがあったりするので買い物していて面白いんですよ。最近よく行くショップは渋谷にあるVENTURE(ベンチャー)っていうセレクトショップです」
大井一彌(以下「大井」)「ビンテージカルチャーが好きでとくに古着の軍モノには目がない。古着屋でミリタリーテイストや90年代のUKミリタリーを扱っているお店だと、今は高円寺の古着屋がアツいですね。あとは上野の中田商店や横須賀にも買い物に行きます。最近は、米軍のパラシュート降下兵が着ていたベストを買いました。パラシュートを装着するための紐が長く垂れていて、ちょっとモードっぽさもあり気に入ってます!」
■メジャー1stアルバムについて
――メジャーシーンへ進出した真意とは?
早川「やっぱり僕らの音楽をより多くの人に届けるためということが大きいですね。楽曲制作の面でもライブの規模でもそうだし、インディーズではできないことがメジャーなら実現できる。それは僕らが未来でやりたいこととリンクしたんですよね」
伊原「前々からメジャーに行きたいって気持ちはもちろんあったけど、そのタイミングはうまく計らなきゃいけないなとずっと思っていて。無理してまで進出するべきではないと。なので、今回は自然と人が集まってきてくれて、無理なくことが進んだという感覚が大きいです。そういった中で、自分たちが一緒に手を組んでやっていきたいと思えた人と出会えたこと。それが今回のメジャー進出につながったと感じています」
大井「今の時代、あえてメジャーとインディーズ、つまりメジャーだと売れているとかインディーズだからアンダーグラウンドだとか、そういう線引きはないと思っていて。だからメジャーデビューという言葉にそんなに意識することはないですね。今回僕たちがデビューするレーベルに一緒に音楽をやっていきたいと思える人たちがいたから、その幸せやワクワク感はいっぱいありますけどね」
伊原「やっぱり俺らも大きくなりたいし、(レーベルと)お互いが大きくなっていける関係が理想的だなと思います」
MONJOE「インディーズでもメジャーでもシーンは変われど僕らのスタンスは基本変わらないし、変えるつもりもない。やりたい音楽を実験して表現して、それを届けていく。それだけです」
――これまでの楽曲と大きく違うのは歌詞に日本語が取り入れられています
MONJOE「もともと日本語の歌詞の曲を発表していなかっただけでじつは曲自体は存在してて。急にはじめたわけではなくて、ライブでも披露してたんですよ。日本語詞を入れたのはこれまでのアイデンティティを捨てたわけでも、メジャーに行くからって忖度したわけでもなく、バンドとして必要なことだと思ったから取り入れたってことです」
伊原「前作『Application(アプリケーション)』に収録されている曲がすべて英語詞だったこともあって、次のステップとして、どうやったらもっと自分たちの音楽を表現できるかなと思ったときに、日本語は絶対に必要だと思った上での決断。メジャーに進出するタイミングで変えるということは見え方としてはあまりよく思われないかもしれないけど、メジャーだからこそ日本語で挑戦したいと。実際に使ってみて思うんですけど、ライブ中にお客さんを見ても歌詞の意味がすっと入ってきているなという実感があるんです。そういう点でも日本語の曲は作っておいてよかったかなと」
大井「海外の音楽に影響を受けた日本のインディーズバンドってたくさんいて。それがメジャーに行くタイミングで日本語を歌い出すというのは“あるある”な現象だと思うんです。別に僕らはそれとは違うんだって言いたいわけじゃないんですけど、僕らはその変化自体を楽しめる。もちろん今は自由に楽曲制作をさせてもらっていますけど、いろんな曲の作り方があると思うんです。僕らは今、誰に強制されるわけでもなく”挑戦”したくて日本語で曲を作ってますけど、僕らが楽しめるのであれば正直、何語で作ってもいい。そこで置かれた状況を僕らが楽しめるかどうかが大事だと思います」
ーーアルバムタイトルにバンド名を冠した理由は?
早川「バンドがメジャーデビューのタイミングでセルフタイトルの作品を出すことって多いじゃないですか。それに近い感覚です。『Digital Analog Translation System (デジタル アナログ トランスレーション システム)』=頭文字を取ってDATSってことですね!」
伊原「もともとDATSってパッと決まった意味のないバンド名なんです。最初は冗談でDigital Analog Translation Systemって言っていたんですけど、活動していくにつれて「あれ?俺達の音楽性とマッチしてない?って。意味は後付けなんですが、結果僕らの音楽を表すのにぴったりなバンド名だと思ってて」
MONJOE「僕らにはロックカルチャーとエレクトロ、テクノ、電子音楽の世界が融合する音楽っていうテーマがあって。メジャー第一弾となるアルバムでは僕らがやりたいこと、実験していることはコレだという意思を示すべきだと思って。このタイトルが一番ふさわしいタイトルだと思ってます」伊原「Translation =変換って意味で、自分たちで解釈して答えを出していくシステムなんだよっていう意味がすごくおもしろいなと思って。デジタルとアナログって対比じゃないですか。僕らってすごく対比している部分が多いんです。たとえば音源は打ち込みだけど、ライブはすごくフィジカルな要素が多かったり。この言葉はいろいろと的を得ているなと」
大井「このアルバムが僕らの名刺代わりになればいいなと思います」
「Digital Analog Translation System」
(album)SMEレコーズ
発売中
プロフィール
2013年に結成した4人組バンド。バンド名を冠したメジャーデビューアルバム「Digital Analog Translation System」を6月20日(水)にリリース。ロックとエレクトロを融合させた独自のサウンドで、各地の音楽フェスやイベントに数多く出演中! ライブ情報など詳細はHPをチェック! datstheband.com
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撮影/田中利幸