2020.02.25
ビジネスマナーの教科書 vol.22「他社訪問」の基本を知ろう
会社の顔として取引先などへ伺う他社訪問。失礼のないように、また、相手に気持ちよく迎えてもらえるように準備しよう。
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アポイントのマナー
他社訪問前におさえておこう！
アポイントメントのマナー
他社訪問は相手の貴重な時間をいただいているため、 何を大切にするべきなのかを考えましょう。その時 間をいかに有意義で気持ちの良いものにできるかが 重要。そのための準備や気遣いを大事にしましょう。
アポイントの手引き
他社訪問の際は、 基本的にアポイント(予約)を取ることがマナー。事前に相手に伝えるべき事柄についてチェックしていこう。
a.訪問の目的をまず伝える
目的もなく時間をいただくなど言語道断。目的を明確に伝え、合意を得よう。
b.日時と場所は相手優先
相手の都合に合わせるのが 基本です。調整が難しければ、いくつか候補日の提案を。
c.所要時間も事前に伝える
相手の前後の予定を考慮して、あらかじめ所要時間を伝えておくとスマート。
全方位に通ずる準備を万全に!
他社訪問はアポイントを取るところから、始まっていると言っても過言ではありません。初対面であればなおさら訪問前の行動が大切です。好印象のままで訪問するためにも事前にやっておくことがたくさんあります。電話でアポが 取れて安心……ではなく、認識違いがあってはならないアポイント情報は、追ってメールで連絡を入れましょう。その際、緊急時にも連絡が取りやすい携帯番号などをきちんと書き添えておくと、丁寧 な印象を持ってもらえます。 また、当日、迷って遅刻するな んてもってのほかです。「約束の分前」を目安に現地につくように、あらかじめ場所や交通ルートを確認しておくことも大切な準備のひとつ。初対面の相手ならば自分の会社のことは何を聞かれても答えられるくらいには頭に入れておくと安心でしょう。
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面談前の最終確認
気を抜かずに本番を迎えよう!
面談前の最終確認
相手への気遣いという意味では、事前の身だしな みも大切なチェックポイントです。初対面であれば、第一印象をより良いものにするためにも、特に清潔感に注意するよう心がけましょう。
身だしなみの最終チェック項目
訪問先の入り口の前で、最後に確認したい身だしなみポイントを確認しましょう。移動中の靴の汚れなどちょっとしたことが印象を左右することも。
a.コートは脱いで訪問
外のホコリなどを屋内に落とさないよう玄関前で脱ぐこと。縦に三つ折りにして腕にかけて入りましょう。
b.スーツが汚れてる?
袖や身体の後ろ側など、知らないうちに汚れがついていることも……。できる限り汚れを落としましょう
c.名刺入れは 内ポケットがベスト！
取り出しやすくても胸ポケットはマナー違反。内ポケットやバッグの取り出しやすい位置に入れておこう。
d.靴の内側や靴下も汚 れ はNG！
靴を脱ぐ可能性も考慮し、 靴の中や靴下にも気を配ろう。お宅訪問の機会が多い仕事なら予備の靴下を
e.携帯電話はマナーモードに！
面談中に着信音がなるなんて失態は絶対避けよう。マナーモードや機内モードなど、音の鳴らない設定に。
死角なし！のスマートな振る舞いを
訪問の前日までにも準備しておくべきことはありますが、身だしなみなど、訪問直前だからこそ、整えられることもあります。このように他社訪問は、相手に会うギリギリまで、小さなことにも気を抜かずにチェックしておくと相手に失礼がなく良いでしょう。すべ てチェックし終えて準備が整ったら、いよいよ受付へ。内線用電話が置いてある無人受付でも、有人受付でも、明るい印象となるよう にハキハキとした応対を心がけてください。まずは自分の「会社名」や「名前」、約束した相手の「訪問部署と名前」、そして、「約束の時間と用件」を伝えましょう。待合室などで約束した相手を待っている間は、私語や携帯電話の使用は慎むこと。訪問時は、どんなときでも、誰に見られてもいいような振る舞いをし、気を引き締めておくことが大切です。
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好印象な面談のコツ
最後まで気を抜くべからず！
好印象な面談のコツ
担当者が到着したらいよいよ面談がスタートしま す。面談中も注意しておきたいマナーがいくつもあります。はじめの挨拶から退社するまでの流れをおさえ、失礼のない面談にしましょう。
面談のお作法を チェック!
