2025.10.31
ウチの大学のスゴい人。〜僕がココにいる理由〜専修大学の原田周大くん
今回紹介するウチの大学のスゴい人は、専修大学 法学部4年の原田周大くん。原田くんは、学業と部活を見事に両立! アマチュアボクシングでパリ五輪に出場した人。そんな原田くんに、大学のことや将来のことを聞いてみた。

愛を武器に戦い続ける未来のメダリスト!
── 今日は撮影用に自前のグローブを持ってきてくれたんだよね。
「はい! オリンピック挑戦前のメキシコ合宿で、餞別としていただいたものです。といっても、プロ用のグローブなので実際に試合で使うためのものではなくって。お守り的な感じです」
── 想いの詰まったグローブとともに挑んだパリ五輪。リングに立ったときってどんな気持ちだった?
「リングに上がる前はけっこう緊張していました。やっぱりリングってピリピリしているものだし、オリンピックだから国同士の応援合戦みたいになるんじゃないかなと思って。でも、意外にもあたたかい雰囲気だったんですよね。お客さんは純粋に試合を楽しもうとしている感じで。だから、想像よりもやりやすかったし楽しんで臨めました」
── 原田くんはオリンピアンであり大学生でもあるわけだけど、学業とボクシングの両立って大変じゃない? 普段はどんな一日を過ごしてるの?
「たいていは朝起きたらまず生田キャンパスで練習。その後神田キャンパスで授業を受けて、夕方から所属するジムでまた練習という感じ。なかなかハードです(笑)。でも、妥協せずにやりきりたいんです。コンディションがどうあれ、完遂するほうがカッコいいじゃないですか! あんまり後先とか効率みたいなことは考えずに、目の前のことを全力でやることが強くなる秘訣かなって」
── モチベーションってどう維持してるの?
「まず、〝勝ち”の瞬間をイメージするんです。たとえば、オリンピックのリングで勝ちの判定が出て自分が手を上げている、めちゃくちゃ感動している、みたいなところまで具体的に想像するんです。そのエモさが、やる気になるんですよね。あと、実際に試合で勝ったときも、それまでの苦労があるほど感動しちゃいますね(笑)。こうやって自分の物語を積み上げていく感じがいいなって思っています」

── そんな原田くんにも挫折ってあったりするの?
「一昨年、世界選手権の初戦敗退はまさに挫折でした。自信を一気に失くして、もうボロボロ泣いちゃって(笑)。でもその後、一緒に戦っていた岡澤セオン先輩とウズベキスタンへ合宿に行ったんです。そこがまさに〝ボクシング村”って感じの場所で。現地の人たちの練習量とか取り組む姿勢とかを目の当たりにして、自分はまだまだ全然甘かったんだなって気づくことができたんです。その後に杭州アジア競技大会で準優勝してパリ五輪の内定を貰えたので、挫折でもありターニングポイントでもあったんだなって今は思います」
── 苦境をバネにできたんだね。大変なとき支えになったものってある?
「やっぱり応援してくれる方々です。とくに、地元の友人はかなり大きな存在だなって思います。僕が大事な試合で負けたとき、地元の福岡から車を飛ばして来て“今日はボクシングを忘れて遊ぼうぜ!”みたいに励ましてくれたことがあって。パリでも、友達から貰った手紙は肌身離さず持ち歩いてました。それと、スポンサーさんやOBのみなさん、大学からのサポートもやっぱり大きいですね。僕が1年生の頃なんてコロナ禍だったし、まったく有名な選手じゃなかったのに、当時から練習に打ち込める環境をいろんな角度から整えてくれて。本当に深い愛を感じますよね(笑)。僕がココにいる理由は、まさにそんなみんなからの“愛”かなって思います」

◆専修大学◆
1880年、日本で初めて経済と法律を日本語で学べる学校として誕生した名門私大。ボクシング部の歴史も古く、OBには元WBC世界バンタム級王者“神の左”山中慎介がいる
●文/山下皓平 撮影/秋山枝穂
 
 
 
  
  
  
 
 
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
 





































