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2020.07.09

古着の初心者必見！選び方、着こなし、ショップetc.まるわかりガイド

“メンズ古着でオシャレに見せたい” と思っている人は多いはず。とはいえ自分には……と可能性をゼロにするのはもったいない。だって街行く古着ラバーの人たちも、最初はみんな初心者。ココでこっそりと救済するから、はじめましての人でも安心して古着デビューだ！

【目次】
オシャレな男が古着に魅了された理由
古着の基礎知識を紹介
まず狙うべき古着のジャンル
古着の着こなし方
オススメの古着店

 

 

初心者の声➡オシャレな人はどうして古着が好きなの？

業界のプロたちが古着に魅了された理由を暴く

盛り上がりを見せている古着シーン。ファッション業界でありとあらゆるアイテムを見てきたプロたちは、どうして古着に魅了されたのだろう。ビンテージをこよなく愛するそのワケや、古着と出会ったきっかけなど、３人のプロが大いに語ってくれた。

魅了された理由
古着の“おもしろみ”を教えてくれる店員さんと出会えたから！

サンタモニカ渋谷店 店長
下田聖也さん
「僕は群馬県出身なんですが、中学生のときまわりにＢボーイしかいなかったんですよ。洋服を買いにいくときは高崎駅まで出るんですが、駅にいるのもＢボーイばっかり。当時はストゥーシーやエイプ（ア・ベイシング・エイプ）が流行っていて、みんな同じ格好をしていたんです。古着ならかぶらないし珍しい服も多いから、興味を持ち始めましたね。1989年のザ・ローリング・ストーンズのツアーＴを買ったことは鮮明に覚えています。“自分の生まれた年と一緒だ！”ってやけに興奮してた気がします（笑）。このころずっと疑問だったのが、同じアイテムなのに値段に違いがあること。たとえば同じコンバースでも1000円と１万円超えするコンバース。そんなビンテージ的な基本を教えてくれる人が僕のまわりにはいなかったんです。このような知識を教えてくれる人との出会いがあったのが専門学生のとき。東京のショップに通うようになって、古着の“おもしろみ”を教えてくれる店員さんと知り合ったんです。この出会いがなかったら、どっぷりと古着にハマることもなかったですね」

魅了された理由
カルチャーを通して見える古着の世界観がたまらない

ベルベルジン渋谷パルコ店 店長
池谷宗哉さん
「静岡県浜松市出身。５年目だった昨年、渋谷パルコ内にオープンしたベルベルジン渋谷パルコ店の店長に抜擢。精力的に働きながら、同社が展開するYouTubeチャンネルにも出演している。飲食店のバイト代を貯めて、古着に全部つぎ込む。そんな生活を高校１年生のころにしていました（笑）。バイトにいた仲良しな先輩に教えてもらったのがキッカケでしたね。初めて買った古着はリーバイス５０１の66前期。浜松にある「カスタムフィーバー」というお店で、色落ちもなく状態のよいビンテージだったから５万円くらいでした。それと音楽が趣味なので、バンドＴとかを買いあさっていた気がします。この仕事をしていると、お客さんの中には音楽などのカルチャーに詳しい人もいます。そういう人たちと同じ共通言語や認識で、古着話で盛り上がれるのはすごくうれしいですね。バンドＴもそうですが、古着って自己表現がしやすいし、まわりとも差がつく。そんな部分に惹かれた気がします。あとは古着じゃないと出会えない洋服があると思っているからですかね。今でも数千円のものでも数十万円のものでも、珍しいものを見つけたら同じくらいテンションが上がります。店長になった今でも、高校１年生のころと古着愛は変わらずです（笑）」

魅了された理由
“一生着ていたい”と思う服は古着でしか見つからない

スタイリスト
甲斐修平さん
「人とかぶるのが本当に嫌で嫌で、中学２年生のころから古着を着てたと思います。今でもよく覚えていますが、横浜にあった「ハンジロー」という古着店に通ってました。ここが季節の変わり目の時季にセールをするんですけど、まさかの全品90％オフとか（笑）。1000円が100円で2000円が200円とかの世界です。このときに買いまくってましたね。高校生くらいからは、古着を自分でリメイクしてたりもしました。上下や左右で真っ二つに断裁して、アイテムを変えてドッキングさせたりとか。余った残布をそのままパンツに張り付けたりとか。当時その格好で大学の学園祭に遊びに行ったりして、まわりからヤバい目で見られていました（笑）。でも僕からしたら、それが個性であって、自分というものを表現しただけ。古着は誰ともかぶらないし、“この服すごい！”って驚きがあったりするからおもしろいんですよ。僕にとっては、“一生着たい”と思える服もそういった古着に多いですね」