ここでは、はじめの挨拶から面談中、面談が終了して、退社するまでの基本の流れと、それぞれで注意しておくべき振る舞いについて、チェックしましょう。
a.椅子は引いた状態で浅く掛ける。
深く腰掛けていると、面談相手が入室してきたとき、すぐに立ち上がって挨拶ができないので気をつけて。
b.お茶は勧められたら飲んで OK。
出されたお茶などは相手から勧められてから「いただきます」と言って飲むのがベター。お礼も忘れずに。
c.資料や名刺入れなどの準備を。
面談相手が来るまでに事前に用意したものは、すぐに取り出せるようにしておくとスマートです。
d.カバンは椅子の横か足元に置く。
机の上には置かないこと。訪問日は、床に置いても自立するタイプのカバンを持っていくのが良いでしょう。
ベーシックな面談の流れ
1、はじめの挨拶
相手が入室したら、椅子から立ち上がり、相手に自分から近づいて名刺交換をしましょう。
↓
2、面談中の注意点
決められた時間内に話が収まるように、事前に話す内容の要点をまとめてから話そう。
↓
3、終了間際
面談を切り上げたいときは、終了予定時刻を確認しつつ、話に一区切りつけましょう。
↓
4、退室〜退社まで
最後まで気を抜かずに私語は控え、社外の人とすれ違ったら会釈を。上着は建物の外で着る。
会社に戻ってからも「面談」は続く
最初から最後まで、会社の顔として誰に見られても失礼のない気遣いをすることが、面談の重要課題のひとつ。これができなければ、あなたの印象、そしてあなたの会社の印象が悪くなることがあるということを肝に銘じましょう。さらに、訪問先での面談を終え、会社に戻ってきたらそれで終わりというわけではありません。まず は、面談内容を上司に報告しましょう。新しい仕事につながる動きがあれば、取り急ぎ、口頭でも構 いません。その後、改めて書面でまとめて提出することも忘れずに。 また、相手から質問などを持って帰ってきた場合は、早めにメー ルで回答を。その際、改めて面談のために時間を割いていただいたことへの感謝を伝えましょう。そういった細やかな気遣いができれば、この先の付き合い方にも良い変化が生まれるはずです。
5/5PAGE 名刺交換のマナー
名刺は持ち主の分身として扱おう
名刺交換のマナー
対面の挨拶は名刺交換から始まります。 顔と名前を覚えてもらうためにも、名刺交換のマナーをしっかりと身につけておけば、その後の関係性も良好なものにしていけるでしょう。
名刺交換お決まりパターン
基本的に訪問した側から名刺を渡します。これは訪問される側が立場が上、訪問する側が下という考えからのもの。また、役職が高い順から行っていくのが基本。
a.同時に交換するパターン
(名刺交換における基本形)
1、名刺は名刺入れの上に置き、胸の高さに持ち、訪問した側から会社名と名前を名乗る。
2、渡すときは名刺を利き手で持ち、相手が読める向きで差し出す。相手より低めに出そう。
3、相手の名刺は逆の手で受け取る。自分の名刺入れの上で受け取るようにしましょう。
4、名刺を受け取ったら右手を添える。両手で名刺を持ったら「頂戴します」と言おう。
5、受け取った高さのまま、名前などを一通りその場で確認する。
※相手が左利きの場合は、相手のやり方に合わせるよう心がける。
b.名刺を差し出すだけのパターン
1、名刺は相手が読める向きで自分の名刺入れの上に置く。
2、差し出したら、自己紹介と挨拶を交わす。
c.名刺を受け取るだけのパターン
1、相手が名刺を差し出してきたら「頂戴いたします」と胸の高さで、両手で受け取る。
2、名前を確認し、読み方がわからなければ尋ねること。不明点を確認することもマナー。
使いやすい名刺入れを用意せよ!
