2020.03.09
岡山天音&加藤小夏が映画『踊ってミタ』を語ってミタ!
ダンスと町興しという、異色のテーマを融合したヒューマンドラマ映画『踊ってミタ』が公開中。物語の舞台は、深刻な過疎化にある春野山町。町興しのために始まった“踊ってみた”の動画制作を通し、つながりの薄かった人間たちが触れ合い、生きる活気や絆を取り戻してゆく姿を描く。今回FINEBOYSに登場するのは主演の岡山天音さんとヒロインの加藤小夏さん。笑って泣けるストーリーの裏話とともに、ファッション観についてもお話してもらいました。
写真左から岡山天音、加藤小夏
岡山天音と加藤小夏の共通点は”古着好き”
──ふだんはどんなスタイルをすることが多いですか?
岡山天音(以下「岡山」)「昔から古着が好きで、高円寺の古着屋さんに通ってます。行き始めた頃は、柄×柄のコーディネートや派手な色も選んでいたけど、服が好きすぎて何か制限を設けないと永遠にファッションを追い続けちゃいそうな気がして(笑)。なので、今は黒縛りコーディネートを楽しんでます」
加藤小夏(以下「加藤」)「私も古着が好きなんです。お店で端から端まで見て、コレだっていうものを見つけるのが楽しくて。人とかぶらないっていうのも古着の魅力だと思います。スタイリングの基本はシンプルで、その中に個性的なデザインを取り入れてます」
──岡山さんにお伺いしたいのですが、定番のファッションアイテムってありますか?
岡山「キャップですね。黒のものばかりなんですが、よくかぶっています。ブランドのロゴの上から、オリジナルの刺しゅうをするリメイクにもハマっていました」
──それ、ユニークですね!
岡山「自分じゃできないから、やってくれるお店に頼んで施してもらってました。キャップに限らず、オリジナリティのあるアイテムに惹かれるんです。だから古着が好きなんだろうな」
──オンリーワンな着こなしがお好きなんですね。加藤さんは、どんなファッションのメンズがオシャレだと思いますか?
加藤「メンズって、女の子よりもアイテムの幅が少ないじゃないですか。だからこそ、シンプルすぎず、個性を出すのがポイントじゃないかなと思います。テイストでいうと、ストリート系が好きです。意外と組み合わせにコツがいると思うから、その人らしさが服装に出ますよね」
映画『踊ってミタ』ふたりの役どころは?
──続いて、映画のお話に! 過疎化が深刻な春野山町。岡山さん演じる三田が、町長の命令で観光動画を作るところから物語が発展していきますね。
岡山「僕が演じた三田は、何者かになりたくて、上京するも挫折。目指す場所を見失い、地元へ帰って町役場で働いているんですが、自己受容ができずに、再起のタイミングを見計らっている男です。ある日、町長からの指令で地域のPR動画を作ることになるんですが、その中でいろんな登場人物と出会うことになります。彼らもまた、今の自分を受け入れられず、もんもんと暮らしている町民たち。三田を含むそれぞれの人間が、“踊ってみた”をともに作り上げることで変化していくんです」
──三田は、ダメダメな男なんですけど、どこか憎めないところがありますよね。
岡山「僕は三田のダサいところが好きなんです。誰の中にも、小さい三田って存在していると思うんですよ。だからこそ、彼に共感してしまうのかな」
──加藤さんにとっては、この作品が映画での本格女優デビューとなりました! ヒロインの古泉ニナは、加藤さんから見てどんな人物なんでしょう?
加藤「古泉ニナは、元アイドルの女子高生でシングルマザーの家庭に育っています。気が強く見えても、じつは芯がグラグラしていて、強く見せなきゃと思っているタイプ。反抗期中で、意味もなく尖ってしまっている女の子です。でも、昔の私とすごくよく似てるんですよ」
岡山「えっ!ヤバイじゃん(笑)」
加藤「ふふ(笑)。そう、ヤバイんですよ。そういう性格の子だからこそ、かわいがってあげたい気持ちになりました。尖らなくてもいいんだよって思いながら」
──昔の自分を演じるような感覚はありましたか?
加藤「はい。昔の自分と向き合いながら演じているようでした」
──動画作りに参加する町民の、大渋滞した個性も本作を盛り上げていますね! どの人物も「実際にいてほしい!」と思える人たちばかりでしたが、2人がとくに印象的な町民は?
岡山「僕はミネタかな! 最初に台本を読んだときに、これをどうやって立体化するんだろうって思って、すごく楽しみだったんですよ」
加藤「私もミネタです。いかにもなルックスのヤンキー風講師で、ストーリーにアクセント加えてくれてますよね」
──ミネタはモデルの横山真悠さんが演じられていましたが、言動のひとつひとつがおもしろくて目が離せませんでした!
岡山「極端なキャラクターなんですけど、その奥に人間らしさを感じられるから、惹きつけられちゃうんですよね」
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映画はインターネットカルチャーが題材
映画はインターネットカルチャーが題材
──おふたりは本作で2度目の共演となりますが、一緒に芝居をしてみて、改めて感じたことは?