 

 

初心者の声➡そもそも古着の知識ゼロです……

今さら聞けない古着の7つの基礎知識を紹介！

「古着については何もわからない」という初心者をお助けするべく、改めて古着の基礎知識を紹介。知っておきたい頻出用語から、そもそもの魅力をわかりやすく解説していく。古着がどんなものか、ココを読んで自分なりに理解しておこう！

①古着とは使い古した衣料の総称である

誰かによって一度使われた衣類を、古着業者を通して販売市場に出した商品のこと！　’90年代の古着ブーム時はアメリカのアイテムがほとんどであったが、今ではヨーロッパや南米のものも多い。日本の古着も店頭に並ぶことが増えた。

②ビンテージとは希少価値の高い古着のこと

古着の中でも、一定の古さと質を兼ね備えたもの。古ければ古いほどビンテージということではなく、価値のあるデザインや再現の難しい技法など、当時でしか手に入らない貴重な古着を指す。保存状態によって、値段の良し悪しも変わる！

③古着のよさはこなれた雰囲気が出せること

経年変化ゆえの色落ち具合や、使用したことで生まれるフェード感などが新品とは異なる。そのためスタイリングに投入することで、垢抜けた雰囲気を演出することができる！

④古着には裏付けされた歴史がある

古着は製品化された国や年代、時代背景によってアイテムの特徴がまったく違う。ワークやミリタリーといったジャンルで考えても、ディテールなどには意味や歴史があることがわかる！

⑤古着の多くはとにかく現行品より安い

現行品よりも値段がリーズナブルに。誰かが着たという意味でも値段は落ちるが、買い付け時に大量に仕入れることで、コストカットを実現しているお店も多い。

⑥古着といえばすべて1点モノ

古着は製造された場所や年代で商品状態がすべて異なる。このように売り場にまったく同じ商品が並ばないことから、古着は１点モノと呼ばれている。誰かとかぶる心配もない！

⑦デッドストックとは未使用状態の古着を指す

昔の商品が未使用のまま保存されて、古着として市場に出回っているもの。商品ラベルやタグなどもその状態のままが基本だ。このように、古着としての保管状態がいいことから、希少価値が高い古着と言われるのが一般的。

 

 

初心者の声➡種類がありすぎて……どの古着を着たらいいの？（汗）

まず狙うべき古着はこの4ジャンル！

古着とは何かが掴めたところで、次はどんなアイテムがあるのか気になるところ。ただその数は膨大で、全部リサーチするのは不可能に近い。ここで初心者でも狙いやすい〝古着といえば〞なジャンルを厳選した。まずは入門をかねて、この４つをチェックしてほしい！

ジャンル01
ブランドものだって圧倒的に安い「シャツ」

古着をはじめるなら、身近なシャツは押さえておきたいジャンルのひとつ。それに古着のシャツはプライスがめちゃくちゃお手頃。普通なら気軽に手が出せないブランドが、驚きの価格で売られている。生地や作り、デザインだって超一流だ！　狙うならラルフ・ローレン、アロー、カルバン・クライン。

【左・カルバン・クライン】日本でもおなじみのアメリカブランド。同ブランドのドレッシーな黒シャツは現行品で買えば、１万円は軽く超えてくる代物。古着のシャツ1900円（原宿シカゴ原宿店）
【中・アロー】古着市場では球数も多く、定番ブランドとして名高い。アメリカでは’60年ごろまで多くのシャツを製造するトップメーカーであった。古着のシャツ1900円（原宿シカゴ原宿店）
【右・ラルフ・ローレン】アメリカントラディショナルを代表するブランド。左胸のポニー刺しゅうはあまりにも有名。古着なら新品にないカラーリングも豊富。古着のシャツ3900円（原宿シカゴ原宿店）

