2022.12.01
僕らのちょうどいい名品ミネトンカのクラシックモック
さて、家のシューズクローゼットをあらためて確認してみよう。思っているより、似たようなものばっかりになってない? なんとなくでシューズを買っていると、テイストがかぶりがちになるのは必然。特に最近は、スニーカーブームでかなりトレンドが偏っていたし……。それを打開する、変化づけのために加えたいのが、スウェードシューズ。表情豊かな起毛感と、キレイめにも対応する上品さで、ローテに入れれば、お役立ち確定。ミネトンカのクラシックモックなんて、まさにそれ。買いやすくて、履きやすくて、痒いとこに手が届く逸品だ。
ここ数年のブームの流れからか、ラクちんなスニーカーに履き慣れてしまって、少しかしこまったレザーシューズを敬遠してしまっている人、けっこういるよね。
そこで、オススメしたいのが、ミネトンカのクラシックモック。知らない人もいるだろうけど、実は「モカシンと言えば」という定番だけに、「あらためて言われなくても、知ってるよ!」という人も多い名品だ。
そんな人たちにも今一度試してほしい理由は、スニーカー感覚で履ける気兼ねなさ。スウェードボディで上品見えするわりに、全体が柔らかく、しなやかだからラクに履ける。ちょっと前に買い揃えたダッドスニーカーやハイテクシューズばかりのシューズクローゼットには、このミニマルなフォルムは異色かもしれない。
だけど、レトロでシンプルな佇まいだからこそ、旬の古着コーデにもハマるし、ちょっとキレイめなコーデにもなんなくなじんでくれる。自分の1軍シューズの中に1足入れておけば、履きどころはたくさんあるってわけ。
歴史ある老舗という信頼が
ミネトンカの魅力のひとつ
「モカシンの定番」と言ったとおり、ミネトンカの歴史は深い。創業は1946年。アメリカ・ミネソタ州のギフトショップが始まりだ。そこで販売されていたのがモカシンで、なんと当時の価格で3ドル80セント。
手にしやすいリーズナブルさは、このときから変わらないこだわりなんだろう。
その後、1960年代のヒッピーブームでブレイクし、1980年代に発売されたドライビングモカシンが、トレンドだったデニムスタイルに合わせやすいと大ヒット。2000年代にはウィメンズのフリンジブーツが、音楽フェスやらなんやらで、ハリウッド女優の中でも流行ってたよね。そんな感じで70年以上もの間メジャーでいられるってことは、言わずもがな「イイモノ」ってことでしょ?
スタンダードだけど
退屈しない魅力
素朴というかクラシックというか、ベーシックなルックスながら、ステッチがさりげないアクセントになっていたり、アジ感が漂っていたり……。長く愛されているだけの魅力的なポイントが随所に見える。
好感度高めのかわいさと
クラシックな雰囲気が旬
クラシックモックが放つ、いわゆるレトロな雰囲気っていうのは、ここ最近のトレンドの流れとしては大いにアリ。特にクラシックモックは、「かわいい」(KAWAii文化のほうじゃなくてね)匂いも併せ持っているところに着目したい。ほどよく目を引くシューレースの存在感や、ちょっとだけボテっとしたかわいさって、なんだか女子の好感度が高そうじゃない? ……なんて、モテが狙えそうな雰囲気もあるんだよね。
もちろん、ルックスだけじゃなくて、凹凸させることで高いクッション性や衝撃吸収力を備えたアウトソールも履き心地良好で、コンフォータブル。
それに、なんと言っても、職人がひとつひとつ丁寧に作っているということも、語りたくなるところ。質の高さを証明してくれる部分だし、ある程度、大人になってくると、そんなストーリーが楽しめるようにもなってくる。だから、自然と歴史がある、語りがいのあるアイテムに響いてしまうのかもしれない。
ミネトンカのシューズ1万7600円(ミネトンカカスタマーセンター)
どのカラーを選ぶかで
印象は変わるかも?
クラシックモックは、これまで紹介してきたチョコレートカラーに加えて、トープとブラックを合わせた3色展開。自分の好みに合わせて色を選べるわけだけど、ただ気分で選ぶと、シューズクローゼットの中の「色かぶり」は回避できない。ここはひとつ冷静になって、自分の手持ち靴を思い出してから選ぶことにしよう。
同じモデルでもカラーが違えば随分印象が変わるもので、アジ系のチョコレートに比べて、ブラックは艶っぽさも感じられる。トープはよりナチュラルな雰囲気で、自然派な雰囲気もあり。ということがわかったら、自分が持っているどの服に合わせるのがいいか考えること。普段履いているスニーカーなんかともバランスをとって、靴ローテーションの中でクラシックモックがより生きる役割を決めよう。その結果から、一番ふさわしいカラーを選びたいところだ。
ミネトンカのシューズ各1万7600円(ともにミネトンカカスタマーセンター)
ミネトンカカスタマーサービス
MAIL:support@minnetonkamoccasin.co.jp
文/池上隆太 撮影/松尾 修(STUH)