自分の分身でもある「名刺」を入れる「名刺入れ」にも気を配ろう。お客様からいただいた名刺も入れるものなので、気にかけておくのは相手へのマナーにもなります。
a.スリムなものよりも厚みのあるものを
名刺のストックを入れておいたり、受け取った名刺をしまっておくため、厚めの名刺入れをセレクトしよう。
b.素材は「革製」がベスト！
金属製は長持ちするが、万が一落として床を傷つけることも。革製のものをケアしながら長く使うと◎。
c.「間仕切りのある二つ折り」が最適！
自分の名刺は奥、いただいた名刺を手前、という具合に分けて収納できるので間違えることもなく、便利。
名刺交換で役立つQ&A
名刺交換ははじめの挨拶の中で素早く行われることが 多いので 、正しいやり方や疑問点がそのままになっいることも。ここで改めて確認しておきましょう。
Q1.名刺の用意に手間取って、 先に差し出されたときは どうすれば?
A1.相手の名刺を受け取った後に、 お詫びしつつ自分の名刺を渡そう。
Q2.万が一、名刺を切らしていたらどう対処すればいい？
A2.その場は自己紹介だけで済ませ、後日お詫び文を添え郵送しよう！
名刺交換は丁寧すぎるくらいに！
名刺交換は、仕事で関わる人同士が最初の挨拶で行うため、第一印象を左右します。そもそも挨拶すらきちんとできない人は、まず信用してもらえません。相手からすれば、最初の印象が悪ければ、一緒に仕事がしたい気持ちになれず、信頼関係を築くのに余計な時間がかかってしまうかもしれません。だからこそ、たかが名刺を交換するだけと思わずに、イメージトレーニングをしたり、同僚や先輩と事前に練習をしておいたりと、 スムーズな名刺交換ができるように準備しておきましょう。また、名刺はその人自身と思って、丁寧に扱いましょう。基本的に面談中は、自分の名刺入れの上に相手の名刺を乗せ、自分の左斜 め前に置きます。数人と名刺交換をした場合は、役職が最上位の人の名刺を名刺入れの上に乗せ、他の方の名刺はテーブルの上に並べ ておきましょう。相手が座っている順番に並べておくと、名前と顔 が一致して覚えやすくなります。 名刺交換は、短時間で行わなければならないからこそ、出会う方々、すべてに敬意を払って、気持ちの良い印象を持ってもらえるように心がけましょう。
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ビジネスマナーの教科書
vol.1 挨拶＆返事の基本、できてる？
vol.2 相手に伝わる話し方について
vol.3 話し方で周りからの評価をUP！
vol.4 言葉選びのマナー
vol.5 意見が対立した時の話し方
vol.6 「聞き上手」になるためには？
vol.7 身だしなみの基本
vol.8 スーツスタイルの基本
vol.9 ビジネスカジュアルの身だしなみ
vol.10 社会人１年生のカバンの中身
vol.11 ビジネス文書を極めよう
vol.12 頭語・結語・時候の挨拶と前文・末文の挨拶
vol.13 社内文書の基本
vol.14 社外文書の基本
vol.15 封筒・ハガキの宛名書きについて
vol.16 招待状・案内状への返事の仕方
vol.17 電話応対の基本
vol.18 電話を受けるときの秘訣
vol.19 クレーム電話対策のススメ
vol.20 指示・報告・連絡・相談の基本
vol.21「来客応対」の基本を知ろう
vol.23 応接室、会議室の席へのご案内のマナー
vol.24 乗り物での席次のマナー
vol.25.お茶出しとお見送りのマナー
vol.26 飲み会・会食のマナー
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監修：西出ひろ子
マナーコンサルタント・美道家。ヒロコマナーグループ代表。ウイズ株式会社代表取締役会長。HIROKO ROSE株式会社代表取締役社長。一般社団法人マナー教育推進協会代表理事。これまで10万人以上に対してマナー研修やおもてなし講座などを開催するだけでなく、マナー評論家としてテレビ番組などのメディアへの出演も多数。これまで国内外で90冊以上の著書・書籍監修を手がけている。
イラスト：竹本浩平
