2020.04.14
「知っておかないとマズイ、リアル就活事情」市立小学校に勤務する、社会人3年目の先輩に聞いた企業選びの答え合わせ!PART7
今回の「知っておかないとマズイ、リアル就活事情」では社会人3年目を迎える先輩たちが現在どのように働いているのか、学生時代の会社選びは正しかったのかどうかをインタビュー! 今回は、小学校の先生(公務員)にインタビューを敢行。堅実なイメージの公務員にも、じつはブラックな一面もある様子。知っているようで意外と知られていない、教員のリアルをここで大公開! これから就活を始める2021年卒、2022年卒の学生はもちろん、就職したばかりの社会人1年目の人も必見!
市立小学校教員 3年目
T・Kさん
まずは基本情報をチェック!
●通勤時間
車で約30分
●帰宅時間
20時ごろ
●休日の過ごし方
野球・釣り
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T・Kさんの会社選びは正しかったのか!?
Q.社会人になって2年が経ちますが、会社選びは正しかったと思いますか?
A.大変なことはたくさんあるけれど、間違ってはいない
「思っていた先生という仕事とは違う部分もありましたが、間違ってはいなかったと思います。小学校の先生は、子供と触れ合えて楽しそうなイメージもありますが、じつは大変なこともたくさんあるんです。その苦労ゆえに、大学の同期やまわりの人がやめていくことも多々ありました。1年目のときは、うまくいかないことも多く、大変だと感じることも多かったですが、続けることでこの仕事を選んでよかったなと思うことが増えてきたんです。今では自分が教えたことで子供たちが成長する姿や笑顔を見ることにやりがいを感じていますし、先生という仕事を選んでよかったと思っています」
正しかったと感じるポイントはこの3つ!
・理想と現実のギャップが少なかった
・福利厚生が整っている
・やりがいを感じるられるから
親の背中をみて、大変さを理解していた
「私の両親が教員をしていたこともあり、仕事に対してのギャップが少なかったのが1つの要因だと思います。理想と現実のギャップは、一般企業同様に先生という職業にもあるんです。小学校の先生って、楽しい授業をしたり休み時間に遊んだりというイメージを持つ人も多いと思います。ですが、現実は厳しいこともたくさんあって。残業は当たり前ですし、残業代も出ません。それに子供とは言え、人間と人間の仕事なので相性の良し悪しがあったりするんです。そのせいで、いわゆる学級崩壊のような状態に陥る場合もあります。それに、保護者とのやりとりもストレスになったりするんです。いわゆるモンスターペアレントのような方を相手にすることもありますし、保護者との相性が悪かったりすると大変ですね。そういった理想とかけ離れた部分に耐えられず、仕事を辞めた同期や先輩もたくさんいました。やはり、公務員も一般企業も入社前と入社後のギャップをいかに少なくするかが大切だと思いますよ」
週休二日、育休・産休・住宅手当など
公務員ならではの充実した福利厚生
「残業代が出ないこと以外は、公務員なだけあってかなりホワイトだと思います。それに小学校の先生は部活動がないので、土日祝日は必ず休めますし、夏休みもしっかりとあります。長期休業をうまく使えば、海外旅行も普通にいくことができます。育休や産休もしっかり取れるので、女性も安心して働ける環境だと思います。それに1人暮らしをするというときは、上限はありますが家賃補助も出るんですよ。大変なことも多いですが、充実した福利厚生は先生をはじめ、公務員ならではだと思います」
「できないことができるようになる」
子供たちの成長にやりがいがある
「間違っていないと考えるのは、単純にやりがいを感じているからです。小学校の教員は、1年目から自分のクラスを持ちます。もちろん大変なこともありますけど、自分なりに試行錯誤しながら、授業をしたりクラスをまとめることにやりがいを感じていました。そして何よりも、自分の授業や教育方法で生徒の成長が見られたときが一番うれしいです。自分のやってきたことが間違いではなかったなと思いますし、その子の成長に少しでも力になれることがすごくうれしいんです。小学生だからこそ、成長の幅が大きいんです。その過程に寄り添えるって素敵なことだし、今とてもやりがいを感じています」
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社会人になって3年目を迎えた今の思いを告白!
