2019.04.09
「知っておかないとマズイ、リアル就活事情」 Vol.2大手総合商社に内定したS・Sさんの場合
楽しい大学生活はあっという間に過ぎ、気づけばもう就活。”ヤバイ! 何もしていない!”なんて焦っている人や、”何から手を付ければいいのかわからない”なんて人も多いはず。そんな人のために、ここでは就活を終えた先輩たちがどのようにして内定を手に入れたのか、1問1答形式で詳しくご紹介!
大手総合商社に内定した
S・Sさん
まずは基本情報をチェック!
●大学・学部
慶應義塾大学 環境情報学部
●志望業界
商社、銀行、メーカー
●エントリーした企業数
約13社
●6月1日時点で選考を受けられた企業数
11社
●内定をもらった企業数
1社
●就活を始めた時期
3年生の12月末
●学生時代に力を入れて取り組んだこと
ラグビー部での部活動
●アルバイト
なし
●ゼミ
所属あり
●留学経験
なし
●資格など
なし
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早速、1問1答スタート!
Q.企業選びの基準を教えてください!
A.多くの人を巻き込む
自分の今やっていることに誇りを持てる
「大学入る前に、海外旅行をかねて父親の仕事を見に行ったんです。そのとき父は国と国を繋げる大規模なプロジェクトに携わっていて、父の元でたくさんの人が仕事をしていて大きな事業が進んでいる姿を見たのが前者の基準のきっかけです。後者は僕位の性格上、自分が納得しないことはしたくないなというのがあったので、仕事に誇りを持てることがしたいなと思っていました」
Q.内定先を選んだ理由は?
A.この会社で働いている人たちに魅力を感じていたから
「OB訪問をたくさんしていて、自分のやりたいことと企業があっているのか判断した上で、そこで働いている先輩社員の働く姿勢に感動したからです。一番印象に残っているのが、”〇〇会社のあなたと取引がしたい”ではなく、”あなただから〇〇会社と取引がしたい”という存在になれるチャンスがたくさんある。という言葉に感銘を受けました。僕自身も自己分析を繰り返した結果、組織の中の自分を見られるよりも自分という存在を認めてもらえる仕事がしたいと思っていたので、この人の一言が決め手になりました」
Q.面接で1番聞かれたことは?
A.組織の中の自分のあり方を教えてください
「例えば、”高校時代の部活はあまり強い方ではなかったけれど、僕は県の選抜選手に選ばれるエースとして活躍してきました。大学に入学して、優秀な選手が集まる名門と言われるチームで君はどうやってコミットしていくの”と聞かれました。僕は大学入学時はチームの6軍にいてその経験を答えました。自分の経験と結びつけてその質問に答えられると面接官にも高ポイントだと思います」
Q.面接で1番難しかった質問は?
A.どんなビジョンを持っているのか
「僕は”大規模なプロジェクトの中心になって、たくさんの人たちを動かしていきたい”と最初に答えたのですが、”実際に1〜2年目ではそんな大きなプロジェクトはできない。その中でどのような価値をあたえていくの?”と聞かれ返答に困ってしまいましたね(笑)。大きな目標を持つのは大事ですが、その目標達成のために、入社後の自分が何をすべきか考えておくといいと思います」
Q.OB訪問とインターンはどっちが大切?
A.リアルを知ることができるのはOB訪問!
「説明会やインターンってその企業をキレイに見せているものが多い気がしていて、僕はあまり参加しなかったんです。それよりもOB訪問の方が企業の内部から知ることができるし、実際に働いている人の声を聞くことができるのでちゃんと企業の理解ができると思いますよ」
Q.OB訪問の準備ってどうすればいい?
A.企業の下調べと自己分析
「OB訪問とはいえ、自分のいきたい企業の人です。その人からの評価は人事の耳にも入っています。そこでのアピールがとても大切になってきますよね。なので充実した時間にするためにも論理的な質問をすることを心がけて僕は準備をしていました。そのために企業研究や自己分析をしっかりと行い、どんな事業があるのか、そこでどういう質問をするのがベターなのかをしっかりと準備することが大切だと思います」
Q.これだけはやっておいたほうがいい! ということは?
A.自己分析と企業研究
「就職活動を終えて感じたことは、この2つをどれだけ詰めることができるかだと思います。僕はこれをどれだけやっても不安でした。小さなことから自分に”なぜ?”と問いかけて進めていきました」
「これは実際に僕がやっていた自己分析の一つの方法なんですけど、暇さえあれば裏紙とかを使ってこのように自己分析を整理していました。これはちょっとキレイに書いてあるものなんですけど、箇条書きや1問1答のようにしたものでもいいと思います。一度やった自己分析を頭の中で復唱して叩き込むのが苦手だったので、僕は毎回書き出して、手帳に挟んでいつでも見返せるようにしていました」
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ここでSさんの就活スケジュールを紹介!
