2018.09.09
古着ブームの今、知っておくべき最強のビンテージデニムたち! Vol.1ビンテージデニムの王様、リーバイス501の価値を知る
古着店がにぎわいを見せるこの頃。ファストファッションなどもいいけど、だからこそ、人とはちょっと違った1点ものの良さが注目されている。"じつはこれ古着っす"って、古着MIXした感度の高い人は増加傾向にある。そんな中で、いつかは知っておきたいビンテージデニム。レジまわりで厳重に扱われていて、触るのも怖かったりして、遠い世界のアイテムのようだけど、一度知っとけば一生の知識。ってことで、今回は値札も見たことないようなビギナーに、まずはビンテージデニムの価値を知ってほしく、年代モデルごとに相場価格のお話。
ビンテージデニムは価格からどれだけ貴重かということが分かる!
ビンテージデニムといえば、もっとも話題に上がるのがブランドといえばリーバイス。そしてそのモデルは501。原型は1873年に誕生し、約150年の歴史がある。そのため、年代ごとにさまざまなモデルが存在する。でも、相称すればどれも501。年代ごとにディテールが異なっていて、そこから通称名(モデル名)がいつしかネーミングされた。ディテールが異なるのは、アメリカの生活様式や、戦争、リーバイスという会社の上場など、いろんな時代背景が関係してくる。そこら辺はVol.2でしっかり触れたいのだけど、まずは、各年代の通称名を知り、そして、どのくらいの金額がするものなのか、501を中心に見てみよう。
右から、”501XX 革パッチ”、”501XX 紙パッチ”、”501 ビッグE”が並ぶ
”501XX 革パッチ”(1946年頃~1954年頃)は約29万8000円~約59万8000円、”501XX 紙パッチ”(1955年頃~1966年頃)は約7万9800円~約19万8000円、”501 ビッグE”(1967年頃~1970年頃)は約4万9800円~約9万8000円が相場。僕らにはすごい価格に感じるよね。基本的に古いモデルほど高値で取り引きされていて、とくにこの3本はマニアから人気の高い名モデル。古いモデルほどマニアが多く、最近はアメリカでも逆輸入的な感じで日本へ買い付けにくる人も多い。また東南アジアなどにもマニアが増え、同じく日本に買いにくる人が増えている。
続いて、右から"501 66前期"、"505 ビッグE"、"517 シングル"
”501 66前期”(1969年頃~1970年頃)は約2万9800円~約4万9800円、”505 ビッグE”(1966年頃~1971年頃)は約3万9800円~約5万9800円、”517 シングル”(1970年頃)は約1万5800円~約2万5800円が相場。501においては、この”501 66前期”までをビンテージと呼ぶ人が多い。それは、インディゴならではの美しい色落ちが味わえるのがこのモデルまでとされているから。また、501以外のモデルでも人気の高いビンテージデニムがある。たとえば、写真中央の”505 ビッグE”は同年代の501と比べて相場価格は低いので手に入れやすい。また、今後の注目は写真左の”517 シングル”だったり。いつしか、このモデルが大人気になるトレンドがくると思うので、値上がりする前に買っておくのも賢い手。
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いつか買うかも。その日のために予習しとこ
買うときに覚えておきたい9カ条!
1990年代の爆発的なビンテージブームも久しく、市場の相場は落ち着いた。だけど、少しでも安く、少しでも良質なビンテージを購入したいなら、ここに紹介するポイントを押さえておくべし。
1.前述したように年代ごとで価格は変わる
やはり市場に出まわる数の少なさから、古い年代のモデルのほうが相場価格は高い。XXの革パッチであれば、約30万円以上、XXの紙パッチであれば10万円台、ビックEであれば5万~ 10万円くらいというのが、マニア間のイメージだろう。それより前ならば、ウン百万という信じ難いモデルもある。
2.色落ちなどの状態でも価格は変わる
ビンテージ501の魅力でもあり、相場価格を大きく左右するのが、そのモデル1本1本のコンディションである。デニムの色落ちやダメージ具合、ペンキや黒ずみなどの汚れ具合などがそれである。きれいな方が高く、未使用状態のことを指す“デッドストック”には、もっとも高い値段が付けられる。
3.サイズでも価格は変わる
コンディションと同様、相場価格に影響を及ぼすのが、ウエストとレングスのサイズ。これによっては年代を超えて価格が高くなることも、安くなることもある。現在は、ウエストが32~ 34、レングス31~ 32がゴールデンサイズ。そこを外して購入し、着こなしでカッコ良くアレンジしてはくのも手だ。
4.ビンテージ市場相場は変動しにくくなった
1990年代に巻き起こったビンテージブームによる価格の高騰、そして、ブーム後の暴落と、これまで価格が大きく変動してきたビンテージリーバス501。現在の市場相場は徐々にまた高まってきてはいるが、比較的安定しているという。ビンテージデニムを購入するなら、まさに今だといえるだろう。
5.都道府県エリアごとに多少の価格差はあるかも
これは必然的なことだが、需要と供給のバランスを考えれば、同じ日本でも人口の多い大都市と少ない地方などで多少の価格差は見られるかもしれない。情報化社会の現在は、ここに紹介した相場価格から大きく外れることはないだろうが、都道府県ごとの古着屋を巡っていく、これもまた古着を買う(探す)楽しみでもある。
6.いいもの見つけるなら第3週の週末を狙え!
カリフォルニアで開催される全米最大級のフリマ、ローズボールフリーマーケット。1日では回りきれないほどの規模で、ここでビンテージなどを仕入れる古着店は少なくない。このフリマが毎月第2日曜日に開催されることから、翌週末に仕入れたビンテージを店頭に並べることが多いという。
7.買うときはダメージを確認しておこう
せっかくお気に入りのビンテージを見つけても、購入時には気がつかなかったダメージにより、数回はいてダメになってしまうというケースもまれにある。良心的なショップであれば問題ないだろうが、ネットオークションなどの個人売買の際にはとくに気をつけたほうがいい。ご注意あれ!
8.買ったらお手入れも大切
タフなジーンズとはいえ、何十年も前のモデルでダメージのあるビンテージは、新品よりも慎重に取り扱いたい。とくに洗濯には注意が必要で、「ジーンズは洗わない」というのは昔の話。汗に含まれる脂分がデニムによくないので、汚れたらデリケート洗いやつけ置きで洗うことをオススメする。
9.海外からも注目をされる日本のビンテージ市場
ʼ90sにビンテージブームを経験し、その当時からのマニアも多く存在することから、今では本国アメリカよりも、日本のほうが質のいいものが豊富にそろっているといわれるビンテージ501。香港や台湾、タイやマレーシアといった国々からは、ビンテージを求めて来日する人も少なくないというから、早めの購入を!
以上、第1回目はビンテージ501の価格相場を中心にお伝えした。でも、なんでこんなに高いの? それなのに、魅了されるマニアがいるの? って思うよね。それはディテールに宿る時代背景や、貴重さが密接に関係している。第2回目では、そこら辺の時代背景などをタイプ別に一気にお見せしたいと思うので、こうご期待!
※ここに記載された金額は目安です。相場は常に変動いたします。
撮影/青木和也 特別協力/藤原 裕(ベルベルジン)、栗原道彦(ミスタークリーン)