じつはブラックな部分も多い?
意外と知らない教員のリアルを聞いてみた!
Q残業って実際何時間くらいするの?
A.「正直、無限にできます(笑)。一般企業でいう、”この資料を作れば終わり”みたいな明確な1日のゴールがなくて。先生は授業を作るのが仕事なのですが、その授業に正解ってないんですよね。”いかにいい授業を作るか”と追求すると正直、24時間あっても足りないくらいです。しかも1日に5時限〜6時限分の授業があり、それぞれ考えなければなりません。それ以外にも教室掲示や採点など事務的なことがたくさんあります。なので生徒のことを考えれば考えるほど、残業ってできちゃうんです(笑)」
Q公務員は安定しているイメージだけど実際はどうなの?
A.「安定=お金があるという考えをするならば、安定はしていないと思います。いくら残業をしてもその残業代はでませんから(笑)。そういった面ではかなりブラックだと思いますよ。それに若手のうちは正直、一般企業の友人よりももらっていないなと感じるのが現実です。ですが歳を重ねれば給料は上がっていきますし、今の給料でも十分生活できて、福利厚生もしっかりしています。それに倒産などの影響は受けないので、長期的見ればイメージ通り安定していると思いますよ」
Q教員という職業を選んでいいなと思ったことは?
A.「あくまで私の場合ですが、自分の成績を考えなくていいことです。一般企業だと数字や業績など、自分の生み出した利益が明確に求められますが、小学校の先生にはそれがありません。自分のことよりも、どれだけ子供たちのことを真剣に考えて行動できるかということが重要なんです。業績を気にしないので、それを言い訳にサボるのはよくないですけどね。一般企業にありがちなプレッシャーみたいなものがないので、のびのびできるのがいい点だと思います」
Q職場の雰囲気はいい?
A.「私の職場はいい人ばかりで恵まれているなと思います。仕事終わりに飲みにいったりご飯を一緒に食べることもあるので。ですが、教員は自分が務める学校を選ぶことができないので、職場の雰囲気はほとんど運ですね(笑)。一般企業と違って、複数の会社から内定をもらうことができません。なのでA社よりもB社の方が、いい人がたくさんいて頑張れそう。だからB社にいきます! みたいなことができないんですね。それに配属される地域や学校によって治安も変わってくるので、”いい学校”に当たるかわからないんです。職場の人間関係がよくなくて異動を希望したり、辞めてしまう人もよくいます」
Q3年目を迎えますが、つまづくことってある?
A.「授業がうまく進まないことですね。これはほぼ毎日悩んでいます(笑)。子供って正直なので、楽しいこともつまらないこともすぐに顔に出るんです。1限目の国語はすごく楽しそうだったけど、2限目の算数の時間はまったく興味ないなっていうのがビリビリ伝わるんです。興味がないということは、授業がヘタとストレートに言われているようなものなので辛いですよ(笑)。これはベテランの人でも悩んでいることなので、先生の永遠の課題ですね」
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社会人になった”今”、就活を振り返って思うこととは?
今だから思う、正しい就活をするポイントって?
●OB訪問をしっかりとして、
理想と現実のギャップをなくすこと
「私は公務員なので一般企業の就活とはちょっと違うのですが、理想と現実のギャップをなくすことは共通する部分だと思います。やはり先生という仕事も見えない部分で大変なことが多いんです。教育実習で一ヶ月ほど実際に授業をしたりしますが、裏側を見ることはないんですね。実習中だと、生徒同士の喧嘩や保護者と揉めたりという問題が起きたときは担任の先生が対応してしまうんです。その対応がじつは一番大変なんですよね。それに実習中は残業もないですし、イヤな部分が見えてこないんです。だから、実際に自分が問題に直面したとき、対応がうまくできず落ち込んだり悩んで辞めてしまう人もいるんです。なので、そういった見えない部分の情報を得ることが大切だと思うんですよね。高校・大学の先輩でもいいですし、お世話になった先生に話を聞いたりすること、就活でいうOB訪問をすることで自分が本当にこの職業でいいのかということがわかると思うんです。教員だろうが、一般企業であろうが、自分がこれからどのような職業でどのように働くかを知ることが大事だと思いますよ」