2019.11.11
ハタチの経済学 vol.18後編円はもうダメ⁉外貨預金のメリットデメリット
お金のことって難しいし、知りたいと思っても周りの人に聞きづらい……。それならプロに聞くのが一番!
身近なお金の仕組みや疑問について、平成生まれのお金の専門家・楓先生に1から教えてもらう人気連載「ハタチの経済学」。外国のお金を預けたり引き出したりして儲けを出す「外貨預金」、安易に手を出す前にメリットとデメリットを知っておこう!
【外貨預金の基本とメリットデメリット】後編
考慮すべきリスクも
当然ありますよ
前回お話ししたように、円高と円安を考えながら外貨を出し入れするのが外貨預金の運用の仕組み。株と同じで「今預ける! 今引き出す!」とタイミングが重要になってきます。基本的には預けてすぐ引き出すものではないのですが、せっかくお金を増やしたくて預けておいたのに引き出したらめっちゃ減っていた……なんてことになったらショックですよね。
外貨預金にはそういった「元本割れ」のリスクがあります。ここが日本円の預金との違いのひとつです。また、これは日本円を引き出すときにもかかることがあるものですが、外貨を日本円で払い戻すときには為替手数料というものがかかります。銀行によって異なり、預入れに手数料が発生する場合も。利益が出ていなくてもこの手数料は必ずかかる、というのが悲しいところです。
さらに、日本円であれば、お金を預けていた銀行が倒産したりしても、1千万円とその利息分は返還が保障されるのですが、外貨預金は保障の対象外。そんな話めったに無いことですが、万が一外貨預金をたくさん預けていた銀行が無くなってしまったら怖いですよね。しかも、それに加えて外貨預金には税金も絡んできます。そう、意外とデメリットが多く、結構ハードルが高いのです。
自分に合っていれば
メリットだってあります!
ただ、メリットも当然あります! 以前株式投資の記事でもお話ししましたが、今は日本の銀行に預けていても金利はほとんどつきません。しかし、外国預金は日本より金利がかなり高いものもあります。そうなると同じ10万を預けているだけでも、高い金利とさらに為替レートがいいときに日本円に戻せば、きちんと儲かるというわけです。
こちらも株価と同様、つねに変化しているので下がったり上がったりが気が気でないという人には正直向いてないですし、日本国内で預けたり引き出したりもできるとはいえ、海外の経済状況などによって、その外貨の価値がガクッと下がることも。なので、海外経済のこともきちんとチェックする必要があります。
皆さんにとって外貨預金は、リスクも多く、正直少し上級者向け。今はまだ手を出さず、今後お金に余裕ができた時に考えてみるお金の増やし方の手段のひとつくらいに頭の隅に置いておくくらいがいいかもしれません。また、大人になってからも、他の投資方法と比較しつつ〝自分に合ったもの"を選ぶということは忘れないでくださいね!
〈vol.19に続く〉
プロフィール/よこかわ・かえで。明治大学法学部卒業後、同大学院へ進学、24歳で経営学修士(MBA)を取得。 地下アイドルという異色の経験を持ち、現在はとくに若い世代やお金のことをあまり知らない世代へお金の知識の啓蒙を行い、唯一のミレニアル世代のお金の専門家/経済評論家として活動中。「お金のことを誰よりも等身大の目線でわかりやすく」がモットー。初の著書となる「ミレニアル世代のお金のリアル」(フォレスト出版)が好評発売中。
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