2020.10.01
現役大学生が本音で語る「コロナ禍の学生生活」
新型コロナウイルスの影響の中、夏休みも終わり、再びオンラインでの授業が始まった各大学。ゼミやサークル活動など様々な活動が今もなお制限されているのが現状。貴重な大学生活の半年以上が奪われた今、現役大学生はどんな心境なのか。未だ自粛ムードが求められる大学生だからこそ感じることをリアルな本音で語ってもらいました。
立正大学
経営学部3年 H・Kさん
新型コロナウイルスの影響で感じた変化とは?
・友達と会うことがほとんどなくなった
・感染予防などの衛生面にかなり気遣うようになった
「まず大きな変化というと、友達と会う機会がほとんどなくなったことですね。今までは授業やサークルで、友達に会って遊んだりご飯を食べにいくことも多かったけど、今はほとんど家を出ていない状態です。元々僕がインドア派っていう理由もあるんですけど、それでも外に出る機会がかなり減っているし、夏休みも思い切って遊べないので何をしているんだろっていう感じになっていますね。あとは衛生面にかなり気を使うようになりました。コロナ期間になってから、地元でピザのデリバリーとガソリンスタンドのバイトをしているのですが、仕事のときは私生活のとき以上に感染予防には気を使っています。そのせいもあって、普段の生活でも意識がかなり変わりました。手洗い・うがい、消毒などはつねに心がけています。あとは、季節を問わず街に出ればみんなマスクをしている。そんな状況もすごく変化を感じますね」
──周囲の友達はコロナの影響をどのような認識をしている?
「僕のまわりの友達もかなり意識している方だと思います。渋谷や新宿などで飲み会をしている人はいないと思いますよ。行動全てを知っているわけではないですが、いまだに症状が発症した人もいません。それに友達と遊びに行くときは、なるべく不特定多数の人と関わらないように電車を使わず、車で行くようにしています。仲のいい友達同士で感染してしまった場合は、正直仕方ないなと思います。それよりも、多くの人にリスクをあたえてしまう方が怖いなと感じています」
──都心のクラブなどで若者が感染するといった報道をみて、どう思いますか?
「自分は感染しても大丈夫って考えている人が多いんじゃないかなと思います。感染したその後のことをちゃんと考えていないんじゃないかなと。もし自分が感染した場合、その場にいた人やお店はもちろん、一緒に住んでいる親にも迷惑をかけることになります。それに僕は祖父母と一緒に暮らしているので、万が一自分が感染してしまったら命の危険に及ぶかもしれません。そういった責任感が欠如しているのではないかと感じます」
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コロナ禍で感じた率直な気持ちとは
■大学3年生の彼が、コロナ禍で感じていることとは?
・大学に在学する意味があるのか
・ストレスの要因が増えた
・就職活動に対する不安
「大学に行けなくなって残念なことは、人との出会いやコミュニケーションが減ったことです。大学に行けば、友達や先輩と会ってその時々で話題も生まれるし、遊びに行ったりできる。それがいろんな経験になったり、知識になっていくと思うんです。でもそれがほとんどなくなってしまって。正直、授業やサークルがあるから関わる人もいると思うんですよね。そうやって、友達・先輩後輩・教授とかいろんな人と出会って学べることも多いと思うんです。そう言った機会が1年分なくなってしまったというもショックですね」
──大学をやめて、早く働いた方がいいのではと考えた
「この1年間、大学に行くことがほとんどなくなってしまって、まず頭に浮かんだのが学費のことです。大学にほとんど行っていないのに、今までと変わらないお金を払っているのが現状です。親に支払ってもらっているのにこんな状況で申し訳ないと感じました。ましてや、自分で学費を払っていたらもっと損しているなって感じると思います。そんなとき、学費やこれからのことを考えた時、いますぐ働いて自立した方がいいのではないかと考えたこともありました。ずっと家にいて何もできないし、親に頼った生活になってしまうのがすごく嫌で。こんな生活が2年間も続くんだったら大学の授業に行くよりも、自分で資格やウェブデザインなどの勉強をして働いた方がいいと思います。だから本気で親に相談もしたこともありました。でも親からは、ちゃんと卒業まで頑張りなさい。不安に思っているのはお前だけじゃない。それに自分が大学に行きたいと言って入学したのだから、ちゃんと卒業することも一つの責任だって言われて。だから今はちゃんと卒業できるようにやれることをやろうと思っています」
──今までには感じなかったことがストレスになることも……
「元々インドア派ではありますが、コロナでずっと家にいるので家族とのコミュニケーションが増えました。コロナ禍になるまで、あまり話さなかったことを親と話す機会もあってそれはすごくいいなと思います。でも、バイトの日も少ないし、何もしないで家にいると、“ずっと家にいて何もしないの?”とかいろいろ言われて(笑)。ただでさえコロナに気を張ってストレス溜まるのに、そういう些細なことでも、ちょっと心が痛くなることもあります。なったりもします。きっと、大学生じゃなくてもいろんな人がストレス溜まってしまう状況だけど、大学に普通に通っていればなかったストレス要因も増えているんだと思います」
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来年の就活にも不安が……
■先輩からのノウハウが効かない、新時代の就活
「就活もきっとその年ごとに多少の変化はあるとは思いますが、やっぱり今までの就活と状況が全く違いますし、この先どうなっていくのかもわからない。それがかなり不安ですね。2020年卒で、の先輩から就活のアドバイスをたくさんいただいているんですけど、コロナ禍以前の話なので、全てが当てはまるとはいえないし、コロナ禍で就活をした21年卒予定の現4年生が経験したことも、22年卒予定の僕たちと変わってくるかもしれない。就活生はもちろん、企業も手探りで面接などを実施するしかない状況だと思うので、不安なことばかりです。しかも、就職したとしてもその会社がその先なくなってしまう可能性だってあります。先のことを考え出したらキリがないけれど、不安な要素はかなり多いです」
──今までのマニュアルでは通用しないこともあるのでは?
「21年卒予定の4年生から話を聞いたり、ネットの情報を見ると、面接もウェブで行われていたそうです。今までは、面接会場でのマナーや身だしなみなど、自己PR以外で見られていることや、最低限のマニュアルのようなものが参考書に載っていましたけど、それも通用しないかもしれない。ウェブ面接だと、画面越しの情報が重要になるじゃないですか。そうなると、スマホとPCではどちらがいいのか、はたまた画面の角度や音声、ネット環境など、今までになかったことに気を使うし、その正解もわからない。新しい環境になっているからこそ、参考になるものが少ないというのも一つの障壁となっています。先輩の話を聞くだけじゃなくて、それを今の状況に当てはめて、取捨選択をしなきゃいけない。自分で行動し、判断することがとても重要な時代になっているのではと思います」
──インターンの開催も減少傾向でさらに不安が募る
「インターン、まだ行けてないんです…。正直、業界や業種をまだ絞れていないのと、インターンの数も減っていて倍率も高くなっているなんてことも聞くので。それに、基本的にウェブでのインターンがほとんどらしくて。僕のイメージとしては実際に企業に行って業務を体験したり、雰囲気を知る機会だと思っていたのですが、今はウェブでの実施でほとんど説明会みたいな感じらしいんです。企業を知るうえでも、実際に体験することがインターンの魅力だと思っていたので、参加しなくてもいいのかなとか思っています。とはいえ、参加しなかったらそれもまずいのではと思ったりで不安が募るばかりです。こういったこともコロナの影響で変わっているのかなと感じますね」