2018.06.04
楓先生と考える、お金との付き合い方 vol.3 前編ハタチの経済学
お金のことって難しいし、知りたいと思っても周りの人に聞きづらい……。それなら専門家に聞くのが一番! 身近なお金の仕組みや疑問について、ファイナンシャルプランナー・楓先生に1から教えてもらいましょう。第3回は、バイトをしてると他人事ではいられない、「103万円」の壁、そして所得税について解説。
【バイトで注意するべき103万円の壁って?】前編
”扶養から外れる”って
どういうこと?
みなさんは今、アルバイトをしていますか? 前回は日本のお金の仕組みの基礎となる税金の基本についてお話ししましたが、中でも所得税は、アルバイトのお給料とすご~く関係が深いのです。みなさんがいくら稼ぐかによって、家族の支払う税金にも影響があります。今回は知らないと損する所得税の仕組みの話を、具体的にしてきますね!
バイトの話をしているときに、家族から「扶養から外れないようにしてね!」なんて言われたことはありませんか?
じつはみなさんを養っている(=扶養している)ということで、親は税金をいくらか割り引いてもらっているんです。けれどみなさん自身の年間の収入が103万円を超えると、その割引がなくなってしまうんですね。それが”扶養から外れる”ということ。
みなさんが扶養に入っているだけで、数万単位で親の支払う税金が安くなるんですよ。
切っても切れない
アルバイトと所得税の話
この103万円という金額にはもうひとつ重要な意味があります。所得税がかからない収入のボーダーラインが103万円なのです。
でも学生の場合は「勤労学生控除」というものがあり、これを利用することによって、そのボーダーラインを130万円まであげることができます。勤労学生控除の制度は、学校で在学照明をもらい、バイト先が1つの人は年末調整で「控除を受けたい」と伝えること、2つ以上の人は自分で確定申告をすることで利用することができますよ!
しかし、ここで注意しなければいけないのが扶養です。控除を受ければみなさん自身は130万円まで稼げて所得税もかかりませんが、親は扶養という割引が使えなくなってしまいます。
家族にも影響の出てくることなので、よく考えてから制度を利用してくださいね。
<vol.3後編に続く>
プロフィール/よこかわ・かえで。ファイナンシャルプランナー。明治大学法学部、同大学院出身。24歳で経営学修士(MBA)と取得。「お金のことを誰よりも等身大でわかりやすく」をモットーに、平成生まれの経済評論家として活動中。地下アイドル経験があり、アイドルが大好き。
Twitter/@yokokawakaede
撮影/榎本洋輔