ジャンル02
古着を語る上で欠かせない「バンドT」

古着の定番であるバンドＴ。王道を狙うなら、’80〜’90年代のアーティストに絞ることをオススメする。ここ数年は、海外セレブや有名デザイナーが着ていることで市場での人気が凄まじい。ひと昔前よりも価格が２倍３倍と一気に上がっている！　狙うならザ・ローリング・ストーンズ、ザ・ビートルズ、メタリカのバンドT。

【左・メタリカ】グラミー賞８回受賞のヘヴィ・メタル・バンド。躍動感のあるスカルロゴが特徴的で、褪せたグレーボディも古着の風合いを漂わせる。古着のTシャツ２万4800円（ボストック）
【中・ザ・ビートルズ】20世紀を代表する音楽グループの１枚。’64年発売のシングル「ア・ハード・デイズ・ナイト」のジャケット写真がフロントにプリント。古着のTシャツ１万5800円（ボストック）
【右・ザ・ローリング・ストーンズ】ベロを出したロゴがインパクト大なイギリスのロック・バンド。こちらは、2006年にアメリカで行われたライブで、限定物販されていたもの。古着のTシャツ7900円（バド）

ジャンル03
値段が高騰しそうな「ワーク」

最近、古着好きの間で数多く着られているのがワーク系。ディッキーズなどのなじみのあるブランドも多く、男らしいディテールもウケている。今では市場での球数がどんどん減っており、高値になりそうな予感。安い今のうちに手に入れておこう！　狙うならワークパンツ、ワークシャツ、ワークジャケット。

【左・ワークジャケット】鉄道労働者などの作業着を製造していたオシュコシュの１枚。耐久性に特化したブランドで、首元がヨレたり伸びたりすることもない。古着のジャケット7800円（ボストック）
【中・ワークシャツ】アメリカで作業着として人気のあったビッグマック。作業中にキズがついたり破れないよう、素材の密度を高くし、強度をグンと高めてある。古着のシャツ8800円（ボストック）
【右・ワークパンツ】ワークパンツの名作モデル、ディッキーズの「874」。タフさと普遍性だけでなく、合わせやすさも備わっているから頼もしい。古着のパンツ2900円（原宿シカゴ原宿店）

ジャンル04
なんとビンテージは数百万の世界！「デニム」

’90年代の古着ブームの中心にいたデニム。アメカジに代表されるよう〝古着といえばデニムでしょ〞と思う人も多く、どのお店にも置いてあることが多い。ビンテージの世界はプレミアな値段がつくものばかりで、世界中にコレクターがいるほど！　狙うならデニムシャツ、デニムジャケット、デニムパンツ。

【左・デニムパンツ】デニム界の名門であるリーのストレートタイプの１本。こちらは’70年代と比較的古いが、色落ちも少なく商品の状態が非常によい。古着のパンツ１万9800円（バド）
【中・デニムジャケット】古着の王道であるリーバイスのデニムジャケット。’60年代に生まれた３rd型で、V字状のフロントデザインが何とも特徴的だ。古着のジャケット4900円（原宿シカゴ原宿店）
【右・デニムシャツ】’70年代のラングラーのデニムシャツ。胸ポケットに特徴のあるウエスタンデザイン。まだまだエイジングも楽しめそうな色落ち感。古着のシャツ3900円（原宿シカゴ原宿店）

 

 

初心者の声➡コーデに取り入れる勇気がない……

今すぐに着こなすならコーデに古着は1点だけ！

実際に着こなすとなるとハードルが高いと思うかもしれない。だが簡単なルールを守ればそんなことはない。それは、〝古着はコーデに１点のみ〞と決めて、あとはシンプルなアイテムと組み合わせていくこと。それだけで、十分こなれて見えるから！

