2020.01.27
ビジネスマナーの教科書 vol.18電話を受けるときの秘訣
「電話応対」はかけることだけでなく、受けることも同じくらい大切なこと! 初めのうちは積極的に電話を受けることが不安かもしれないけど、基本をおさえてしまえば怖いものなしだ!
不安を打ち消すためのいろは
しっかり基本と準備さえ整えておけば、電話に出る不安はなくなるはず! メモを用意したら、落ち着いて相手の話に耳を傾けよう。
いろはの「い」
「ソ」の高さから始めよう!
電話での第一声は音階でいう「ソ」の高さが理想的。相手に明るい印象を与えることができるうえに、聞き取りやすいのもこの音! 日頃から電話のときに意識してみて。
いろはの「ろ」
聞いた話のメモを取る準備を
電話の相手が伝えていることを聞き漏らさないために、電話の近くにはメモとペンをいつも用意しておこう。電話を取ったら、利き手にペンを持ってメモを取れるようにしよう。
いろはの「は」
声にも表情を付けて!
電話では顔が見えない分、話し手の感情は格段に伝わりにくくなる。だから電話で話す際はいつもより声に感情を乗せて、ぶっきらぼうなイメージにならないようにしよう。
メモは5W3Hで構成!
初めのうちはメモを取ることと、電話応対を両立することが難しいと感じることも! 聞いた内容をしっかりと整理してメモをすることで、聞き漏れを防ごう。
声だけで相手に気に入ってもらおう!
チャットなどの通信サービスが普及している今でも、会社にとって電話はもっとも多用する通信手段のひとつ。メールよりも相手に感情を伝えやすいため、あえて電話で連絡をすることも多い。それだけビジネスにおいて重要な電話だからこそ、苦手意識を持たずに、積極的に出ることが大事。最初のころは難しくてなかなかできないメモを取りながらの電話応対。相手の声がよく聞こえなかったり、早口でメモが追い付かないなんてトラブルは付きもの。慌てずに「恐れ入りますが、もう一度お聞きしてもよろしいでしょうか」と断りを入れれば、電話相手は怒ることなく対応してくれるはず。安心して電話対応をしよう。ただ、電話も「人対人」のコミュニケーションだということを忘れず。顔が見えないからこそ、いつも以上に相手への思いやりを持とう。
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電話応対のポイントをチェック
電話応対ポイント(受ける編)
電話は必ずしも自分宛てには来ず、多くの場合社内の誰かにつなぐことになる。練習してスマートにつないでみよう!
Point1
最初に名乗るのが基本!
基本は「はい」で出て、朝10時半までは「おはようございます」、3~4コールは「お待たせしました」など、言い回しを変えよう!
Point2
身分を確認したら名前で呼ぼう!
会社名を名乗らない人もいるので、相手の会社名と名前をしっかり再確認して。相手が名前を名乗ったら、以降は名前で呼ぶと◎。
Point3
つなぐ場合はスマートに!
相手から要件を伺ったら、告げられた名指し人の名前を復唱し取り次ぐ。なお、社内の人間は、どれだけ上の立場でも呼び捨てでOK。
Point4
名指し人に連絡できるタイミングを伝えよう!
名指し人が外出や会議等で席を外している際は、取り次げないことに対するお詫びと理由、そして連絡がつくタイミングを伝えて。
Point5
電話を終えるまで油断しない!
電話番号や住所など、控え間違いがあってはいけない情報は復唱して確認を徹底。相手が聞き取りやすいよう区切りながら復唱しよう。
電話の受け方の基本サンプル
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自分:はい! ○○社の営業部の伊東が承ります。
相手:××社の鈴木と申します。
自分:××社の鈴木様でいらっしゃいますね いつもお世話になっております。
相手:営業部の近藤様はいらっしゃいますか?
自分:営業部の近藤ですね。おつなぎしますので少々お待ちください。
(保留)
自分:大変お待たせしております。申し訳ありませんが、ただ今近藤は外出しております。近藤が戻りましたら、こちらから鈴木様にお電話を差し上げますが、ご都合いかがでしょうか。
(※戻り時間も伝えるのがベスト!)
相手:この後は会社におりますので、18時まででしたら大丈夫です。
自分:かしこまりました。それでは念のため鈴木様のお電話番号を伺ってもよろしいでしょうか?
相手:では、会社の電話番号ですが……
自分:それでは復唱させていただきます。東京03の○○○○の1111ですね。それでは近藤が戻りましたら、鈴木様から連絡あった旨を必ず申し伝えます。電話をお受けしたのは、私、伊東と申します。
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電話が終わったら、名指し人に向けて、用件などを控えたメモまたはメールを残しておこう。また、電話相手から至急折り返しが欲しいと要望があった場合には、名指し人にすぐ連絡を取り、その旨を伝えよう。相手のためにも迅速な対応をしよう。
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ビジネスマナーの教科書
vol.1 挨拶&返事の基本、できてる?
vol.2 相手に伝わる話し方について
vol.3 話し方で周りからの評価をUP!
vol.4 言葉選びのマナー
vol.5 意見が対立した時の話し方
vol.6 「聞き上手」になるためには?
vol.7 身だしなみの基本
vol.8 スーツスタイルの基本
vol.9 ビジネスカジュアルの身だしなみ
vol.10 社会人1年生のカバンの中身
vol.11 ビジネス文書を極めよう
vol.12 頭語・結語・時候の挨拶と前文・末文の挨拶
vol.13 社内文書の基本
vol.14 社外文書の基本
vol.15 封筒・ハガキの宛名書きについて
vol.16 招待状・案内状への返事の仕方
vol.17 電話応対の基本
vol,19 クレーム電話対策のススメ
vol.20 指示・報告・連絡・相談の基本
vol.21 「来客応対」の基本を知ろう
vol.22 「他者訪問」の基本を知ろう
vol.23 応接室、会議室の席へのご案内のマナー
vol.24 乗り物での席次のマナー
vol.25.お茶出しとお見送りのマナー
vol.26 飲み会・会食のマナー
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監修:西出ひろ子
マナーコンサルタント・美道家。ヒロコマナーグループ代表。ウイズ株式会社代表取締役会長。HIROKO ROSE株式会社代表取締役社長。一般社団法人マナー教育推進協会代表理事。これまで10万人以上に対してマナー研修やおもてなし講座などを開催するだけでなく、マナー評論家としてテレビ番組などのメディアへの出演も多数。これまで国内外で90冊以上の著書・書籍監修を手がけている。