2025.10.18
THE RAMPAGE 川村壱馬/零 ソロ曲3rd「Crisis」に込めた“1人じゃない”という叫び
ソロ3作目「Crisis」は、命の瀬戸際に立たされた心情を真正面から描いたヘヴィなHipHop。10年来の仲であるYAMASHO(山本彰吾)との共作、そして自身の過去の経験を重ね合わせて生まれた曲だ。この曲に込めた想いを、ソロデビューの歩みを振り返りながら熱く語ってくれた。
──3作目「Crisis」を完成させた今、改めて“ソロ”としても挑戦し続ける理由を教えてください。
ソロでは、日々感じている疑問や社会・人に対して思うことを、自分の言葉とラップを使って伝えたくて。今の世の中、バズり目的や商業音楽などが溢れていて、音楽本来の力が弱まっているように感じることがあります。だからといって、僕は音楽の力を“復活させる”みたい大きなことをしたいわけじゃなく、もっとシンプルに人の心にまっすぐ届くような「リアルな音楽」を作りたいんです。「この曲に出会えてよかった」と思える“意味”を残せるようなものを。そこがソロの根底にあります。
──ソロの楽曲制作において、譲れないことはありますか?
グループでの活動はどうしても“ウケ”を考えるし、それは必要なことだと思う。でも、ソロでは自分の魂や愛情を濁りなく注ぎたい。「自分で曲を書けないんだったらソロをやる意味がないので、やらなくていいです」とHIROさんにも言っていましたし。僕の曲を聴いた人が少しでも救われたりする、そんな曲を作り続けていきたいと思っています。
──3作目「Crisis」では、命や生きることに関して描かれていますが、なぜこのテーマで曲を作ろうと思ったのですか?
お互い直近で同じような経験をしたことがきっかけです。YAMASHOさんが僕の家に来て、一緒に飲んでいたとき。僕らは飲んでいても、冷静に真剣な仕事の話をすることが多いのですが、ふと話してくれたことがあって。いろいろと聞いていく中で、僕も胸に強く突き刺さるものがありました。2人で話していくうちに、悔しさが込み上げてきて、そういう人の助けになったり、寄り添える曲を作りたいよなとなりました。これまでも、YAMASHOさんと「一緒に曲をやろう!」という話はしていたのですが、テーマがバチッと決まったのはこのときでした。
──今回、10年以上苦楽を共にしてきたYAMASHOさんとの共作ですが、2人らしさが出ている部分はありますか?
変に小細工せず、しっかり伝えることに重きを置いているから、不必要なところに英語が入っていないんです。SNSとかI KNOWみたいな分かりやすい英語は、必要な所には入れているけど、基本的に日本語で書いています。このきちんと伝えにいくという姿勢は僕ららしいですし、“芯を食っている”と感じましたね。
──YAMASHOさんとの共作で刺激を受けたことはありますか?
YAMASHOさんのリリックを見ていると、映像がパッと浮かぶんです! 景色が見えるというか。リリックから情景を思い浮かばせられるのは本当にすごいと思います。言葉の表現もおもしろいし、こういう踏み方をするのか!と改めて実感しました
──作詞中はどんな気持ちで書いていましたか?
悔しい経験を思い浮かべながら書いたときもありましたし、2年ほど前に活動を止めてしまった時期があって、そのときの感覚やすべてにうんざりして立ち止まったときの気持ちをバーっと書き出していました。とにかく自分の経験や感情の引き出しをあさって、あさってみたいな。どう感じているとか、なかったかもしれないです。
──ラップに落とし込むときに意識していたことはありますか?
最初は“同じ目線”に立つことを大事にしていました。最初から「頑張ろうぜ!」と言ってしまったら、人の気持ちに寄り添えていないと思って。僕自身、どん底まで落ちた経験があるからこそ、その感覚も分かります。だから、最初は一緒の場所に立って、最後に少しずつ離して救い上げる。そういう構造にしたかったんです。
──作詞中に1番悩んだ部分はありますか?
1番最後の「誰かの幸せ成り立つためには誰かの痛みが必要なのか」というフレーズをどこに入れようか迷いました。どこに置いてもしっくりこなくて。でも、一番外せないフレーズだったんです。どうしてもこの曲で伝えたいメッセージだったから、1番最後に置こうと決めました。
──1番外せなかったフレーズに込めた想いは?
普段生活をしている中で、人の心をなんだと思っているんだ?と感じることありますよね? 人の心を考えないで発言してしまう人もいるし、SNSを見ていると人の不幸を蜜の味にするような風潮もある。そういうときに“そんな人の幸せのために、別の誰かが傷つけられる筋合いはないだろう”と思うんです。そんな嘆きを込めました。
──ご自身の経験を提示することで、どんなメッセージを届けたいですか?
世の中でしんどいのは自分だけだ!と思ってしまうこともあると思うんです。実際、以前、僕もそうでしたし。でも、そういう人に対して「僕もこう思っている」と提示することで、自分だけじゃない!という気づきをあたえられればいいなと思っています。
──ジャケットのデザインにはどんな意味が込められていますか?
自分の中にあったのは「カオス」。混沌というイメージですね。サウンドのインスピレーションからも、ぐちゃぐちゃした闇のような感覚があったので、まず黒っぽさがあり、そこに赤を重ねることで、カオスな世界観が見えてきました。どこか洗練されているような感覚も表現しています。
──色は“赤”以外も考えましたか?
なかったですね。血液のイメージもあったので! あと、「命」というテーマを音でも表現したいと思っていました。曲をよく聴くと、水滴がパンっと落ちる音とか入れているんです。点滴がポタポタと落ちるような音みたいな! 命の尊さを連想させたくてこの波紋と色に落とし込みました。
──最後に読者やファンの方々に向けて一言お願いします。
FINEなBOYSが見ているんですか(笑)? 冗談はさておき、ずっと元気で、ずっと楽しくて、悩みが一切ない人なんていないと思うんです。たとえそう見える人でも、どこかが麻痺していて、本当の状態に気づけていないこともあると思います。SNSを開けば必要のない情報も入ってきて、見れば見るほど気持ちが沈むこともある。そんな環境が当たり前になっているのは危ういことだと思っています。だからこの曲は、評価されたいとかそういうことじゃなく、とにかく聴いていろんなことに“気づいてくれ!”という気持ちで作りました。どんな形であれその人の助けになったらうれしいです。
3rdデジタルシングル「Crisis」
3作目となるデジタルシングル零×YAMASHO「Crisis」を
各種音楽配信サービスにてリリース中。
<Profile>
かわむら・かずま/1997年1月7日生まれ。大阪府出身。2014年9月にTHE RAMPAGEのメンバーに加入し、ボーカルを担当。2025年1月29日にアーティスト「零(L.E.I.)」として、ソロデビューし、SG「Delete /Enter」、2ndデジタルSG「My Precious One」をリリース。アーティストの他、俳優としても活躍の幅を広げている。
川村壱馬official Instagram
@rmpg_kazuma_kawamura
川村壱馬official X
@sncrmpg_kk
零official YouTube
www.youtube.com/@leiofficial0
【衣装クレジット】
ブレスレット16万5000円、ピアス(2点着用)各1万9800円、リング[左手人差し指] 上2万7500円、下7700円(すべてAUREA./AUREA.カスタマーサポート)、リング[右手中指] ¥44000(FORSOMEONE×L.E.I./FORSOMEONE FLAGSHIP STORE)
<AUREA.カスタマーサポート>
03-6705-5778
<FORSOMEONE FLAGSHIP STORE>
03-5708-5838
●スタイリング/吉田ケイスケ