古着はスウェットだけ！

古着の定番スウェットでタフな印象をプラス！　形がほぼ変わらずに現行品で売られ続けるリバースウィーブだけに、いつものコーデに投入してもご覧のとおりなじんで見える。新品には出せない古着特有のくったりとした雰囲気がコーデにニュアンスを生む。古着のスウェット3900円（原宿シカゴ原宿店）、スミス アメリカンのパンツ8000円（ビーミング ライフストア バイ ビームス コクーンシティ店）、ニューバランスのシューズ9900円（ニューバランス ジャパンお客様相談室）、マムートのバッグ１万1000円（マムート スポーツ グループ ジャパン）

古着はパンツだけ！

色落ちデニムをジャケットスタイルへ投入。トップスがシンプルめな上品アイテムだったら、古着のデニムパンツと喧嘩をすることもない。むしろ野暮ったさが中和されて、今どきな古着MIXコーデに。アーバンリサーチドアーズのジャケット１万円、Tシャツ5000円（ともにアーバンリサーチ ドアーズルミネ新宿店）、古着のパンツ7800 円（ボストック）、コンバースのシューズ２万1000円（コンバースインフォメーションセンター）

古着はシャツだけ！

派手な柄シャツを都会的に着こなす。アクの強い柄シャツのインナーには、白が優良な選択。またパンツには定番のグレースラックスを合わせ、都会的な印象を押し出すことにも成功。古着のシャツ4900 円（原宿シカゴ原宿店）、ヘインズのTシャツ1500円（ヘインズブランズ ジャパンカスタマーセンター）、アーバンリサーチのパンツ１万1000円（アーバンリサーチ ルミネ新宿店）、リーガルのシューズ２万円（リーガル コーポレーション）、オリバーピープルズのメガネ４万2300円（ルックスオティカジャパン カスタマーサービス）

古着はベストだけ！

ベスト以外をモノトーンにすれば、速攻で攻略できる。着慣れている白カットソーや黒パンに、いつもどおりにベストを合わせただけ！ センス オブ プレイスのTシャツ2900円（センスオブプレイス バイ アーバンリサーチ キュープラザ原宿店）、古着のベスト8500円（キンセラ）、パンツ6000円（ティーケータケオキクチ）、プロケッズのシューズ9900円（ケッズ インフォメーションセンター）、キャップ3800円（ニューエラ）

 

 

初心者の声➡どこの古着店に行けばいいの？

ビギナーにオススメな2つの古着店を厳選！

古着店とひとくちに言っても、店舗がいくつも存在する。もちろん初心者でも通えるショップがあるから心配しないでほしい。たとえば、〝商品が見やすい〞〝コスパがいい〞〝トレンド感がある〞、そんなショップ。ここで厳選した２店舗をレコメンド！

良質な古着が数多く眠っている
サンタモニカ渋谷店

ワーク、ミリタリー、アウトドアなど多角的なジャンルの古着を取り扱う。価格もリーズナブルで、ブランドものだって安く手に入る！　お店に入ったすぐのラックには、初心者が手に取りやすい古着が並んでいた。シャツだけでも色や柄のバリエーションがとても豊富だ。

【SHOP DATE】
東京都渋谷区神南1-11-5
☎03・3462・1984
営12:00～21:00（月～金）、11:00～20:00（土日・祝）
@santamonica_shibuya

人気古着店ならではの安心の品ぞろえ
ベルベルジン渋谷パルコ店

原宿の老舗ベルベルジンの渋谷パルコ店。人気のバーバリーやリーバイスから、希少すぎるバンドTまで、そのバイイング力はさすがの一言。ビンテージにも力を入れる同店だが、じつは買い求めやすい古着も多い。人気ブランドの定番アイテムが、目につきやすいようラックごとに陳列されていた。アメカジを中心に、幅広い古着が置いてあるだけに、好きなジャンルが必ず見つかるだろう。
【SHOP DATE】
東京都渋谷区宇田川町15-1渋谷パルコ3階
☎03・5422・3114
営10:00～21:00（渋谷パルコに準じる）
@berberjin_shibuya_parco

古着の基礎知識や選び方、着こなし方、オススメ店など、あらゆる切り口で紹介してきた。古着の魅力に気づけただろうか？　この記事をじっくり読んで唯一無二の古着を楽しんでほしい。また、現在発売中のFINEBOYS8月号は古着特集！　初心者でも手が出しやすいアイテムをラインナップしているからチェックしてみてほしい。

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