2025.11.27
【冬のファッション用語】モフモフふわふわしたい
素材が変われば印象は驚くほど変わる。だからこそ、季節の変わり目は〝素材選び〞がコーディネートの鍵になる。そこに季語や四字熟語が重なると、服はほんの少し感情を帯びたように見えてくる。さあ、辞書をめくるように、冬のおしゃれを一緒に読み解こう!

【時を編む】
儚くて、穏やかで、どこか懐かしい。そんな言葉が似合う季節に、ニットのような編み素材はよく合う。細かなハイゲージには静けさを、ローゲージのざっくり感には温もりを。厚みや編み地の違いが、見た目にも気分にも〝時間〞のリズムをあたえてくれる。
素材の厚みと質感でメリハリを
起毛感のあるフランネルシャツにハイゲージのタートルネックニットを重ねて首元から暖かく。ざっくり編まれた赤のニット帽は差し色に。ディーエヌエスアールのシャツ1万2030円(ハナ コリア)、ダックスのニット7万7000円(三共生興ファッションサービス)、パンツ1万2900円(ギャップ)、ニューバランスのシューズ1万9800円(ニューバランスジャパンお客様相談室)、メゾンバースのニットキャップ1万2100円(ジョワイユ)、ネックレス2970円(キュイー)
A【ローゲージ】
ざっくり編まれていて、編み目が大きいニット。カジュアルな雰囲気を出せるため、リラックス感を出したいときにピッタリ。ニットキャップではかわいい印象に。
B【フランネル】
肌触りが柔らかく暖かな毛織物。秋冬の定番素材として人気。衣類以外にも、寝具やインテリアなどに使われている。
C【ハイゲージ】
細かい編み目でなめらかな表情のニット。大人っぽく見えるから、シャツやジャケットに合わせて着るのがおすすめ。落ち着いたキレイめコーデに。
【優しさを纏う】
冬は時間がゆっくり進んでいる感覚になる。でも確実に季節は前へと進んでいる。それは素材のせい。触れるたびに肌だけでなく、気持ちまで優しく包み込んでくる。そんな誰かの心にそっと寄り添う服を着ていると、ちょっとだけ優しい人間になれる気がする。
毛足で魅せて白で抜けを作る
落ち着きのある配色のカーディガンでもモヘア特有のフサフサ感でしっかり個性を主張。白Tとシルバーアクセサリーを合わせて清潔感のある印象に。ウィザードのカーディガン3万9600円(ティーニー ランチ)、リメールのTシャツ4950円(リメール ストア)、リング8800円(グラミー)、アンプリスパールのネックレス8250円(アンプリス ショップ)
D【モヘア】
アンゴラヤギの毛を使ったふんわり素材。軽くて保温性も高い。毛足が長くフサフサ。セーターやカーディガンによく使われる。
異素材同士なら同系色を選んで統一感を
ファーの帽子は存在感がある分、首元で〝余白〞を作ろう。スエード素材のジャケットも、黒チェックシャツを中に着ればメリハリが出て素材が生きる。ジャーナルスタンダードのジャケット6万3800円(ジャーナル スタンダード 玉川店)、キャスパージョンのシャツ5940円(シアン PR)、カンゴールのハット1万2100円(カンゴール ヘッドウェア)
E【ファー】
毛足の長い素材。保温性が高く、見た目にもリッチで冬の主役感あり。部分使いでも存在感抜群。
F【スエード】
革の裏面を起毛させた素材。マットな質感と上品な手触りが特徴。ジャケットや靴で取り入れると季節感が出る。
【天気に応える】
空が澄んでいる日は風が心地いい。そんな冬の気配を服の機能で受け止める。空模様を見て軽量素材や保温性のあるものを選べば、気分も不思議と晴れてくる。今日はどんな風が吹きそうか? ちょっとした問いかけが、コーディネートのヒントになってくれるはずだ。
ジャケットは閉めずパンツで締める
光沢感のある深緑のダウンジャケットに、千鳥格子のツイードパンツを合わせた寒い時季の本命素材コンビ。ダウンでしっかり防寒しつつ、前はすべて閉めず、裾のボタンを外すして着膨れを防止。生地がしっかりとしたパンツなので、クラシックな要素も追加でき、トレンド感ある着こなしができるのもうれしい。クルニのジャケット11万円(クルニ フラッグシップ ストア)、ヤーモザユニフォームのパンツ1万8700円(グラストンベリーショールーム)
G【ダウン】
水鳥の羽根と、羽根の間に生えている丸い球状になった綿毛のこと。抜群の保温性と軽さで、冬の最強防寒着。
H【ツイード】
短い羊毛で作られる「紡毛織物」の一種。ネップ(小さな色糸のかたまり)が入り、英国調のクラシックな着こなしと相性抜群。
温度もテンションもちょうどよく調整
キルト素材のジャケットは、インナーを薄手にしても、温もりが保てて頼れる。ロゴTをのぞかせて抜けを作り、小花柄のフリースパンツを合わせて、暖かさとかわいらし さを両立させよう。ビッグマイクのジャケット1万9580円(ベースメード)、ディーエヌエスアールのTシャツ6920円、エックスオーエックスオーグッドボーイのパンツ2万5800円(ともにハナ コリア)、ニューバランスのシューズ1万4960円(ニューバランスジャパンお客様相談室)
I【キルト】
羊毛や綿を布で挟んでステッチしたもの。軽いのに暖かく、表面の縫い目がデザインになる。ブルゾンやベストで人気。
J【フリース】
ポリエステルを起毛させた素材。軽量で速乾性が高く、アウトドアから普段着まで幅広く活躍。洗いやすさもポイント。
【感情を閉じ込める】
重厚感のある素材は、内に秘めた強さや想いがじんわりと滲み出る。そんな〝意志〞のある服は、軽い気持ちでは着られないからこそ、似合うのは芯のある人。この厚みや重さを、ただの防寒着にするのではなく、今の自分と向き合うために纏いたい。
柄は共存できるその条件は〝トーン〞
厚手のジャケットでも軽やかに見えるのは、シャツのストライプが効いているから。1枚挟むだけで平坦にならない。柄と素材が喧嘩しないのも同系色でまとめて統一感を出しているから。そこにメガネを追加して、知的さもプラスしよう。ジャケット3万5000円(バナナ・リパブリック)、シャツ2万7500円(カネマサフィル)、カリンのメガネ2万8380円(WTS ルーム)
K【メルトン】
ウールを縮絨(しゅくじゅう)させた厚手素材。しっかりした重厚な見た目で風を通さず型くずれしにくい。ピーコートやダッフルコー トに多用される。
重厚素材は抜け感を作ろう
レザーの強さはロゴスウェットを仕込んで中和。ほどよい主張はありつつ、かっちり感を調整してくれるので、重さを感じさせない着こなしができる。フィデリティのジャケット7万9200円(サンマリノ)、チャンピオンのスウェット2万9700円(ヘインズブランズ ジャパン カスタマーセンター)
L【レザー】
耐久性があり風を通さない。ライダーズやブルゾンなど、男らしいアイテムの定番。経年変化で味が出るのも魅力。
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●撮影/瀬田秀行 スタイリング/深澤勇太 ヘア&メイク/寺澤はるか(CONTINUE) モデル/今井竜太郎





































