2021.08.06
ある夏の日、伊藤万理華と。
公開中の映画『サマーフィルムにのって』は、時代劇オタクの高校生が仲間を集めて映画作りに奮闘する青春ムービー。主人公”ハダシ”を演じる伊藤万理華は、演技だけでなくクリエイティブの面でも、劇中の主人公と同じように”好き”を突き詰め活動している。そんな彼女のことがもっと知りたくて、夏の日差しが降り注ぐある日、インタビューを敢行。ファッションについてはもちろん、”好き”の原動力について映画を絡めて語ってもらいました。
伊藤万理華が読者にファッションアドバイス!
──伊藤さんといえばファッションというイメージあります。読者にオシャレのアドバイスをするなら?
「ファンの方からも、”ファッションってどうやって楽しめばいいの?”という質問をよくいただきます。今ってSNSがあるから、余計に周囲の目が気になったりしますよね。でも、そういうことを考えず自分なりに楽しんでほしいです。例えば骨格や肌の色で似合うか似合わないかを決める方法があるけれど、服って本来は何にも制限されていないし、ルールなんてないと思うんです」
──なるほど。まわりの反応が気になって、”定番””無難”という守りに入ってしまうことが読者にも多い気がします。とくに女子ウケは気になりがち。
「女子ウケか〜! 難しいですね。あえて言うなら、服にこだわりが感じられたら“おっ”となります。シンプルな白Tシャツにデニムパンツのコーディネートでも、それがずっと着ているお気に入りなら、服を大切にしているのが伝わってきてイイなって。私も高校生の頃に貰った母のお下がりを未だに着ています。これは女子ウケに関係なく言えることだけど、長く着られるものを取り入れるといいかもしれません。しっかりした作りのイイ服と古着を合わせても、バランスが取れて素敵だし。私も普段からそうやってコーディネートを組んでいます」
映画『サマーフィルムにのって』で伝えたいメッセージ
──主演を務めた映画『サマーフィルムにのって』が8月6日(金)に公開されました。伊藤さんは時代劇オタクの女子高生”ハダシ”を演じています。
「2年前ほど前から、監督の松本さんと脚本の三浦さんから映画のお話は聞いていました。なので主演のお話を改めていただいたときは、嬉しくもあり”私にできるだろうか”という不安もありました。時代劇オタクとしての振る舞いはもちろん、未経験だった殺陣はすごく練習して。劇中ではハダシも”ハダシ組”を始めとするまわりの仲間に支えられて映画を完成させますが、私自身もキャストのみんなに支えられて”ハダシ”を演じ切ることができました」
──新型コロナウイルスの影響で撮影が一度中断されたそうですね。
「再開できるのか、先が読めず不安でした。でも、その状況が偶然にも作品の内容とリンクしたんです。劇中でハダシは、未来に映画がなくなると知って、製作途中の作品を完成させるべきか、させないべきかの選択を迫られるんです。なので撮影を再開できたときは、絶対に未来に残る作品にしたいという気持ちが強くなりました。この『サマーフィルムにのって』という作品と劇中の作品、どちらも未来に繋がるものにしなきゃって」
──お気に入りのシーンを挙げるなら?
「ハダシ組のそれぞれのキャラクターが見える瞬間です。とくに、顔合わせ初日の役割り決めでドタバタしているところ。かわいくて愛おしい! あとは部室で映画の編集をしているシーンとか……。もうこの映画の全部のシーンがお気に入りなんですけど、ハダシ組がみんなで集まっているところが特別に好きです。みんなのことが本当に大好きです」
──未来から来た武士役の凛太朗を始め、照明係のヤンキーや録音係の野球部コンビなど、ハダシ組は個性豊かで愛すべきキャラクターが揃っていますよね。
「もともと映画が好きだったわけじゃない人たちが、それぞれの”好き”をきっかけに結束して、いつの間にか映画製作に夢中になっていく。そういう好きの衝動って、学生の頃に現れ始める気がするんです。それをきっかけに夢へとつながることだってあると思う。劇中の彼らだって、ハダシ組での経験をきっかけに映画製作の道を志すかもしれない。この作品を観ることによってその衝動を体験できるし、過去にそういう経験がある人は、当時の気持ちを思い出せると思います」
──では最後に、読者にメッセージをお願いします!
「この作品は映画作りに夢中な高校生の話ですが、映画に限らず、それぞれが持つ”好き”という気持ちが大きな原動力になり得る、ということがこの映画を通して伝わると思います。”これを好きなのって恥ずかしいことなんじゃ……”と不安になることもあると思うけど、その”好き”って気持ちは、自分の将来につながるもの。あなたにとっての未来への投資で、将来の道を決める材料になると思います。『サマーフィルムにのって』を観て、自分の”好き”は特別なんだということに気づいてほしいです。今好きなものがないって人は、何かに対してちょっとでもときめいたら、その気持ちを大事にしてください!」
Profile
いとう・まりか。1996年2月20日生まれ。大阪府出身。乃木坂46を卒業後、俳優やアーティストとして活躍。8月6日(金)公開の主演映画『サマーフィルムにのって』では時代劇オタクの女子高生を熱演。現在は地上波連続ドラマで初主演の「お耳に合いましたら。」(テレビ東京系毎週木曜24:30〜)が放送中。過去の展覧会の作品等のアーカイブ、メイキングなどが見られるサイト「脳内博覧会PLAYLIST」が今夏オープン。
Instagram
@marikaito_official
脳内博覧会PLAYLIST
marikaito-playlist.com
映画『サマーフィルムにのって』
新宿武蔵野館ほか、全国公開中
STORY勝新を敬愛する高校3年生のハダシ。
キラキラ恋愛映画ばかりの映画部では、撮りたい時代劇を作れずにくすぶっていた。
そんなある日、彼女の前に現れたのは武士役にぴったりな凛太郎。
すぐさま個性豊かな仲間を集め出したハダシは、
「打倒ラブコメ!」を掲げ文化祭でのゲリラ上映を目指すことに。
青春全てをかけた映画作りの中で、ハダシは凛太郎へほのかな恋心を抱き始めるが、
彼には未来からやってきたタイムトラベラーだという秘密があった──。
撮影/杉江拓哉 スタイリング/神田百実 ヘア&メイク/高橋稚奈