2019.07.22
ハタチの経済学 vol.15前編株主優待で投資を楽しむ!
お金のことって難しいし、知りたいと思っても周りの人に聞きづらい……。それならプロに聞くのが一番!
身近なお金の仕組みや疑問について、平成生まれのお金の専門家・楓先生に1から教えてもらう人気連載「ハタチの経済学」。株を持っている人へのサービスともいえる「株主優待」って、知ってますか?
【賢く利用したくなる株主優待のいろは】前編
株主だけが受けられる
特別なサービス!
ただ株を持っているだけで貰うことができるのは、前回お話しした配当金だけではありません! 今回は「株主優待」についてのお話です。
株を持っている会社がメーカーであればその商品、飲食業であればその食事券など、株を持っていることでお金以外のものを貰うことができるのが「株主優待」。「うちの会社の株を持っていてくれてありがとう」という、企業側から株主へのお礼品のようなものです。株主優待を受ける方法は、前回の記事で説明した配当を貰う仕組みとほぼ同じです。株主優待がある会社の株を買うこと、そして株主優待の権利の確定日にその株を持っていることが条件。
具体的にどんな株主優待があるのかというと、ホントーにさまざまです! 読者のみなさんもよく行くであろうマクドナルドの株を買えばマックのクーポン、テーマパーク運営のオリエンタルランドの株を買えばディズニーランド・ディズニーシーのパスポート、ANA(全日空)の株を買えば飛行機代が50%割引に……と、自社のサービスや商品を利用できるようになるものはもちろん、どこのお店でも使えるクオカードや自社の商品券・カードなどが手に入る場合もあります。
株主優待を受けるのに
注意するべき点
株主優待目当てに株を買うといっても、いくつか知っておかなければならないこともあります。
まずは、権利の確定日に株を持っているのはもちろん、株主優待を貰うためにはある程度の株数を持っている必要があるということ。ただその会社の株を持っているというだけでは、株主優待は貰えないことがほとんどです。たとえば1000株必要なのであれば、それを買うだけの資金も必要となります。優待が欲しくて株を買ったけど、じつは株数が足りなかったなんてことにならないように注意しましょうね。
また、権利確定日付近はみんな駆け込みで優待目当てに株を買おうとするため、株価が上がってしまうこともよくあります。お目当ての株主優待があるのであれば、なるべく早く買っておくというのも損をしないためのポイントです。さらには、残念ながらさきほど例に挙げたような有名な会社ほど、1株10万円単位は当たり前というほど株単価が高かったりするので、資金をよっぽど潤沢に用意していなければ、優待が欲しくても株自体買えない、なんてこともあります。
〈vol.15 後編に続く〉
プロフィール/よこかわ・かえで。明治大学法学部卒業後、同大学院へ進学、24歳で経営学修士(MBA)を取得。 地下アイドルという異色の経験を持ち、現在はとくに若い世代やお金のことをあまり知らない世代へお金の知識の啓蒙を行い、唯一のミレニアル世代のお金の専門家/経済評論家として活動中。「お金のことを誰よりも等身大の目線でわかりやすく」がモットー。初の著書となる「ミレニアル世代のお金のリアル」(フォレスト出版)が好評発売中。
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撮影/榎本洋輔