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2020.09.07

ハタチの経済学 vol.24「不動産投資」のハードル、ものすごく高いと思ってない？

お金のことって難しいし、知りたいと思っても周りの人に聞きづらい……。それならプロに聞くのが一番！
身近なお金の仕組みや疑問について、平成生まれのお金の専門家・楓先生に1から教えてもらう人気連載「ハタチの経済学」。今回は不動産投資についてお勉強。今すぐ始めることはできなくても、どんなものか知っておけば将来キット役に立つはず！

【「不動産で儲ける」って夢物語だと思う？】前編

株式投資だけが
投資じゃないんです

「不動産」という言葉はほとんどの人が知っていると思いますが、具体的にどんなものか、そして不動産を使った投資ができることは知っていましたか？

「不動産」とはどんなものかというと、簡単にいえば建物や土地のこと。一軒家やマンションだけでなく、オフィスビルやショッピングモールなども含めた全部の建物やその下にある土地のことを言います。そしてその不動産は自分で持っているものを自分で使うか、人に貸し出して使ってもらうか、誰かのものを借りて使うかという仕組みで大体の権利が回っています。

一人暮らしをしている人は毎月家賃を払っているかと思いますが、何となく不動産でお金儲けというと、皆さんが家賃を払っている大家さんのように、家を買って、それを貸し出して家賃を貰って、収入(労働せず得る取得＝不労所得と呼びます)を得るというイメージが強いのではないでしょうか。ですが、学生は基本的にローンが組めないため、多くの皆さんが今すぐ大家さんになることはできません。

突然「ビルを買え」という
話ではありません

そんな中でも、若いうちから不動産に投資することができるのが「ＲＥＩＴ(リート)」です。ＲＥＩＴをざっくり説明すると、投資信託と似た不動産の投資商品。皆から募ったお金でプロが投資の運用をする投資信託のように、プロに不動産の投資の運用を任せることができます。自分で不動産を買うことはできませんが、ＲＥＩＴの商品を買うことにより、間接的にいろいろな不動産のオーナーになれるのです。

もちろん、投資信託同様プロに任せる分手数料はかかってしまいますが、自分で何か建物を買って、それを売るタイミングを見極めたり、きちんと管理したり……という手間もなく数万円の少額から不動産投資を始められるのがポイント。

運用のプロは一つの建物だけじゃなく、オフィスやショッピングモール、住居、ホテルなどさまざまな不動産に投資をしてくれるので、一つの家しか持っていない場合のように、その家に住んでくれる人がいなかったらお金も貰えない、どうしよう……という心配もいりません。

また、日本だけではなく、外国の不動産を取り扱う海外ＲＥＩＴもあり、仕組みは同じですが、アジアやアメリカ、ヨーロッパなどいろいろな国の不動産が交ざっています。日本にいながら海外の不動産に投資できるってちょっとカッコイイですよね。なかなか海外の不動産のことを知る機会もないので、いい勉強にもなりますよ。

基本的にＲＥＩＴの商品を買うためには、最低でも数万円ぐらいかかるのが普通なのですが、このＲＥＩＴをさらに詰め合わせて商品にしたものもあります。詳しく説明するとかなりややこしいので、詰め合わせパックをさらに詰め合わせてリスクをできるだけ分散したよという商品がある、と覚えてもらえれば大丈夫。リスクが分散した分利益が出る振れ幅も少なくはなりますが、この＂詰め合わせの詰め合わせ＂商品であれば、証券会社によって100円から投資できるものも。数万円から、というスタートは少しハードルが高く感じますが、100円から始められるなら気が楽ですよね。

さらに、日本や海外の会社の株も含めたいろいろな投資商品の詰め合わせ商品なので、投資信託や確定拠出年金(国民年金や厚生年金にプラスして自分で投資商品を運用して老後に備えられるもの ）など、他の詰め合わせ投資商品の中にＲＥＩＴが含まれていることもあります。ここまでくるとよくわからなくなってしまうかもしれませんね(笑)。

とりあえずは、ＲＥＩＴという不動産の詰め合わせ商品があって、それだけを買うこともできるし、他の投資と組み合わせて買うこともできるということだけ理解しておけばＯＫです。他の投資方法とさらに組み合わせることで、投資の基本である分散投資をすることができ、よりリスクを減らすことができるのです。

いつかの自分の
役に立つかも？

ＲＥＩＴの商品を買っても不動産を持てるわけではありません。ですが、不動産の価格の動きを知れたり、日本と海外の不動産を比べられたり、普段触れることがない不動産の世界が少し身近に感じられる投資法だったりもします。将来家を買う(かもしれない)ときのためにも、知っておいて決して損はない知識です。

そうはいっても不動産投資は投資の中でも上級者向けなので、まだすぐには手を出すことはないかもしれませんが、こういった基礎的な知識や仕組みを知っておくことで、社会に出て大人と話すときなど、周りとかなり差をつけられるはず。頭の片隅にでも、ぜひ覚えておきましょう！

〈vol.25に続く〉