2018.06.18
楓先生と考える、お金との付き合い方 vol.3 後編ハタチの経済学
お金のことって難しいし、知りたいと思っても周りの人に聞きづらい……。それなら専門家に聞くのが一番! 身近なお金の仕組みや疑問について、ファイナンシャルプランナー・楓先生に1から教えてもらいましょう。今回は、アルバイトと税金の話についてもう少し詳しく解説。払いすぎた税金、戻ってくるかもしれませんよ!
【バイトで注意するべき103万円の壁って?】後編
払いすぎた税金が戻ってくるってホント?
所得税関連で知らないと一番もったいない話がこれ。お給料から引かれた所得税が全額戻ってくるかも? というお話です。
前回、年間の収入が103万円までなら無課税だというお話をしましたが、中にはそんなに稼いでいないのに、給与明細を見たら所得税を引かれていたことがあるという人もいるんじゃないでしょうか。
そもそも所得税は、基本的には毎月8万8000円以上稼ぐといったん必ず引かれてしまうのです(2つ以上の場所でバイトしている人は、それ以下の金額でも引かれている場合があります)。
たとえば大学生は試験後の休みがかなり長いですが、その間にたくさん働いて1カ月の収入が20万円になったとしたら、その20万円にたいしていったんは所得税が引かれます。でも、所得税は最終的にその年の1月1日~12月31日の間にいくら稼いだかで決まるもの。1年の途中でもし税金が引かれていたとしても、年間の収入が103万円以下であれば、引かれた税金を後から取り戻すことができるのです。
この払いすぎている税金を取り戻す作業が、年末調整と確定申告。
同じ職場でずっと働いているのであれば、基本的にアルバイト先が年末調整の作業をしてくれて、何もしなくても引きすぎていた税金を年明けのお給料に上乗せする形で戻してくれることが多いです。
とはいえ、バイト先をよく変えてしまう人最中にはいると思います。この1年でバイト先を変えた人や、バイトを複数掛け持ちしている人は、それぞれに源泉徴収票を発行してもらい、確定申告をしなければなりません。この場合の確定申告は、税金が引かれていた年の翌年の1月1日から5年の間いつでもOKなんです。つまり、昨年や一昨年の分でも、いま確定申告をすれば払いすぎた税金が戻ってくる、ということ。
確定申告のやり方についてはまた別の機会に詳しく説明したいと思います。
家族と話し合って
計画的に稼ぎましょう
所得税と同じく住民税にもいくら以上はかかる、というラインがあります。住民税の場合は、未成年かどうかや住んでいる場所によって変わるのですが、20歳以上の場合は100万円前後が目安です。ですが住民税も勤労学生控除があるので、学生であればそのラインが多少ゆるやかになるんですよ。
親にもメリットがあり、自分も所得税がかからないという意味ではバイト代は年間103万円までに抑えるのが無難かもしれませんが、少し税金がかかったとしても、自分でお金を稼ぐことはとてもいい経験になります。バンバン稼ぎましょう!
……と言いたいところですが、まずはご両親としっかり話し合ってみてくださいね。
<第4回に続く>
プロフィール/よこかわ・かえで。ファイナンシャルプランナー。明治大学法学部、同大学院出身。24歳で経営学修士(MBA)と取得。「お金のことを誰よりも等身大でわかりやすく」をモットーに、平成生まれの経済評論家として活動中。地下アイドル経験があり、アイドルが大好き。
Twitter/@yokokawakaede
撮影/榎本洋輔