岡山「以前ご一緒した作品と今回の作品とで、加藤さんが演じた役柄が対局なんです。だから、気が強い古泉に扮した加藤さんにびっくりした部分がありますね。そのハマり方が素晴らしくて“加藤さん、どっちなの!?”ってなりました(笑)。古泉は、ちょっと感じが悪い女の子なんですけど、それを体現するための表情や動きが、どれを取ってもどこかで見た記号的なものじゃなくて、加藤さんオリジナルの表現をしているなと感じました」
加藤「それを言うなら、三田の天音さんのハマり方もハンパなかったですよ。私、すごく好きなシーンがあるんです。干し芋を食べる演技(※干し芋は映画の舞台である春野山町の特産物)、あの食べ方は「天音さんにしかできない!」と思いました(笑)。古泉は、三田につねにイライラしてるんですけど、完成した作品を見ると、私には三田がどうしても憎めなくて。それは天音さんならではの役作りだったからだと思います」
──個人的には「自分の力で奇跡を起こしたい」と思っている人たちに観てもらいたい映画だと思いましたが、この作品はどんな人に響くと思いますか?
加藤「私は高校生役を演じているので、とくに学生さんに観てほしいです。SNS世代の方が観たら、さらに共感できる部分が大きいと思います」
岡山「キャストも濃くて、楽しく観てもらえる作品です。”踊ってみた”、”ボカロ”、”Vtuber”という、インターネットカルチャーの世界のバランスがおもしろいのも見どころ。誰が、いつ観てもおもしろいと思えるストーリーなので、世代も置かれている環境も関係なく、みなさんに届けたいです!」
──インターネットカルチャーのお話が上がりましたが、お二人もネット動画などは見るんでしょうか?
加藤「イセノさんという方の動画がお気に入りです。映像に合わせた自作のビートをTwitter上でアップしている方なんですが、映像と音楽の調和が心地よくて」
岡山「僕は、ゲーム実況動画がめっちゃ好き」
加藤「天音さんはゲームが好きなんですか?」
岡山「あ、ゲームはひとつも持ってないです。友達の家でゲームしてるときにコントローラーを独り占めされて、ひたすらプレイを見ている感覚に似てると思う(笑)」
加藤「それおもしろいんですか⁉︎ 全然わかんないです(笑)」
profile
おかやま・あまね/1994年6月17日生まれ。東京都出身。多
公式HP
http://www.humanite.co.jp/actor.html?id=13
イチエフのジャケット2万8000円(ファクトタム ラボ ストア)、マスターキーのカットソー6800円、パンツ1万8000円(ともにティーニー ランチ)、パラブーツのシューズ6万7000円(パラブーツ 青山)、その他スタイリスト私物
profile
かとう・こなつ/1999年6月26日生まれ。東京都出身。2015年にデビュー。フジテレビ「痛快TVスカッとジャパン」
公式HP
https://www.sunmusic.org/profile/kato_konatsu.html
Twritter
@cncnpi
Instagram
@__cnp_
オフィシャルブログ
https://lineblog.me/cnpniku/
衣装はすべてスタイリスト私物
★発売中のFINEBOYS4月号では愛用バッグとその中身を公開中!
©2020「踊ってミタ」製作委員会
スマホひとつで誰もが発信できる時代。東京で映像作家の夢破れた三田は、春野山町役場シティプロモーション課で働いていた。深刻な過疎化、観光資源なし、あるのは名物・干し芋と自然だけ。イケてるクリエイターとはあまりにもかけ離れたド田舎で、三田は現状を認められないまま腐っていた。そんな折、町を活性化しろとの町長・丸山の命令で観光動画を制作することになる。「最高にかっこいい映像作るしかねぇだろ!」しかし意識は高いがセンスはゼロの三田。見かねた同僚の真鍋の提案により踊ってみた動画作成をスタート!だが、期限はたったの2週間。集まった踊り手は、真鍋の妹で金髪ヤンキーのミネタ、盆踊り大好き外国人ダリ、そしてパラパラを踊るお爺ちゃんとその孫のたった4人。さえないメンツに気落ちする三田は、ご当地アイドル星いもco.”の元メンバー・古泉ニナが町にいることを知り加入を迫るが「変態」と罵られ取り付く島もない。まとまらないメンバーに町長の無茶ぶり、町の人にも白い目で見られ制作は難航。それでも、三田の奮闘により完成が近づくなか、町全体を揺るがすネット大炎上事件が起こる。町長は辞職し、なぜか責任を問われた三田はついにブチ切れ、シティプロから逃げ出してしまう。動画制作を真鍋に押し付け“すぐやる課”に異動した三田だったが、偶然シティプロ解体の危機を知る。新町長からの存続の条件は町のイベントで“踊ってみた”を生配信し、1万人同時視聴を達成という到底無理な命令だった…。
出演 : 岡山天音 加藤小夏 武田玲奈 中村優一 横田真悠 ルー大柴 川原瑛都 えんどぅ 西村瑞樹(バイきんぐ) 松浦祐也 ふせえり 早出明弘 森田想 白石優愛 小牧那凪 ゆってぃ 冨樫真 BOB りりり 霜月めあ 大鳥こはく(角元明日香) 山本匠馬 味岡ちえり やついいちろう 有馬和樹(おとぎ話) 中島ひろ子
音楽:40mP 振付:めろちん 配給 : 東映ビデオ
公式Twitter @odottemita_mv
文/渡辺 愛 撮影/田中利幸 スタイリング/岡村 春輝[岡山分] ヘア&メイク/森下奈央子[岡山分]、原田琴実[加藤分]