2022.08.22
次世代アーティスト・くじら。ライブ計画、名前の由来、ファッション事情は──?
ボカロPとしての活動から、SixTONESやDISH//、yama、Adoへの楽曲提供など、さまざまな手法で音楽シーンを賑わせてきた気鋭のアーティスト・くじら。そんな彼がこの夏、初めての自身歌唱アルバム『生活を愛せるようになるまで』をリリース。本作へ込めた想いから知られざるプライベートまで、いろいろなお話を聞いてきました!
くじら「生きづらさを感じている人の力になれたら」
──早速、ニューアルバムについてお話を伺いたいと思います! ズバリ、本作はどんな一枚に仕上がりましたか?
「前作よりも一曲一曲のクオリティが上がったし、アルバム全体を通して少し前向きな一枚になったかなと思っています。今、生きててもどうしようもないとか、生きづらいとか感じている人って少なくないと思うんです。実際に僕自身そういう人間だから、今回のアルバムを通して『僕もそうだから大丈夫だよ』って伝えられたらいいなって思っていて。そんなメッセージも込めつつ、サウンド面では明るく聴きやすい音を意識して作ったので、人生を健やかに生きている人たちにも楽しんでもらえる一枚になったんじゃないかな。だから、“くじら”とか“生活を愛せるようになるまで”を共通点として、そういう人たちの距離が縮まったらいいな、なんて考えています」
──本作からシンガーとして本格始動されましたが、今まで大きく変わったことはありますか?
「今までは歌い手さんを呼んだり、楽曲提供をしたりというかたちが多かったんですけど、そういう場合って歌ってくださる方の趣味とか好み、歌い方を考慮した上で、歌い手さんのファンの方にも楽しんでもらえるように考えながら作っていたんです。でも、自分が歌うとなるとその枠組がなくなるので、素直に『こんな音楽っていいよね?』と思ったものを発信できるようになった気がします。作れる曲の幅がぐっと広がったというか。ちなみに、僕はいつも作詞を一番先にやるのがこだわりで」
──詞が先なんですね。それはまたどうして?
「日常で人と喋っていて自分がモヤモヤ思っていたことを、スッと言葉にされたときのドキッとする感じ、『そう、それそれ!』みたいな体験がすごく好きなんです。その体験をみんなにも感じてほしいから、そういったハッとする言葉をできるだけ詰め込んで作るようにしています。僕は“詞の強度を増す”って表現しているんですけど、そういった強い詞ができあがれば、あとは音は時代が決めてくれるみたいなところがあるのかなって思うんです。作曲に関してはそんな感じで、ありきたりすぎずコアになりすぎず、『くじらっぽいよね』と言ってもらえるような音作りを意識しています」
──なるほど! ちなみに、お名前の“くじら”の由来って……?
「別に隠すほどのことでもないんですけど、ファンの皆さんにシンガーとしてのライブの時に発表するねって言っちゃったからまだ内緒なんです(笑)。別に大した由来でもないのに言い続けてきたらここまできちゃって……。ライブを楽しみにしてもらえたらうれしいです(笑)」
──ライブ、楽しみにしています!
「はい、アルバムもリリースされるし、今ちょうどやりたい!と言っているところです。そのライブのMCで“くじら”の由来をさらっと言えたらいいな……」
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くじら、読書と料理に長〜くハマリ中!
──ここからは、くじらさんのプライベートに迫りたいと思います! 最近ハマっていることはありますか?
「最近ハマったというわけじゃないんですけど、読書と料理が好きです。読書は、村上春樹さんがずっと好きで、よく読んでいます。あとはエッセイや詩集を買って読むことが多いです。音楽活動へのインスピレーションにもなるし、発見も多いんですよ。趣味でありつつ、勉強の一環でもあるという感じです。料理も昔からずっと好きでやってるんですけど、最近はYouTubeとかTikTokを参考に作ることが多いかも。意外な食材の組み合わせとかを見るとつい試してみたくなっちゃうんです。この間作ってすごく美味しかったのが、和風よだれ鶏! 白だしと梅干しと鶏肉で作るんですけど、簡単なのに超美味しくて。ヘルシーだし、冷やしても温めても美味しいからハマっちゃいました」
──本格的ですね! ファッション事情に関しては最近いかがですか?
「普段はオーバーサイズのアイテムとか、セットアップを着ることが多いです。古着も結構着たりします。今年はちょっとストリートな感じが気になってるので、秋冬はチャレンジしたいと思っています。あと、中学生の頃からずっと好きなんですけど、ネイルにはこだわりありです! 最近はちょっとお高めのネイルを使えるようになってきたので、ますますハマっちゃってます。僕なりのネイルのこだわりは、季節感を楽しむこと! たとえば今日みたいな夏らしい日はさわやかな青を使ったり、秋になったら暖色系でまとめたりしています。中高生の頃、クラスの友だちとネイルショップに一緒に行ったり、テクニックを教えてもらったりしたんです」
──ネイルで季節感を楽しむってイイですね! 最後に、今後やりたいことを教えてください。
「アーティストのくじらとしては、やっぱりもっといろいろな人に知ってもらえるようにがんばりたいです。プライベートのくじらとしては……なんだろう、バンジージャンプとか……? 人生観変わるっていうじゃないですか。でも、自分ひとりで予約して飛んでっていうのは多分無理なので、なにか仕事絡みでできたらいいな〜なんて思っています(笑)」
Profile
2019年に活動を開始した気鋭のシンガーソングライター。yama、Ado、DISH//など、さまざまなアーティストへの楽曲提供で注目を集め、’21年からは自身で歌唱も担当。8月17日(水)、初となる全曲セルフボーカルのアルバム『生活を愛せるようになるまで』をリリース。
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HP
whaledontsleep.tokyo
<衣装>
すべてスタイリスト私物
文/山下皓平 撮影/田中利幸