●12月
部活の先輩とご飯に行って就活の厳しさを知り、始める。
「部活のことしか考えていなかったのですが、たまたま商社に内定していた先輩から”SPIめっちゃ苦労するぞ”って言われて危機感を持ち、自己分析を始めました」
●1月
ひたすらに自己分析。
「とにかく自己分析をしていました。最初は自己分析のやり方もわからなかったので、”絶対内定”(ダイヤモンド社 杉村 太郎 著/熊谷 智宏 著)という本を買って自己分析のやり方を学びました。あとはワンキャリというサイトに乗っているOBのESを見て、なんとなくですが自己分析の結果をどのように書くかやどんなことを面接とかで話そうか考えていました」
●2月
OB訪問とSPIの勉強
「部活の先輩をはじめ、10人ほどの話を聞きに行きました。この時点では業界はあまり関係なくいろんな業界の話を聞くようにしていました。また商社のSPIはかなり高得点を取らないといけないと聞いていたので、ひたすらに叩き込みました。」
●3月
テストセンターでSPIを受ける。説明会に参加。ESの添削
「説明会には数社しか行かなかった分、ESの添削に時間を当てました。締め切りも早かったこともあり、この時期には自己分析と企業研究はほぼ完成していたので、あとはどうやったら人事の人に伝わるのか、友達や先輩に見せて添削してもらっていました」
●4月
ES、SPIの結果待ち。その間にひたすらOB訪問
「結果を待ちつつ、志望企業のOB訪問に時間を費やしました。事業のことを聞いたりして面接で役に立つ情報をとにかく集めていました。それと同時に、自分が志望する企業がどんな雰囲気なのかを知って自分の中でどこの企業、部署にいきたいのか整理をしていました」
●5月
引き続きOB訪問。面接練習
「5月はある程度落ち着いてきたので、OB訪問を続けつつ面接の練習をしていました。比較的自由な時間も多かったので息抜きもしつつ、部活にもちゃんと参加できました」
●6月
面接スタート! そして3日で内定をもらう
「この時点でESが通過して面接に進める企業が11社。1日に3社、2日に2社ほどとがっつり詰めていました。第一志望の企業の選考が進み、2日、3日と面接が続いて内定をいただくことができました。なのでそれ以降に入っていた面接は辞退するという形になりました」
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先輩のスケジュール管理法をご紹介!
こちらが実際に使っていたスケジュール手帳!
●スケジュール管理のコツは?
・ESの締め切りは友達とも共有
・1カ月の流れをしっかりと把握すること
「ESの締め切りにはどんな就活生も悩まされるものだと思います。たくさんエントリーする分、量も増えるし日程も被ってきます。自分で予定を立てていても忘れることもあるので、僕は友達と共有していました(笑)。"明後日、〇〇商社の締め切りだけどやった?”みたいな日常会話の中で確認をしていましたね。あとは1カ月の流れをしっかりと把握すること。どこに何の予定が入っているのかを1カ月全体で把握することで、自分がいつまでに何をしておくべきなのかというのがわかりやすかったです。僕は手帳に加えて、家の壁にホワイトボードでできた1カ月分のカレンダーを貼り付けて、いつでも目に見えるところに予定を書いていました(笑)。ホワイトボードなら消すのも簡単なのでオススメです」
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まだまだ続く、本音の1問1答!
Q.就活で1番つらかったことは?
A.ついついまわりと自分を比較してしまったこと
「ES、面接において通過した人がいれば、落ちた人もいます。就活をしているとみんなどうしても不安で、まわりに結果がきたのか気になって話してしまうんですよね。自分に結果が出ていないときにそういう話をするとどうしても比較してしまうし、余計に焦って不安が募るだけでマイナス効果でしかなかったです。でも友達とのコミュニケーションだし、難しいことだとは思うんですけどできることならそういう話はしないほうが身のためですね(笑)」
Q.不採用の通知を受けたときの気持ちの切り替え方法は?
A.企業が人を選ぶセンスがなかったんだと思うようにしていました
「2社落ちたときはもちろん行きたいな、悔しいなって思いました。でも自分にコミットしていない会社にたとえ入ったとしても、結局はうまくいかないと思うので、”早い段階で教えてくれてありがとうございます”という気持ちで臨んでいました(笑)」
Q.就活をしていく中で大切だと思うことは何ですか?
A.当たり前ですが自己分析、企業研究とOB訪問
「僕の就職活動においてこの3つがなければ今の僕はなかったと言っても過言ではないです。自己分析や企業研究はESや面接で絶対に必要になります。大丈夫だろうと思って軽く見ていると大怪我します。難しい質問をされたときに、パッと出てくるかどうかっていうのは自己分析、企業研究の理解度の高さだと思います。論理的な質疑応答が身につくので、辛いなと思うこともありましたがよかったです。そして企業を本当に近いするためにはOB訪問をオススメします。説明会では聞けないことを社員の方から教えていただけるし、仕事内容はもちろん、どんな雰囲気でどんな人と仕事をしているのかといったリアルな面が見えてきます。自分が入社したあとのビジョンも作りやすいし、入社してからのギャップも少なくなるので絶対にやったほうがいいと思います」